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父子相伝 さえずりの秘密解明

キンカチョウの親子。右から母親、父親、オスのひな=沖縄科学技術大学院大提供
大脳聴覚野の神経細胞の活動状態の変化。父親の歌声を聞いて学習したひなのグループは学習後、親鳥の歌のみに反応する神経細胞が生じた=沖縄科学技術大学院大提供

 キンカチョウのひながオスの求愛のさえずりを父親の歌声を聞いて覚える脳のメカニズムを、沖縄科学技術大学院大の柳原真・研究員(脳科学)らのチームが明らかにし、21日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズで発表した。ひなの大脳にある聴覚野の神経細胞の一部が、1週間ほどで父親の歌声のみに反応するように変わるという。

     チームは、ひなが自由に動ける状態のまま脳細胞の活動量を計測できる特殊な装置を使い、父親と一緒にいさせた20羽と、父親と離した5羽とで聴覚野の神経細胞の活動量を比べた。その結果、20羽のひなで、最初は他の鳥の鳴き声や雑音にも反応していた神経細胞のうち1割強が、父親の歌声を聞かせたときのみ活動するよう変化した。約1週間一緒にいさせれば変化は生じたという。一方、5羽の方ではそうした変化は起きなかった。

     キンカチョウは生後60日ごろまでに父親の歌を聞かせなければ上手に歌えなくなることが知られている。柳原研究員は「幼少時に脳に刻まれ記憶した父親の歌を手本に練習しているようだ。今後練習時の脳内の変化を調べたい」と話す。【須田桃子】

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