中国外務省 米大統領とダライ・ラマ14世の会談を非難

中国外務省 米大統領とダライ・ラマ14世の会談を非難
アメリカのオバマ大統領がチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世と会談したことについて、中国外務省は「チベットの独立を支持しないというアメリカの約束に背く行為だ」と強く非難しました。
オバマ大統領は15日、2年4か月ぶりにダライ・ラマ14世をホワイトハウスに招いて会談し、チベットの宗教や言語、それに人権の保護に支持を表明したうえで、ダライ・ラマ14世側と中国政府との間で直接対話が実現することに期待を示しました。

これについて、中国外務省の陸慷報道官は16日の記者会見で、ダライ・ラマ14世について、チベットの高度な自治を唱えながら「実際には独立を図っている」としたうえで、「アメリカの指導者が、こうした人間と会うことは、どのような形式であれ、チベットの独立を支持せず、チベットは中国の一部だと認めるという約束に背いている」と強く非難しました。そのうえで、「チベットの問題を利用して中国の内政に干渉したり、両国間の大局的な協力関係に影響を与えたりするような行為はやめるべきだ」とけん制しました。

中国政府は、チベットの人たちが住む地域に多額の資金を投入して経済発展を実現することで、宗教や民族政策に対する不満を和らげようとしていて、今もこの地域に強い影響力を持つとされるダライ・ラマ14世の動向を強く警戒しています。