10000時間一つのことをし続けるとその道のプロになれるそうだ。最近4260安打を達成したイチローのように。僕は18年間往復5時間の満員電車にゆられてきたので満員電車のプロフェッショナルということになる。
社会人になって4、5年目までは辛く長い満員電車に心が折れそうになったり、逆に早い電車に乗り自己啓発本を読んで自己研鑽してみたりと試行錯誤したりした。しかし15年も経つともう一種の悟りの状態になる。
カラダが一体化して電車そのものの境地に達している。駅名やアナウンスを覚えるのはもちろんのこと、どこで揺れるか減速するか、運転の仕方で車掌の健康状態やモチベーションまで手に取るように分かるのだ。
どの駅で誰が乗り、そして降りるかが分かるしどんな職業かも会話や服装からパッと分かってしまうのだ。だが一番いいことはそんなささいなことではなく、満員電車は人生だと悟ることにある。楽あれば苦あり。
満員電車で心が折れそうになっているサラリーマンやOLにひとことエールを送りたい。
『満員電車には1500人が乗っていて君と同じように会社に行くのがイヤだという人が僕を含めてたくさんいる。本当に辛かったら途中下車しよう。会社を何日か休んだって大丈夫。先はまだ長い。のんびり行こうぜ』
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