バーレーンでシーア派指導者の市民権剥奪 イランが反発

バーレーンでシーア派指導者の市民権剥奪 イランが反発
中東のバーレーンでイスラム教シーア派の指導者の市民権が剥奪されたのをきっかけに、シーア派の大国イランが強く反発し、地域の緊張が高まることが懸念されます。
バーレーンはイスラム教スンニ派の王族が支配している国ですが、国民の7割をシーア派が占めています。こうしたなか、バーレーンでは先週、シーア派の最大野党が活動の停止を命じられたのに続き、20日には著名なシーア派指導者の市民権が剥奪されたことが明らかになり、その理由についてバーレーンの内務省は声明で、「宗派対立を助長し、社会を分断しようとしている」としています。
これに対し、シーア派の大国・イランは21日までに外務省の声明を発表し、「国民との対話の懸け橋の破壊をやめるべきだ」などと、バーレーンを非難しました。
さらに、イランの精鋭部隊として知られる革命防衛隊の幹部も「バーレーンの人々にとって超えてはならない一線だ」と批判したうえで、政権転覆につながるおそれもあると警告しました。
バーレーンやサウジアラビアなど、ペルシャ湾岸のスンニ派の政権の国々は、イランがそれぞれの国に住むシーア派の人々を通じて内政干渉を図っていると厳しく非難していて、今回の出来事をきっかけに地域の緊張がさらに高まることが懸念されます。