ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「記憶遺産」の名称について、日本ユネスコ国内委員会は20日、「世界の記憶」に変更することを決めた。国際条約に基づく「世界遺産」などと性質が異なることを踏まえ、元の英語の意味により近い訳語にするべきだなどの意見が寄せられたためという。
記憶遺産は英語で「Memory of the World」で、直訳すると「世界の記憶」。「世界遺産」や「無形文化遺産」と異なり、「Heritage」(遺産)という言葉は原文にない。だが、「国民にわかりやすい」などの理由で、政府は2010年、日本ユネスコ国内委の小委員会の承認を経て、「ユネスコ記憶遺産」との訳語をあてていた。
記憶遺産は、世界遺産や世界無形文化遺産と異なる事業で、個人・団体も申請できる。審査も事務局長が選んだ専門家による非公開の諮問委員会で行われる。
記憶遺産をめぐっては最近、中国が申請した「南京大虐殺の記録」が登録されたり、日中韓などの市民団体が旧日本軍の慰安婦に関する資料の登録を申請したり、政治問題化していた。「条約上の制度のように誤解されたことで、多くの問題が生じている」(外務省幹部)といった意見があり、外務省は昨年秋以降、「世界の遺産」という名称を使っている。(守真弓、武田肇)
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