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皇太子ご夫妻岩手県ご訪問 お言葉と笑顔で励まされ

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皇太子ご夫妻岩手県ご訪問 お言葉と笑顔で励まされ

 東日本大震災から5年が経過した被災地視察のため来県されていた皇太子ご夫妻。21日は宮古市内の2カ所で被災者と懇談し、震災からの生活再建に懸命に取り組んでいる被災者を優しい笑顔とお言葉で励まされた。

 最初の懇談は、三陸地域を代表する名勝「浄土ケ浜」近くにある環境省の浄土ケ浜ビジターセンターであり、市内の仮設住宅と災害公営住宅で暮らす被災者19人が招かれた。

 ご夫妻は一人一人に声をかけて、震災時の体験談や自宅の再建状況、子供の成長ぶりなどを熱心に聞いた後、「お元気で」「お大事に」などと励まされた。

 「お会いできて本当に良かった。(雅子さまは)笑顔がすごく優しい人でした」と感激の様子で話したのは酒井由美さん(34)。当時、2歳だった子供を抱えて高台に逃げ無事だったという酒井さんの体験談に、雅子さまは「大きくなったでしょう」と笑顔で応じられたという。

 その後の懇談は、防災集団移転事業で同市田老地区の高台に整備された三王団地で行われた。ご夫妻は団地に移住した3世帯とご懇談。合併前の最後の田老町長だった野中良一さん(80)の自宅前の家庭菜園のことが話題に上り、「枝豆が早く食べたい」と話した野中さんに、皇太子さまが「ビールですね」と気さくに応じられる場面もあった。

 ご夫妻はJR盛岡駅から新幹線で帰京された。