いよいよ英国のEU離脱の是非をめぐる国民投票(レファレンダム)が現地6月23日に実施されます。

このレファレンダムを、どうトレードするべきでしょうか?

以下は僕の考えです。

【長期のポートフォリオは不変】
まず現在の僕のポートフォリオですが、いつも書いているのと同じ銘柄(オールドエコノミー、具体的にはエクソン・モービル、マクドナルド、ゼネラル・エレクトリックetc.)のポジションを維持したままです。

そうした理由は、国民投票という不確実性を前にして「相場は不安の壁を駆け上る」と思ったからです。(実際には、「駆け上る」というほど勢いはよくありませんでしたが)

【レファレンダム絡みのトレードは、ニュースの後で】
それではレファレンダムに直接関係するトレードはどうだ? ということですが、これは正直、現時点では何もやっていません。つまりノー・ポジションです。

その理由ですが、僕は国民投票で残留、離脱のどちらの結果になるか? は「5分5分の確率だ」と考えています。

結果が判然としない以上、僕の勝手な思い込みで、先回りしたポジションを立てるのは愚かな行為だという気がするのです。

【賭けのサイトはアテにならない?】
ベットフェアなどの「賭け」のサイトでは、残留が圧倒的に多いです。

普段なら、自分はベットフェアのオッズ、つまり倍率にはとても注意を払います。でも今回は大幅に割り引いて考えています。

その第一の理由は前回、スコットランドが独立を巡って国民投票したとき残留が勝ったので「今回も同じだろう」と予想する人が多いからです。

スコットランドの場合、郷土愛もさることながら、北海油田の原油収入があるので「英国から離れればそれを独り占めできる」という経済的な動機が大きく働いていました。

今回は経済的には英国がEUを離脱するとイギリス国民は損をすることは明白です。それにもかかわらず離脱派が頑張っているということは、国民は感情で動いており、それに対して理詰めで予想を立てる事には限界があるのです。

次に普通、ベットフェアは株式市場やFXなどで簡単にトレードできない案件では「有難い」トレード機会を提供しているけれど、今回のように単純にFXをトレードすれば良いケースではわざわざベットフェアに行かなくても、FXで十分だと思うからです。言い換えれば、最もソフィスティケートされたプレーヤーがベットフェアを使っているとは思えないのです。

このような理由から、今回はベットフェアのオッズに盲従するのは控えようと思っています。

【出口調査が無くても有権者の出足で大体予想がつく】
今回は公式な出口調査はありません。

ヘッジファンドなどは、独自に出口調査を行うところもあるようですが、それを利用しなくても、ある程度結果を推察する方法があります。

それは離脱派には老人が多く、残留派には若者が多いという点を利用する方法です。

一般に老人は投票所に赴きますが、若者は投票しません。だから投票率が低かった場合、残留派が思わず苦戦するケースも予想されるのです。

ちなみに1975年に国民投票があったときの投票率は65%でした。

従って今回は65%~70%程度の投票率であれば「有権者の出足は良かった」と判断できるでしょう。その場合、残留派が勝つ確率が高くなります。

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逆に55%以下の投票率なら、離脱が勝つ確率が高くなるでしょう。

有権者の出足が良いかどうかは、かなり早い時間に判明するので、それによってはマーケットが意外に早い段階で動き始めることもあると思います。

【離脱のときのトレード】
離脱の場合、リスクオフになると予想されます。株は下がるでしょう。FXはリパトリエーションで円高になる可能性があります。

このシナリオでの僕のトレードとしては、ゴールドならびに金鉱株をロングすることを考えたいと思っています。なお、これはジョージ・ソロスのポジションと同じです。

中期的な展望としては、離脱は米国株にとってプラスと考えています。その理由は利上げはとうぶん無いと思われるからです。

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【残留のときのトレード】
残留の場合、リスクオンになると予想されます。株は上がるでしょう。FXは円安に振れる可能性があります。

このシナリオでの僕のトレードとしてはロイズ・バンキング(LYG)、バークレイズ(BCS)、ドイツ銀行(DB)などをロングしたいと考えています。

ただ中期的には残留はバッドニュースです。なぜなら大きな不安材料が去り、「野も山も、いちめんに総強気」になったときが、株の降り場だからです。

その場合、FRBは、やっと利上げ出来る素地が整います。

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