米商務省がハイエンドCPU「Xeon(ジーオン)」の対中輸出禁止を決めたことについて、中国メディアの財経国家新聞網は4月25日、「中国のスーパーコンピューター(スパコン)産業の発展に暗雲が立ち込め始めた」と論じた。
記事は、米メディアの報道を引用し、米商務省が中国国内でスパコンが設置されている国家超級計算広州中心など4カ所の研究センターへの「Xeon」輸出を禁じると発表したことを伝えた。
続けて、スーパーコンピューターは「国の経済発展や科学の進歩、さらには国家の安全保障や国防といった分野で活用される重要な存在」であると伝え、世界の大国がその性能を争う戦略分野の1つであると伝えた。
さらに、中国では国家政策の支援のもとで「スパコンの性能は飛躍的な発展を遂げた」とし、「天河2号」は世界のスパコンランキングである「トップ500」で1位を獲得するなど極めて高い性能を持つことを指摘した。
一方で記事は、「天河2号」の高い性能とは裏腹に、中国はスパコンの頭脳にあたるCPUを米国の半導体メーカーであるインテルなどの輸入に頼っていると伝え、CPUをはじめとするスパコンの基幹部品の生産などにおいては日米に「大きく水をあけられている」のが現状だと論じた。
続けて、米商務省がハイエンドCPUの対中輸出の禁止を決めたことは「中国のスパコン産業にとっての危機であり、今後の戒めである」と主張。さらに、「天河2号」の性能は確かに世界一だとしつつも、スパコンの基幹部品を生産できず、スパコンの性能を十分に活用できるほどのアプリケーションもなく、「高い性能を持て余している」状況にあることを指摘し、「スパコンは問題を解決するために存在するものであり、スパコンランキングであるトップ500で1位を獲得するために存在するのではない」と指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国の「スパコン産業」に危機!? 『CPU』など基幹部品は・・・「輸入に頼ってました」=中国メディア
2015-05-01 22:21