最後の日姿なく 都幹部「迷惑分からない人」
東京都の舛添要一知事が21日、辞職した。この日は終日、都庁に姿を見せず、公私混同問題に関する説明責任を果たさないまま都政トップの座を降りた。在職期間は862日。歴代都知事では、医療法人グループから5000万円を受け取った問題で辞職した猪瀬直樹前知事の372日に次ぐ短さとなった。
都は21日、新知事就任まで安藤立美副知事を職務代理者とすることを告示した。
都条例では6月1日時点で在職していれば知事に約380万円の期末手当(ボーナス)が支給される。舛添氏には退職金約2200万円と合わせ約2580万円が支払われる。
都議会や職員へのあいさつもなく去った舛添氏に、ある都幹部は「都政や事務方をどれだけ混乱させ、迷惑を掛けたかも分からない人だったのだろう」と話した。
リオ五輪の視察、議会見直し検討
舛添氏が高額な海外出張費で批判を受けたことに関連して21日、追及してきた都議会から夏に行うリオデジャネイロ五輪・パラリンピック視察を見直すべきだとの声が出始めた。
参加予定は▽自民▽公明▽都議会民進(旧民主系)▽民進都議団(旧維新系)の4会派の議員延べ27人で、8〜9月に双方の開会式と閉会式に合わせて4回に分かれて渡航する。今年度予算に約6200万円を計上している。共産は「税金を使う以上、最小限の派遣にすべきだ」と参加を見送った。
都議会民進の尾崎大介幹事長は21日、「大会期間中の現地の宿泊費が5〜6倍に高騰している。視察辞退を含め考える必要がある」と述べ、民進都議団の石川良一政策調査会長も「見直しも含め会派で議論している」と明かした。公明は「白紙に戻して検討する」、自民は「各会派の意見を聞いて、対応を考える」とコメントした。【飯山太郎】