展示の金塊、窃盗容疑…15キロ、質店に売却
埼玉県警が逮捕
勤務先の造幣東京博物館(東京都豊島区)から展示品の金塊1塊(重さ約15キロ、約6384万円相当)を盗んだとして、埼玉県警捜査3課と大宮西署は20日、さいたま市西区内野本郷、独立行政法人造幣局東京支局総務課専門官、梅野穣(ゆたか)容疑者(54)を窃盗容疑で逮捕したと発表した。「FX(外国為替証拠金取引)で出した損失補填(ほてん)のために盗んだ」などと容疑を認めているという。
逮捕容疑は1月5日午後4時半ごろ、豊島区東池袋4の同館2階で展示する金塊を盗んだとしている。県警によると金塊はアクリルケース内で展示され、梅野容疑者が「仕事の一環で持ち出す」として部下に指示し、ケースから取り出させていた。盗んだ金塊は1月にさいたま市内の質店で売ったとみられる。
造幣局によると梅野容疑者は博物館で展示品の貸し出しを担当。別の職員が何度か「早く返してほしい」と梅野容疑者に催促していた。梅野容疑者は今月14日に「体調が悪い」と職場を早退。15、16日は職場に現れず、17日に「出勤してくる」と家族に告げて出かけたきり、行方不明になっていた。
造幣局が金塊の所在について内部調査したところ、梅野容疑者が盗んだ疑いが強まり、19日に大宮西署へ被害届を出し、県警は同日、豊島区内のインターネットカフェで発見し逮捕した。【和田浩幸、服部陽】