【コラム】魚1匹が水を濁らせる研究費不正=韓国

【コラム】魚1匹が水を濁らせる研究費不正=韓国

2016年06月20日15時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  幹細胞事件の後、韓国の研究倫理が制度化されて10年経過した。今では研究界・教育界で高い倫理性を要求することに対して誰も異議を唱えないほど雰囲気が変わったのは望ましい。

  しかし研究開発(R&D)分野の不正はまださまざまな形で存在する。偽造・変造・ひょう窃など研究不正行為や研究費不正執行などがその例だ。財団の過去3年間の年平均支援課題数およそ2万件に比べると、研究不正は昨年の場合11件と、0.1%にもならないほど少ない。しかし重要なのは「一魚濁水」という言葉があるように、少数の過ちで研究界が揺れることがあり、これはさらに韓国社会、国家の問題になることもあるという問題意識を共有するところにある。

  「正直(honesty)と誠実(integrity)」が何よりも重要な学問の領域でこうしたことがなぜ続くのか。実際、根本問題は研究者自身の心で始まる。制度と規定、公正な監視と監査以前に、研究者自らの倫理意識が何よりも重要だ。

  韓国研究財団は研究費を定められた枠内で自由に使えるようにするものの、相次ぐ研究不正を根本的に遮断し、成果中心の研究文化を定着させるためにさまざまな努力をしている。イジバロ(Ezbaro)システムと4大研究費不正根絶対策もその一部だ。イジバロを利用すれば政府部処、主管研究機関、研究者が研究費使用額をリアルタイムでチェックできる。研究費の執行をシステム的に検証でき、不正使用の事前予防に大きく寄与するはずだ。

  また教授の学生人件費横領、虚偽領収書、虚偽研究費、研究費流用など、いわゆる4大研究費不正に対する処罰も強化している。現在は研究者だけを研究参加制限と研究費返納で制裁するが、今後は所属機関にも共同の責任を付与し、機関が自らこの問題を根本的に解決するように導く方針だ。

  米国の場合、研究不正当事者は関連学会にも出席できない雰囲気であり、参加しても同僚教授から冷たい視線を向けられる。しかし韓国は交通罰則金を支払うように運が悪い人が引っかかるというレベルで考える。学会で会っても「キム教授、最近は苦労が多いですね」という程度だ。

  未来の社会は我々にとってより信頼性があり責任感のある構成員であることを要求する。研究の出発は純粋で正しい心と、一銭一銭が国民の血税という責任感でなければいけない。国の未来のために国民一人一人の手で一銭一銭を集めたのが国家研究費だ。

  この研究費を支援する韓国研究財団は、一日も早く研究費管理文化を定着させ、成果中心の研究内容を管理する体制に変えていこうと思う。そして研究者は内容が充実した研究を通じて、国民により良い未来を見せなければいけない。このために研究の正直と誠実を常に記憶して実践する必要がある。

  チョン・ミングン韓国研究財団理事長
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