運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について…[続きを読む]
参院選があす公示され、7月10日の投票日に向けて、各党や候補者の論戦が…
・最新の社説は朝刊休刊日を除き午前5時半ごろ更新します。(編集の都合などで遅れる場合があります)
参院選があす公示され、7月10日の投票日に向けて、各党や候補者の論戦が本格化する。
今回から約240万人の18、19歳の有権者が投票できるようになる。これを機に、若者の政治参加について考えてみる。
若い世代の投票率は低い。とくに20代は60代の半分に満たないことも珍しくない。
たとえば14年の衆院選では、20代の32・58%に対し、60代は68・28%あった。13年の前回参院選は20代が33・37%で、60代は67・56%だ。
いまや国民の4人に1人が65歳を超える。人口が多いうえに投票率が高いのだから、選挙結果を左右する力が大きいのは、若者より圧倒的にお年寄りだ。
政治家は選挙のことを考え、投票所に足を運ぶ高齢世代の声に耳を傾けがちだ。そんな政治を称して「シルバー民主主義」という言葉も生まれた。
その一例が、参院選前に実施された。所得の低い65歳以上の約1100万人を対象に一律3万円を渡す臨時給付金だ。
所得の低い人への対応策は必要だとしても、なぜ高齢者だけなのか。野党は「税金による選挙対策だ」と批判したが、「賃上げの恩恵を受けにくい高齢者にアベノミクスの果実を支給する」として止まらなかった。
もともと長年にわたって、高齢者向けの予算配分は多い。国立社会保障・人口問題研究所によれば、13年度の政府支出は年金や介護など高齢者向けが54兆円余、保育所建設や児童手当など子育て向けは約6兆円だ。
もちろん、年齢を重ねるほど医療費や介護費が必要なケースが増える。総額が膨らむことは避けられない。だが同時に、若い世代にも、もっと予算を振り向ける必要があるのも確かだ。
保育所増設や保育士の待遇改善、子どもの貧困対策、返済義務のない給付型奨学金の創設なども急ぐべきだろう。
総務省によると、仕方なく非正規で働く「不本意非正規」の割合が最も多いのは25歳から34歳の世代だ。そうした人たちを正社員にするための能力開発事業なども拡充すべきだ。
子育て、教育、雇用対策など若い世代向けの政策の充実強化を政治家に迫る近道は何か。
やはり、若者自身が選挙公約に目をこらし、投票に行き、意思表示することだ。
消費増税を延期すれば、目の前の負担は増えなくてすむ。一方でそのツケを背負わされるのは、若い世代にほかならない。
こうした政治のあり方をどう評価するのか。黙っていていいわけがない。
トップニュース
PR比べてお得!