ソフトバンクが副社長ニケシュ・アローラ氏の退任を発表しました。
アローラ氏はソフトバンクグループで海外の投資事業を担当し、孫正義社長の後継者候補筆頭と目されてきた人物。14年にGoogleから移籍した際には契約金含め165億円の巨額報酬でも話題になりましたが、6月22日の株主総会を直前にしてわずか2年で退任することになります。
2014年には165億円という巨額の報酬でソフトバンクに移籍し、孫社長も認める後継者候補の筆頭として、海外での投資事業を担当していました。
孫社長は60歳で現役を退き経営を引き渡すプランを公言していましたが、後継者だったはずの人物が直前にその地位から離れてしまうことになります。
ソフトバンクによると、退任の理由は孫社長が現役続行を決めたから。
アローラ氏は22日付けで代表取締役副社長を退任するものの、7月1日からは「顧問」に就任することが明らかにされています。「当社代表取締役社長の孫 正義は、アローラを有力な自身の後継者候補として考えていま したが、数多くのテーマに取り組む中で、当面は当社グループのトップとして指揮を執り続 ける意向です。一方で、アローラは、数年のうちに孫に代わって当社グループのトップとし て指揮を執りたいとの意向でした。こうした両者の時間軸のずれを踏まえ、アローラは当社 の代表取締役及び取締役を任期満了に伴い退任し、次のステップに進むこととなりました。」
アローラ氏の顧問就任について、孫社長のコメントは、
「ニケシュと私は、ソフトバンク 2.0を共に創り上げてゆくパートナーでした」。ニケシュ氏のグループにおける実績と才能を評価して、「グローバルビジネスのCEOとなりえる人物であることから、私の60歳の誕生日にソフトバンクグループの経営を引き継いでもらおうと考えていましたが、その一方で、私はまだやり残した仕事があると感じていました。ソフトバンク 2.0の構想をより強固にし、スプリント・コーポレーションを真に蘇らせ、またその他いくつかのクレイジーな構想も実現したいと考えているからです。これらに取り組むには、少なくともあと5年から10年は代表取締役社長として当社を率いてゆく必要がありますが、この間ずっとニケシュを当社のトップになるまで待たせてしまう期間になってしまってはいけないと考えました。(略) 」
このため、友好的な話し合いのもと、アローラ氏はアローラ氏の次の挑戦に取り組みつつ、顧問の立場でサポートしてもらうことを決定したとのこと。「引き続き彼は当社と友好的な関係にあり、私も彼を頼りにしていきます」。
なおアローラ氏といえば、ソフトバンクグループの一部株主から、取締役としての適性について内部調査をおこなうよう求める書簡が送られたことでも話題になりました。内容は利益相反や「不適切な行為」への関与疑惑、経営能力への疑問などと伝えられていますが、孫社長はこちらに対して、アローラ氏に全幅の信頼を置いている、「1000%信用している」と強く否定しています。