大鹿靖明
2016年6月22日05時00分
ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長がほれ込み、高額報酬で招いたニケシュ・アローラ副社長が突如、退任する。早くトップになりたいアローラ氏と、なかなか地位を譲らない孫氏。2人の確執が一気に表面化した格好だ。ソフトバンク2・0はどこへゆくのか――。
グーグル在職中のアローラ氏の手腕に感心した孫氏は2014年、頻繁に米西海岸に足を運び、アローラ氏を口説いた。最後は日本料理店の紙ナプキンに高額報酬を約束するサインをし、彼のスカウトに成功。アローラ氏も「マサ(孫正義氏のこと)は天才。彼と毎日一緒にいる」と一時は「相思相愛」の仲だった。
アローラ氏は着任すると出身地のインドや東南アジアなどの新興企業に相次いで投資をし、インドでは大がかりな太陽光発電事業をスタートさせた。しかし、もともと日本市場が中心のSBG社内からは「ニケシュのために、いちいち英語で報告しないといけない」「人事権をちらつかされた」などと古参幹部を中心に戸惑う声があがっていた。孫氏もアローラ氏と意見が合わず、側近の前で珍しく愚痴をこぼすことも。アローラ氏も高額報酬の割には思ったほどの実績をあげていない。
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