デービッド・キャメロン英首相の最も親しい友人らによれば、同氏は「魂の闇夜(人生の意味を見失ったりして悩み苦しむ)」に陥ることはない。本人が「僅差」になると認める国民投票で、欧州連合(EU)内における英国の将来と保守党の結束、そして自身のキャリアを危険にさらしたことを考えると、それは結構だ。
「何が起きるかは誰にも分からない」。キャメロン氏はダウニング街(首相官邸)の書斎で「IN」キャンペーンのマグカップからコーヒーをすすりながら、こう認める。だが、23日の投票を前にちゃんと寝ており、最後まで戦っていると断言する。「はつらつとして、さえているように見えるといいんですが」と首相は言う。「猛烈に働いているから」
ナイジェル・ファラージ氏率いる英国独立党(UKIP)の追い上げを気にし、次第に落ち着きを失う保守党議員によって実施に追い込まれたというのが実情だが、キャメロン氏は2013年にEU加盟に関する国民投票の実施を決めたことに悔いはないと言い切る。
「最後には、この問題について問い、答えなければならない」。首相は、本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に対しこう語った。「欧州は1970年代以降、大きく変わった。もし今でなければ、将来やらなければならなかったろう」
キャメロン氏は、2期目の任期のもっと先まで投票を先送りしなかったことも後悔していない。投票結果に関する経済的な不確実性に言及し、「ブレグジット(英国のEU離脱)の恐怖は必ず起きるから、早くやりたかった」と言う。
■EU離脱なら続投は難しい
キャメロン氏は、23日に負けても首相を続投すると断言するが、多くの保守党議員は、英国が投票でEU離脱を決めたら「彼は30秒ももたない」という保守党のケン・クラーク元財務相の見方に同意する。
結果は「国民次第」だと首相は言う。ただ、驚くまでもなく、残留が決まった後に何が起きるかに集中したいとし、そのときにはウェストミンスター(英議会)と欧州の双方で自身の権威を速やかに回復することを期待している。
「私が考える限り、今回の国民投票が問題に決着をつけるはずだ」。欧州懐疑派の保守党議員に、国民の判断を受け入れ、同じ戦いを繰り返さないようくぎを刺して、首相はこう語った。「結果は何らかの形で決定的なものになると確信している。英国は再びこれを経験したいと思わない。一方で、もし投票で離脱が決まれば、それは本当に取り返しがつかない」