アローラ副社長退任 孫氏後継白紙に
ソフトバンクグループは21日、ニケシュ・アローラ副社長(48)が22日付で退任する、と発表した。アローラ氏は孫正義社長(58)の有力な後継者候補と目されていたが、アローラ氏が数年内のトップ就任を望んだのに対し、孫社長が引き続き指揮を執る意向を示しており、トップ交代時期を巡る意見の食い違いが原因とされる。孫社長が描いた後継人事構想は白紙に戻る。
22日開催の株主総会に諮る取締役選任議案から、アローラ氏を外す。株主総会前日に経営陣の議案を変更するのは極めて異例だ。アローラ氏は7月1日に顧問に就任する。
ソフトバンクグループが21日夜、発表したコメントによると、孫社長は「まだやり残した仕事がある。少なくともあと5年から10年は社長として率いていく」、アローラ氏は「しばらくの間はサポートを続けていく」とした。
アローラ氏はインド出身。ドイツモバイル傘下のTモバイルの欧州部門で最高マーケティング責任者(CMO)を務め、米グーグルを経て2014年9月に後継含みでソフトバンク入り。15年6月に副社長に就いた。
アローラ氏は、15年3月期に入社一時金を含め165億5600万円に上る巨額の役員報酬を得たことが話題を呼んだ。16年3月期も子会社分を含め計80億4200万円の報酬を得ている。【田口雅士】