こんにちは、ピコシムです。
先日、ショッキングなニュースが流れてきました。
26か国中、日本は軟派系ニーズが最も高くて、硬派系ニーズが最も低い
オンラインニュース消費者のニーズでも、日本は際立った特異性を見せつけてくれる。どのニューストピックスにどの程度関心を寄せているかを問うたアンケート結果では、26か国中,日本が最も軟派ニュースのニーズが高く、逆に最も硬派ニュースのニーズが低かった。
日本は、硬派なニュース(国際、政治、ビジネス/経済、健康/教育ニュース)を見る層が49%で先進国26カ国で最下位。
一方、日本で軟派なニュース(エンターテインメント/セレブ、ライフスタイル、アート/カルチャー、スポーツ)が好きな人の割合は、34%で先進国26カ国中1位タイ、韓国と同じ割合です。
出典:メディア・パブ: 日本人のニュースメディア接触、先進国の中で際立つ特異性、ロイター調査が浮き彫りに
出典元:http://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/sites/default/files/Digital-News-Report-2016.pdf(英語)
ネットには韓国が嫌いというステレオタイプな人が多いですが、日本の方がちょっとポイントが低いですよね。
それだけ、日本は平和だからいいのか、極めて重要な社会問題から現実逃避しているだけなのか原因を考えてみました。
日本人が情報源にするニュースサイトの49%はYahooニュース
日本で最も多くの人が訪れるニュースサイトは、Yahooニュースです。
あなたが、インターネットで主に情報源にしているニュースサイトは何ですか?
という質問に、YahooNewsは49%で、同様のアンケートをした先進国の中で最も高い値になっています。ちなみに韓国はNAVERニュースが主な情報源です。
出典元:http://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/sites/default/files/Digital-News-Report-2016.pdf(英語)
Yahooニュースでは何を報じているか
PCサイトとスマホサイトでは、ニュースの内容が少し違います。
PCサイトでは、
- 硬派ニュース 5(天気と被害×2、政治×1、事件×1、教育×1)
- 軟派ニュース 3(スポーツ×2 エンタメ×1)
でした。
YahooJapanのニュース欄 16/6/21 8:15(PC)
出典:YahooJpan http://www.yahoo.co.jp(キャッシュ等を消した状態の画面です)
一方スマホのサイトではどうでしょうか。
YAHOOJapanのニュース欄(スマホ)
出典:YahooJapan http://m.yahoo.co.jp(キャッシュ等は消した画面状態です)
スマホサイトは、
硬派系×3
軟派系×4(青学暴行事件は、スポーツ関連として軟派系に振り分け)
スマホサイトは軟派系ニュースの割合が多いです。
日本のユーザーはスマートフォンからのアクセスシェアが約60%程度で、ヤフーユーザは月間4460万人(2015年)参考:検索エンジン 日本でのシェア「1位はYahoo、2位はGoogle」
と考えると、日本人のニュース情報源の3分の1(高齢者、高校生以下を除くと2分の1)がYahooニュースで、しかも過半数以上が、エンタメ系ニュースを消費していることが分かります。
ヤフーニュースは、これら伝統パブリッシャーから提供された硬派ニュースも発信していた。
だが、伝統パブリッシャーは本丸のプリント事業に悪影響を及ばさない範囲内でしか、ヤフーニュースには硬派ニュースを渡さなかった。
このため質の高い硬派ニュースがネット上には多く流れなかった。
新聞各社が紙の新聞の販売減少を恐れたために、ネットに硬派ニュースの配信をしなかったために、軟派ニュースが各国に比べて大幅に増加したのです。
テレビの視聴者では60代が最多層であることと、ネットユーザーのニュース視聴者の過半数は、スポーツ・エンタメ等ばかり見る層です。
ということは、『情報を発信する側の人達』にとって、都合の良い情報だけを届けることができる、これ以上ない最高に有利な時代が到来したことを意味します。
しかも、硬派ニュースは、事件、事故、災害など、警察からの発表がそのまま記事になるので、コンテンツの価値はあまり高くはありません。
「◯◯県◯◯市で車が正面衝突、4人死亡」
「◯◯県で大雨、土砂崩れで1人行方不明」
「〇〇県で女子大生が行方不明」
などが、それにあたります。
つまり、国家的問題である、原発問題、教育、福祉、社会保障、年金、防衛、財政など重要項目はネットニュース上に流れにくい構造になっています。
都合の悪いニュースは『アタマの良い人たち』によって上手に隠されて、見つけにくく、知られにくくなっていると推測できます。
軟派なニュース(スポーツ、エンタメ)は、スポーツ新聞や週刊誌と同じマーケットに属します。
既存の全国紙のマーケットが侵されないので、両者のメリットが合致した結果、硬派ニュースを見る人の日本人の割合は、34%で26カ国中最下位のニーズとなりました。
そして、軟派系ニュースばかりが、Yahooニュースのトップ画面に出てくるので、何となく見ているうちに好きな人の割合が49%と26カ国中1位となりました。その結果、硬派ニュースを全く見ない、スポーツやエンタメ系にしか興味を示さない国民になりました。
ロイターのレポートから学べること
スポーツ・エンタメ系ばっかり流して、だから日本はダメなんだとかという問題はひとまず置いておきましょう。
多数派の人々の行動や組織の慣習を変えるのは時間とエネルギーが掛かりすぎて非効率です。
ロイターのレポートから学べることは、日本の「多数派」(スポーツ・エンタメ系好き)の49%の人々と、「私やあなた」が多数派の彼らと容易に差別化することが可能であることを示唆しています。
ここに気づいた人は、硬派ニュース(政治、経済、教育、テクノロジー)から俯瞰的に世の中を把握して、あなたのライバルに差をつけることが可能です。
海外メディアから情報を入手しよう
国内ニュースは、そのほとんどが同じ切口で記事が書かれています。
ジャーナリズムの成熟度合いが日本と海外では違うので、日本ジャーナリズムが必ずしも権力にペンで戦っているとは限りません。
寄らば大樹の陰の意識や、和を以て貴しとなす空気が支配しているかもしれません。
海外メディアなら、取材対象者と距離を置いた俯瞰的な視点で、客観的情報を容易に得ることが可能です。
もし、あなたや、私が英語が苦手でも大丈夫です。日本語ページを見れば英語と同じようなコンテンツから情報を得ることが出来ます。
世界の流れを見る
・ロイター(イギリス発祥の通信社)
英語力がネイティブ並みでなくても、日本語ページが充実していて読みやすい
・AFP(フランスの通信社)
・BBC(イギリスのNHK的な放送局)欧州問題中心に(英語)
BBCニュース(日本語ページ)
・CNN(アメリカの国際ニュース専門の放送局)
知識をもつ少数派として生き抜こう
情報は自分の人生を有利に進めていくための武器になります。
例えば、香港で不動産王の李嘉誠(リ・カイセイ)は、310億ドル(3兆4000億円)の資産をもつ、世界でトップ10、アジアで1,2番の裕福な資産家です。
彼は、太平洋戦争で父親を無くし、高校中退の身でありながら、造花の会社を立ち上げて大ヒットして、その後不動産事業を拡大させました。
そして多数派とは逆の行動をとる(逆張り)することで、大きく利益を得ました。
具体的には、
1967年の香港暴動で暴落した香港の土地を買いあさって、その巨大ビジネスの基礎を築いた。
1989年の天安門事件では、皆が中国から逃げ出すところを逆に中国進出を加速させて、鄧小平、江沢民の信頼を獲得し、中国の発電インフラなどの大型案件を次々と引き当てた。
アジア最高の経営者が、中国から逃げ出すワケ | グレーターチャイナ縦横無尽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
アジアで最も成功した李氏は、こんな名言を残しています
"Knowledge changes fate."
「知識が運命を変える。」
そして、
"Businesspeople in general shouldn’t have an overly narrow view of their industry, [rather they] need a 360-degree perspective and to look at everything from all possible angles."
「ビジネスマンは、概して自分の業界を狭く捉えがちだ。360度全方位を視野に入れ、あらゆる角度からすべてを見るべきだ。」
と、名言を残しました。アジアで最もビジネスに成功した人物の名言は、21世紀になった今も有用です。
また、世界で一番有名なリーダーの妻、オバマ大統領の妻ミシェル夫人もこう伝えています。
I truly believe "Learning is light and ignorance is darkness."
That means, I firmly believe the education is the only way to eradicate misery, hatred, and discriminations.
These words especially come to my mind in the middle of this crazy election campaign.
I don't look down the people who support Donald Trump,
but I sincerely think that they need more education.
At least, they need to be more open to learn what is actually happening on this planet.
「学は光 無学は闇」って言葉を最近しみじみと思い出す。
この言葉は、
「学ぶことは無知や憎悪や不幸の闇を打ち破る光である」との意味だと思う。
「学ばずは卑し」(学ばないということは卑しいことである)という言葉も好きだ。
特にトランプのような無教養な人間が支持を受けている今の社会で、世界から学ぼうとせず、自分の無知を長所だと思っている勘違い人間は、学歴とかは関係なく、人間として卑しいと思う。
原文、日本語訳
この言葉は私が一番好きな言葉の一つです。
日本だけがお花畑な多数派を抱えた、特殊な社会というわけではありません。
アメリカでも同様のことが起きています。
日本でも、アメリカでも海外の情報に触れることで、客観的に国が「ヤバイ状態」なのか、「まだ大丈夫な状態」なのか、毎日報道されている問題が「何が問題なのか」を考えてることが大切です。
客観的な報道から事実やデータを調べて判断をすることで、未来の予測を立てることができます。
2011年の東日本大震災で、原子力発電所のメルトダウンで放射性物質が飛散しているなか、政府の『直ちに健康被害はない』を繰り返し報道しました。メディアも情報が錯綜・情報統制がひかれ、信用できる情報が無く、不安になり、混乱したことを思い出しましょう。
平時では何一つ問題無いですが、非常時において正確な情報を持っていなければ、命に関わります。
あなたも私も、困難な時代を生き抜くために、知識によって運命を変えて、学ぶことによって憎悪や不幸の闇を打ち破り、自分のアタマで考えて、より良い環境を手に入れましょう。
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参考:
メディア・パブ: 日本人のニュースメディア接触、先進国の中で際立つ特異性、ロイター調査が浮き彫りに
Reuters Institute Digital News Report
http://reutersinstitute.politics.ox.ac.uk/sites/default/files/Digital-News-Report-2016.pdf
アジア No.1の大富豪 リー・カシンLi Ka Shing: 世界の成功者に学ぶ - 富と幸せをもたらす方程式
無知は断じて長所ではない!学ばないということは卑しいことである! - Glocal Life
最後までお読み頂きありがとうございます!
次回もお楽しみに!
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