学資保険の金額は?試算&組み合わせを解説!

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学資保険の金額

お子様の成長は嬉しいものですが、それに伴って家計の負担は大きくなってきます。

 

そんな中にあっても、将来のお子さんが幅広い選択肢を持てるように、しっかりと教育費を確保したいところです。

 

そのために検討しておきたいのが学資保険。貯蓄性が高いだけでなく、”お子さんの教育資金のために”という目的意識が貯蓄を助けるという面でも人気を集めています。

 

教育に必要な金額を備えるためには、学資保険だけでなく奨学金や貯金、投資などといったいろいろな資金対策と合わせて上手に活用するのが理想的です。

 

そのように、複合的な備えをすると仮定した場合、どれだけの金額をどういったバランスで貯めていけば良いのでしょうか。

 

 

この記事では、お子さんの成長段階に応じてかかってくる金額や、それに対して学資保険をどのように活用できるのか、さらには学資保険以外にはどのような方法があるのかについてご紹介していきます。

 

一体幼少期から大人までどれくらいの金額がかかるかを考え、人生設計の中での選択肢として検討して頂ければ幸いです。

 

1 学資保険で備えたい金額

学資保険で備えたい金額

 

学資保険の金額は、商品やタイプによってばらつきがあります。また、毎月の出費になりますので年収に合わせて無理のない商品を選ぶことが必要になります。

 

学資保険でどれだけの金額を貯蓄するかを決めるために、まずはお子さんの成長段階に応じてどれぐらいの金額がかかってくるか知っておく必要があります。

 

早速、詳細な金額を確認していきましょう。

 

1-1 幼稚園に掛かる金額

まずは幼稚園の金額です。通常であれば3歳になった春から入学でき、小学校に入学する前まで通うことができます。

 

公立 私立
教育費 ¥131,624 ¥340,646
給食費 ¥17,920 ¥26,891
校外活動費 ¥80,556 ¥120,072
学習費総額 ¥230,100 ¥487,427

 

データを見て頂くと私立と公立で倍ほど差があることがわかります。最大50万ほどの金額が発生しますが自治体によっては助成金を活用できるところもあります。お住まいの市町村に確認すれば、丁寧に教えてくれるでしょう。

 

また、幼稚園ぐらいの年頃になるとピアノ・水泳・サッカー・学習塾などの習い事をはじめることも増えてきます。将来のお子さんの可能性を広げるために、金銭的にちょっと無理をしてしまう親御様もいらっしゃるようです。

 

しかし、この時期に家計が苦しくなり将来の教育費に必要な金額を確保できなければ、元も子もありません。お子さんに習い事をさせつつも、しっかり教育資金を準備できるよう、学資保険などを活用してしっかりと学資を貯蓄していきたいですね。

 

1-2 小学校に掛かる金額

続いて小学校の間にかかる金額を確認していきましょう。公立と私立の金額の違いに驚かれることでしょう。

 

公立 私立
学校教育費 ¥55,197 ¥822,467
学校給食費 ¥42,035 ¥40,229
学校外活動費 ¥208,575 ¥559,661
学習費総額 ¥305,807 ¥1,422,357

 

小中高の中で最もお金がかからないのは公立小学校ですが、私立小学校になった途端、公立に比べて約5倍の金額がかかります。

 

さらに、公立・私立を問わず中学受験を検討しているお子さんは塾に通い始めるタイミングでもあります。

 

塾に通うことになれば月々の授業料に加えて教材費や特別講習などが発生します。また、受験する際には、受験料や交通費、宿泊代なども発生します。これらを全て含めるとかなりの金額がかかることになります。

 

私立中学校受験を検討しているご家庭は、塾の金額についても考慮に入れる必要があるでしょう。

 

1-3 中学校に掛かる金額

次は中学校の頃にかかる金額について検討してみましょう。

 

公立 私立
学校教育費 ¥131,534 ¥997,526
学校給食費 ¥36,114 ¥3,380
学校外活動費 ¥282,692 ¥294,250
学習費総額 ¥450,340 ¥1,295,156

 

私立中学校に通うとなると、公立中学校の約3倍の金額(総額)がかかってきます。

 

中学生になれば、高校受験を考慮し、家庭教師や塾を利用するお子さんが公立、私立関係なく増えてきます。

 

公立中学で塾に通っている割合は7割といわれています。そのため、公立中学校に通わせる可能性が高いご家庭であっても、塾にかかる金額も含めて貯蓄しておいたほうが良いでしょう。

 

1-4 高校に掛かる金額

続いて、高校にかかる金額を検討します。

 

公立 私立
学校教育費 ¥230,837 ¥722,212
学校外活動費 ¥155,602 ¥244,604
学習費総額 ¥386,439 ¥966,816

 

私立を選択する可能性が高まってくる高校。2010年度に導入された高校授業料無償化により、公立高等学校は授業料が無償になったり、私立高等学校は就学支援金が交付され授業料が下がったりました。

 

確かに、導入前に比べて学習費の負担が軽くなりました。しかし、最大の山場である大学受験を前に、上記の授業料に加えて塾や予備校のピークを迎えるタイミングでもあります。

 

また、遠くの学校に行くために交通費がかかってきたりと、何かと負担が増えがちな時期と言えるでしょう。

 

 

1-5 大学に掛かる金額

大学に掛かる金額

 

いよいよ大学受験、そして在学中の金額に参りましょう。学資保険は、その加入者の大半が、大学入学に向けた貯蓄を目的としています。

 

もっとも重要と言っても過言ではないこのタイミング。いったいどれだけの金額がかかってくるのでしょうか。

1-5-1 受験時に掛かる金額

 

入試スタイル 目安の金額
センター試験 3課目以上 ¥18,000

2課目以上 ¥12,000

国公立大学 1校につき ¥17,000
私立大学 一般学科  約¥35,000

歯学・医学系 ¥40,000〜60,000

 

大学受験の際には、受験料・交通費・宿泊費なども発生します。親御さんが同伴する場合、交通費・宿泊費などが倍の金額になります。遠方の大学を受験する場合は、注意したいですね。

1-5-2 在学中に掛かる金額

最後に大学の金額です。生まれて来たお子さんのために学資保険などで貯蓄を行うとき、1番意識するところかもしれませんね。早速金額の一覧を見てみましょう。

 

公立4年間 私立文系4年間 私立理系4年間
入学費用 ¥796,000 ¥940,000 1033000
在学費用 ¥1,097,000 ¥1,492,000 1773000
費用合計 ¥5,184,000 ¥6,908,000 8125000

 

ここで言うところの入金費用とは、受験の際の金額や学校に納付するお金、さらに入学を見送った学校に対する納付金を指します。また在金費用は、授業料・通金額・教科書代などの学校教育費 や、塾の月謝、お稽古事の金額などの家庭教育費を合計したものを表しています。

 

同じ私立大学の場合でも。文系か理系かで大きな違いが生じます。また、通う年数も長くなり、実家から離れる可能性も増えるため、生活費の負担も見越して資金計画を立てたいところです。

 

家系の負担を少しでも軽くするために、奨学金制度や教育ローン、あるいは学資保険などを駆使しましょう。

 

1-6 学資に掛かる金額の総合計

これまでに見てきた各セクションの金額の総額を計算してみましょう。以下の通りに分類して表記しています。

 

  1. 公立のみで大学に行った場合の金額
  2. 公立小中高校まで通い、私立の大学行った場合の金額
  3. 私立のみで大学に行った場合の金額の合計

 

1 全て公立 2-1 公立+私立文系 2-2 公立+私立理系 3-1 全て私立文系 3-2 全て私立理系
金額総額 ¥6,556,686 ¥8,280,686 ¥9,497,686 ¥10,144,826 ¥11,361,826

 

 

公立と私立のどちらを選択するかによって金額に大きな開きがあることがわかります。

 

理系は私立の場合、公立に比べ圧倒的に金額がかかってきます。そのため、お子さんのタイプに応じて早期に、かつ計画的な貯蓄を考えたいですね。

 

現在の世帯年収のボリュームゾーンが400万円であることを考えると、高校まではできるだけ公立に進学させるのが現実的であることがわかります。

 

平均的な学資保険は、満期金額が200万〜300万円です。私立大学の場合であれば700万円ほど開きがあるため、学資保険とは別に貯金や奨学金を組み合わせていくのが良いでしょう。

 

私立を前提に考えるならばやはり2〜3万円の学資保険に加え、貯金をするのが理想的なラインになってきます。

 

このように総額と現在の年収を比較し、逆算することで、どれくらいの金額があれば無理のないプランを練ることができます。しっかり時間をとっていきたいですね。

 

1-7 学資保険以外に大学の学費を賄う方法

学資保険以外に大学の学費を賄う方法

ここまで見てきたように、お子さんの学費を学資保険だけで完璧に賄うことができるわけではありません。

 

そういった場合に対する備えとして、学資保険以外にどのような選択肢があるのかを確認していきましょう。

1-7-1 奨学金

まず最初に思い浮かぶのが、経済的な負担を軽減するために低金利で資金を貸し出す奨学金制度です。

 

一言で奨学金と言ってもたくさんの種類があり、それぞれに性質が異なります。ここでは、その幾つかをご紹介します。

 

1.日本学生支援機構

日本で最もメジャーな奨学金制度を提供している日本学生支援機構。無利息で借りることができる第一種奨学金と、利息が付くものの成績基準は緩やかな第二種奨学金が用意されています。

第一種奨学金

  • 無利子
  • 厳密な成績基準等が設定されている (高校の成績3.5以上/学部・学科成績上位1/3以内)
  • 貸与金額が定められている。

 

第二種奨学金

  • 上限3%以内の利息
  • 第一種と比べ成績基準が低い
  • 貸与金額を選択できる(30,000円 / 50,000円 / 80,000円 / 120,000円)

* 成績基準が低い第二種であっても、留年などをしてしまうと奨学金の支給が打ち切られてしまう可能性もあります。

 

2.大学独自の奨学金制度

大学が独自に奨学金制度を定めている場合もあります。その際は、2年次以降の学生や大学院生が対象とされているケースが多く見られます。

 

成績優秀な学生に対しては授業の一部、または全額免除が受けられる特待生制度を活用することもできるでしょう。

 

また、奨学金制度には、「貸与型」と「給与型」の2つのタイプがあり、加入前にしっかりと確認するようにしましょう。

 

  • 貸与型:返還義務がある
  • 給与型:返還義務がない

 

 

3.地方自治体の奨学金制度

各地方自治体が設置している奨学金を活用するという選択肢もあります。

 

その場合、貸与型であることが多く、日本学生支援機構の奨学金と併用することができない場合もあります。そのため、念入りに事前調査する必要があるでしょう。

 

4.民間団体、その他奨学金制度

民間団体をはじめとしたその他の奨学金制度も活用することができます。

 

保護者が病気や事故で亡くなったり、障害を負ったりして金銭的にハンデがる学生の救済を目的とした団体の奨学金制度、新聞配達員として働くことで奨学金を受けられる新聞奨学生制度などがあります。

 

その他にも、一般企業が奨励金を出している例もあるため、大学受験の一年前ぐらいの主だったところを調べておくと良いでしょう。

 

1-7-2 教育ローン

教育ローンは、学資保険や奨学金と並んで利用者が多い制度です。

 

「国」と「民間金融機関」に大きく分かれており、民間金融機関の教育ローンは国から借り入れるよりも金利が高めに設定されています。2つの教育ローンの特徴を理解した上で、状況に応じて利用すると良いでしょう。

 

国の教育ローン

  • 借入限度額が300万円
  • 民間に比べ金利が低い
  • 在学中は元金が据え置かれる
  • 利息のみの返金が可能
  • 年収に制限が設定されている
  • 審査に時間を要する場合がある

 

民間の教育ローン

  • 借入限度額が300~500万円
  • 国に比べ金利が高い
  • 審査が速い

 

2 学資保険と貯蓄金額のバランス

学資保険と貯蓄の金額のバランス

 

ここまでの章で、お子さんが小、中、高校、大学に通う際に必要な金額について確認してきました。

 

では、実際に学資保険でどの程度の金額を目標に設定するのが理想的なのでしょうか。実際の試算をもとに、この点を考察していきましょう。

 

2-1 学資保険受取総額と月額保険料の目安

私立大学文系を目指し、進学に必要な金額を準備する場合を想定して試算をしてみました。

 

学資保険金 受取総額 月額保険料
試算A 約700万円 約3万円
試算B 約350万円 約1万5千円

(契約者:30歳 / 被保険者:0歳 / 返戻率:110%程度 と仮定)

 

こうしてみてみると、大学の教育費だけで約700万円程度の金額が発生することがわかります。

 

試算Aのように、700万円を学資保険だけで貯蓄するのであれば、月々約3万円の保険料を支払う必要があります。

 

学資保険は、将来年収が減った場合であっても減額しづらいという性質があります。その上、学資保険以外の保険に加入している場合がほとんどでしょう。そのような場合、比較的余裕のあるご家庭でも保険料貧乏になりかねないでしょう。

 

次に、目標金額の半分を学資保険で貯蓄する試算Bについて考えてみましょう。するとまず、月々の保険料が約1万5千円と半額になります。ちなみに、学資保険の一般的な平均保険料もこの程度の金額となっています。

 

なお、今回の試算は利回りの良い返戻率が110%の学資保険に加入したものと仮定しています。

 

学資保険は商品や加入条件により利回りが変動します。そのため、加入前には必ず各社の保険商品・プランを比較検討し、保険料や返戻率を確認した上で加入するようにしましょう。

 

試算Aで考察したように、多くの人が生命保険や医療保険などに加入しています。学資保険においてもそのような保障性を検討する必要性が全くないわけではありません、人生のリスクのすべてを保険では対応できません。

 

しかし、教育資金の確保を目的とした学資保険において、本当に必要なのは現金です。試算のモデルとして私立大学文系を選んだのは、国公立大学の金額であっても10年スパンで考えれば上昇する可能性がある、という点を織り込んでいるからです。

 

現時点の最低値を想定して準備したとしても、実際には足りなくなってしまう可能性もあるのだということを念頭に置き、返戻率の高い学資保険を備えておくのが良いでしょう。

 

2−2 教育費の貯蓄額について

お子さんがいらっしゃる世帯にとって、他の家庭の懐事情はどうしても気になりますよね。

 

初めてお子さんが生まれることになった20代・30代のご家庭は特に、他の家庭を参考にして貯蓄金額の目標を見直したいと考える方が多いのではないでしょうか。

 

そこでここでは、小学6年生以下のお子さんがいる20~49歳のご家庭が月々にどの程度を教育費のための貯蓄に回しているかをまとめました。

 

学資保険に加入している方と、加入していない方に分けて平均額を出しているため、どの程度の差ができるかに注目してみましょう。

 

学資保険加入者の貯蓄金額平均

月々の貯蓄金額 人数(母数:100) 割合
5千円未満 5人 5%
5千円~1万円未満 14 14%
1万円~1万5千円未満 34 34%
1万5千円~2万円未満 17 17%
2万円~2万5千円未満 14 14%
2万5千円~3万円未満 7 7%
3万円~3万5千円未満 3 3%
3万5千円~4万円未満 3 3%
4万円~4万5千円未満 0 0%
4万5千円~5万円未満 0 0%
5万円以上 3 3%

 

学資保険未加入者の貯蓄金額平均

月々の貯蓄金額 人数(母数:200)
5千円未満 24 12%
5千円~1万円未満 47 23.5%
1万円~1万5千円未満 47 23.5%
1万5千円~2万円未満 17 8.5%
2万円~2万5千円未満 18 9%
2万5千円~3万円未満 7 3.5%
3万円~3万5千円未満 8 4%
3万5千円~4万円未満 5 2.5%
4万円~4万5千円未満 5 2.5%
4万5千円~5万円未満 2 1%
5万円以上 20 10%

※楽天リサーチ(2014年7月15日~7月16日/全国の300サンプル)

 

教育費の貯蓄額について

 

学資保険加入者・未加入者ともに、ボリュームゾーンが月々1万円~1万5,000円のレンジであるのは同じですが、未加入者を見ると5,000円未満の割合と5万円以上の割合も多いようです。

 

このことから、学資保険に加入していない方はお金に余裕があるため特別な備えが不要である、もしくは貯蓄に回すゆとりのない世帯も多ことが推察できます。

 

給与が低い場合だけでなく、心理的な誘惑などにより、貯蓄そのものが苦手な方もいらっしゃいます。後者の場合であれば、半ば強制的にお金を確保することができる学資保険の活用を強くお勧めしたいところです。

 

2-3 消費支出からみる理想的な世帯年収

年代別の貯蓄額などを確認したところで、子育てをするために十分な世帯年収についても考察してみましょう。

 

総務省が発表している家計調査報告(家計収支編)を参照すると、2人以上の世帯の平均消費支出額は28万6,169円/月となっています。

 

このうち、教育費は1万1,970円程度となっています。先ほどの章で確認したように、お子さんの年齢が18~21歳ごろになると支出が最も激しくなります。

 

その時期の消費支出総額は35万円を超えるため、その頃には手取りで月々40万円、年収の額面金額でいうと600万円は担保しておきたいところです。

 

消費支出からみる世帯年収

 

基本的に、お子さん小さいうちの出費はそう多くありません。しかし、長期的に考えれば、ご主人様のだけでなく奥様が早い段階から職場復帰し、共働きをするのが安心です。

 

年齢 男性の平均月収 女性の平均月収 男女平均
19歳以下 145 106 125
20 – 24歳 262 231 247
25 – 29歳 367 295 336
30 – 24歳 434 296 385
35 – 39歳 498 292 425
40 – 44歳 570 284 461
45 – 49歳 623 286 482
50 – 54歳 641 276 485
55 – 59歳 616 261 469
60 – 64歳 457 214 359
65 – 69歳 379 205 308
70歳 374 215 306
平均 504 268 409

*平成23年度 国税庁・民間給与実態統計調査

 

この表で分かるとおり、男性の平均年収が600万円を越えタイミングは40代あたり。ご主人様が若くして600万円を稼ぐことができれば話は早いのですが、そんな方はそう多くありません。

 

しかし、奥様も職場復帰をすれば、20代の世帯でも十分に600万円を稼ぐことはできます。その状態が40代まで続けば、世帯年収は800~900万円に達します。

 

お子さんが小さなうちは育児との両立に苦労することもあるでしょう。しかし、支出がピークを迎えるタイミングに備えて、なるべく早期から協力して貯蓄するのが長期的に見て賢い方法と言えそうです。

 

この記事では奨学金や教育ローンなどについてもご紹介してきましたが、できることなら全額を自己資金で負担したいですよね。そのようにお考えであれば、活力のある若い時期に世帯年収を底上げし、将来への地盤を築きたいところです。

 

3 相続税に関する項目

相続税に関する項目

 

ここまでの章では、想定されるお子さんの教育資金と、それに対して学資保険などを用いてどの程度の金額を貯蓄するのが理想的か考察してきました。

 

ここからは、学資保険で満期金額を受け取った際に発生する可能性のある、所得税や贈与税についてご紹介していきたいと思います。

 

 

3-1 所得税の金額

保険料を負担している人物と満期保険金の受け取る人物が同一である場合に所得税が課税されます。この際、誰が被保険者であるのかについて考慮されることはありません。

 

学資保険の満期金額や祝金は「一時取得」という項目に分類されます。「一時所得」は以下の計算式で算出されます。

 

一時所得 =(総収入金額 – 支出した金額 – 最大50万円の特別控除額)× 0.5

一時所得 =(祝金・満期保険金 – 払込済み保険料 – 50万円)÷ 2

一時所得の場合、学資保険で受け取ったお金が、払い込んだ保険料と比較して50万円以上少ないけば、所得税が課税されません。

 

返金率が110%の学資保険を例に試算してみましょう。300万円の保険料を払い込んだ場合、総額330万円を受け取ることができるため。その差額は30万円となります。したがって、この場合は課税の対象となりません。

 

ただし、以下の2つの場合は課税対象となる可能性があります。

 

  • 積立金額、および受取金額が高額になる場合
  • 学資年金として受け取る場合

 

年金として受け取ると、一時所得ではなく雑所得とみなされる可能性があり、その場合は原則として所得税が源泉徴収されます。

 

ここまで見てきたように基本的に非課税となる学資保険ですが、課税対象となる可能性がないわけではありません。ポイントをまとめました。

 

・所得税は基本的にかからない

・保険料の払込金額が総額500万円以上の場合は注意が必要

・積立金額、および受取金額が高額であれば、お祝い金を定期的に受け取り満期金額を少なくした方が有利になる場合がある

・学資保険以外に、懸賞や福引きの賞金品、競馬の払戻金といった高額な一時所得がないか要確認

 

3-2 贈与税の金額

保険料を負担している人物と満期保険金を受け取る人物が異なる場合に贈与税が課税される可能性があります。

 

これは、自分が保険料を負担していないにもかかわらず学資保険の保険金を受け取った場合に”贈与を受けた”と扱われるからです。

 

贈与税額の金額は「1年間(1/1~12/31)に受け取った財産の合計額から、110万円の基礎控除額を差し引いた残額」に対して、速算表の数字を当てはめて算出します。

 

330万円を受け取った場合、23万円の贈与税が発生します。

 

330万円(受取り金額) – 110万円(基礎控除)= 220万円

(220万円×15%) – 10万円 = 贈与税23万円

 

所得税であれば0円の所、贈与税は23万円となります。

 

誰が保険料を受け取るかにより、贈与税でこれほどまでの金額が発生してしまいます。なるべく税金を抑えたいのであれば、満期保険金を保険料の負担者が受け取るように設定しましょう。

 

 

4 学資保険で備える金額についての意見

お子さんの教育資金として、学資保険を中心にどの程度の金額を準備すれば良いかご紹介してきました。

 

家計について長期的に考えた際、どのようなタイミングでどれぐらいの金額が必要になり、それに対してどう備えていこうか、というイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

 

そこでここからは、そのイメージを更に具体的にするため、実際に学資保険を用いて教育資金を準備してきた方々の声をご紹介していきたいと思います。

 

家計の状況は実に様々。今回は毎月の保険料負担額を基準に意見をまとめてみました。

 

学資保険で備える金額についての意見

4-1 月々の学資保険料の金額:3万円以上

4-1-1 学資保険は”利率のいい貯蓄投資”

30代女性

ある程度の金額を備えたいという点と、自分の家庭の収入を考慮した結果、銀行よりも利率のいい学資保険を選択した。

マイナス金利に突入した今の時代、銀行に入れるよりも18年で10%程度の利回りが期待できる学資保険で貯蓄する方が賢い。銀行に預けるのはもったいないと判断し、貯金用として額の高い学資保険2つに加入した。

 

利率のいい貯蓄投資として

 

4-1-2 理系大学への進学を見越して金額を設定

30代女性

夫婦ともに理系大学出身であるため、子供にも理系大学への進学を願っている。理系の私立大学への進学時に想定される800万円程度を想定し、18歳満期で800万の商品を選択した。自宅は交通の便が良いため、自宅から通学させようと考えている。

子供が女の子であるため、別の道に進んだ場合は住宅ローンに充てるつもりでいる。幅広い対応ができるよう、貯金も兼ねて学資保険の加入は必須だと考えている。

 

4-2 月々の学資保険料の金額:2万円~3万円未満

4-2-1 保障型学資保険に加入

40代主婦

なるべく早期に加入をしたかったため、商品の取捨選択にはそれほど時間を割かずに郵便局のJPかんぽ生命「学資保険 はじめのかんぽ」を選択した。

貯蓄と医療保障がセットになっているだけでなく、近くに郵便局があり直接質問しやすいというメリットから選択した。

 

4-3 月々の学資保険料の金額:1万円~2万円未満

 

4-3-1 苦しいと感じつつ保険料を支払っている

30代女性

大学受験の金額を逆算した結果この金額になった。手当があったため3歳頃までは負担が気にならなかったが、子供手当が減り、保育園も始まったため苦しさを感じつつも支払っている。

9歳まで払うことで返戻率が100%になるため、そこまではなんとかして払い続けたいと考えている。

 

4-3-1 長期的に見たて負担金額が少ない

20代主婦

期間が長い方が負担が少ないため、学資保険はお子さんが生まれた時に加入した。月々の支払いは無理のないように8,000円にしている。上乗せることもできましたが、習い事や幼稚園の費用なども考慮し、残りは貯金することに選択した。

結果的に、幼稚園のタイミングで月々4万近くの出費になり金額の設定は間違ってはいないと感じた。

さらに、これとは別で生まれてすぐ一括払いの学資保険にも加入し、利率の高さに満足してる。月々と一括合わせることで貯金と支払額のバランスを考えた。

 

無理のない学資の確保のため

 

4-3-1 無理のない学資金額の確保のため

40代主婦

学資保険は子供が成長するまで払い続けられるように金額を決定し、支払額を月々1万円前後に設定した。残った分は定期貯金で貯蓄している。

現在払い始めて子供は12歳になっているが、毎月1万円弱では大学4年間分には足りないと感じている。2万円ほどにすればよかったと後悔している。

 

4-4 月々の学資保険料の金額:5千円未満

4-4-1 子供が二人のため、最低限に留めている

30代女性

二人の息子がおり、二人分の支払いに苦労している。そのため、大体一人あたり5,000千円前後のものに加入している。当然十分ではないため、子供手当を頼りにしているような、限界ギリギリな金額。

郵便局の商品に加入したものの、元本割れなど検討せずに加入してしまった。周囲の指摘を受け、大丈夫かと不安を感じている。

学資保険の金額について:まとめ

学資保険の金額について:まとめ

 

いかがでしたでしょうか?家計の状況は様々ですが、教育資金を準備するにあたってかなり多めの金額を想定しておいたほうが良いのは間違いありません。

 

そのための手段として、学資保険は非常に有力な選択肢です。学資保険を中心にその他の方法を組み合わせて、余裕を持った貯蓄を心がけましょう。

 

先ほどご紹介した、学資保険加入者の声からも分かる通り、比較検討を怠った結果後悔してしまっている方が多いようです。

 

お子さんの人生は巻き戻すことができません。重大な決断となる学資保険選びには、返戻率や毎回の払込み額などといった点を基準にしっかりと比較検討しましょう。

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