中国の住宅値上がり 大都市は上昇率縮小

中国の住宅値上がり 大都市は上昇率縮小
中国の先月の新築住宅の価格は、政府の販売下支え策などを受けて多くの都市で前の月から値上がりした一方、大都市では取り引きの過熱を警戒した当局が販売規制の強化に乗り出し、上昇率が縮小しました。
中国の国家統計局によりますと、全国70都市の先月の新築住宅の販売価格は、前の月と比べて上昇した都市の数が60、下落が4、横ばいが6となり、7か月連続で「上昇」の数が「下落」を上回りました。
これは、中国政府による政策金利の相次ぐ引き下げや、住宅ローンに対する規制の緩和といった販売下支え策の効果で、住宅の買い替え需要が出ていることや、政府が都市化を推し進めるなかで、今後の値上がりを期待した投資目的の購入が増えたためです。
ただ、このところ住宅価格が高騰していた大都市では、取り引きの過熱を警戒する地元当局が販売の規制の強化に乗り出したことで前の月と比べた上昇率が縮小し、北京と上海では、4月の3%台から先月は2%台になったほか、南部の深※センでは14か月ぶりに1%を割り込みました。
中国では、今も各地で大量のマンションが売れ残り、不動産関連の企業の経営や地方都市の財政が厳しさを増しています。
それだけに、大都市の住宅バブルを避けながら地方の需要を刺激し続け経済の安定成長を維持できるか、中国政府のかじ取りは一段と難しさを増しています。
※センは「土」へんに「川」。