1449人を対象にした調査結果を参考にする
どうも千日です。家を買うタイミングって一般的にはどうなんでしょうね。
- 何歳で買った?
- 年収はいくら?
- 準備している自己資金はどのくらい?
そんなの人それぞれ、と言えばそうなんでしょうけど、隣のブースで商談している人達ってどうなんだろう?っていうのは気になりますよね。
今日は、そんな気になる家を買った人達の個人情報のアンケート結果についてです。
調査の概要と回答の信頼性
この調査は、リクルート住まいカンパニーが2015年1月~12月の関西圏の新築マンション購入者1,449人のデータを集計したものです。調査データのパーセンテージの合計は、四捨五入により100%にならない場合もあります。
調査はインターネットで募集されました。サンプルとなった人への謝礼は5,000円のギフトカードです。
希望する人はインターネットで応募し、後日郵送されるアンケート用紙に回答し、購入した住宅の売買契約書のコピーを添付して返送する方法で行われています。
なので、ギフトカードだけを目当てに嘘の回答をするような人はかなり排除されていると思われます。
それにこの調査、かなりお金がかかっていますヨ。
まず、一人頭で直接的に5,000円かかっているんです。それに加えて宣伝費や回答の確認に係るコストを考えると一人あたり10,000円位はかかっているんじゃないでしょうか。
ざっくりトータルすると15百万円位の調査コストがかかっているんですよ。有効利用しなければ、です。
どんな人達か?母集団の購入者の属性
回答したのがどんな人達かということも大事ですね。それによって、回答結果にある程度の偏りがあると考えていいと思います。
千日は以下の理由から、情報収集にマメで合理主義、庶民的な金銭感覚の人達じゃないかと推測しました。
一言でいうと、参考になりそうな人達です。
習慣的にインターネットで情報収集している
住宅の購入者を対象にした調査です。住宅の購入前は物件を調べるためにインターネットで検索しまくるのは、まあ分かります。でも、購入後はそんな必要なくなるわけです。
買った後からもっと安くて良さそうな物件を知ってしまったら、気分が悪いですよね。
このアンケートに回答した人達は、物件を買った後も引き続き住宅関連の情報収集をしていた可能性が高いです。
もちろん、住宅を探している間にたまたまこのアンケートを目にして覚えていたという可能性もありますが。
周囲に流されにくい合理主義
年齢や年収、どこのマンションを購入したか?といった個人情報を提供するわけですから、謝礼としてギフトカードがもらえるといっても、ちょっと躊躇するんじゃないでしょうか。
何となく流出が心配…
と思うのが普通です。
でも、回答した人達は、
流出したって減るモンじゃないっしょ
と考えて、回答に踏み切ったわけですね。確かにその通りで、合理的だと思います。「何となく不安」といった雰囲気に流されることなく、合理的な意思決定を行い、実行する傾向のある人達だと分析しました。
良くも悪くもお金にマメ
5,000円というのも微妙なラインです。個人情報を書き込むことにも心理的に抵抗がありますし、
不動産の契約書をコンビニに持って行ってコピーする。
これもなんかちょっと抵抗がありますよね。
庶民的な金銭感覚に加えて、良くも悪くもお金にマメな人であると思います。
では、お待ちかね、結果を見ていきましょう。
購入の平均年齢と家族構成
購入の平均年齢は39歳です。
20代 14.7%
30~34歳 27.8%
35~39歳 22.5%
40代 19.0%
50歳以上 16.0%
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
単純平均すると、39.0歳ですけど、中央値としては30代の前半27.8%で次いで30代後半の22.5%です。約半数が30代で購入しているという結果になりました。
厚生労働省が発表している2014年の平均初婚年齢は、女性が29.4歳、男性が31.1歳ということからすると、家を購入している人は、結婚してから10年以内に家を購入している割合が高いということですね。
結婚や出産を機に家の購入を考える人が多く過半数が共働き
シングル 14.4%
夫婦のみ 29.3%
第一子小学校入学前 32.8%
第一子小学生以上 10.0%
シニア夫婦 7.8%
その他 5.6%
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
結婚してから10年以内ということで、家族構成で一番多いのは第一子の小学校入学前32.8%でした。次いで多いのは夫婦のみの29.3%です。結婚や出産がマイホームの購入を考えるきっかけになっています。
合理的に考えると、家を買うのはリスクでもあるんですけどね。それが人間の性(さが)なんでしょうか。
また、共働きが6割を超えていますね。マイホームの購入は総力戦ということです。
集合住宅では、初めのころは小さなお子さんが多いので、音のトラブルが起こりやすいですね。もちろん分譲マンションは賃貸と違って壁が厚いので「音」が漏れることはほとんどありません。
しかし「振動」については別です。小さな子供でも床を踏み鳴らして走り回ると階下に響きます。
階下の住人にも同じように小さなお子さんが居れば割と許容してもらいやすいですが、シニア夫婦や夫婦のみの場合は苦情を受ける可能性はあります。
年収と家の値段と住宅ローンの自己資金
さて、買った人達の年収や自己資金です。なんだかんだで一番気になるところではないでしょうか。アンケート結果の平均年収についてはちょっとサバを読んでいる人が多いんじゃないかなと思います。
何となく切り上げで答える人が多いんじゃないでしょうかネ。
平均年収708万円で3,770万円の家を買った
年収の平均は708万円です。
400万円未満 5.6%
400~600万円未満 31.4%
600~800万円未満 25.1%
800~1,000万円未満 15.4%
1,000~1,200万円未満 15.4%
1,200万円以上 6.8%
無回答 7.4%
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
年収の約6倍の値段の家を購入している
年収400万円未満 3,233万円
400~600万円未満 3,411万円
600~800万円未満 3,741万円
800~1,000万円未満 3,920万円
1,000万円以上 4,542万円
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
平均を取ると年収の約5倍の値段の家を買っている結果となります。しかし、年収については全体的に少しずつサバを読んでいるとして1割少なく見積もると、637万円ですね。
そして、住宅の値段は契約書のコピーを送っていますから正確であると考えると、平均すると年収の約6倍の値段の家を買っていると推測できますね。
勘ですけど、多分いいセン行っていると思います。
年収1,000万円以上では4倍くらいで倍率は小さいです。これは調査に答えている人達の特徴が表れているといえますね。
つまり、高収入でも5,000円のギフトカードをゲットするために面倒な作業をする庶民感覚を持った人達ということです。
自己資金は6百~8百万円で住宅ローンは3,139万円借りた
年収400万円未満 1,377万円
400~600万円未満 655万円
600~800万円未満 780万円
800~1,000万円未満 853万円
1,000万円以上 1,237万円
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
気になる自己資金の平均ですが、単純平均すると1,065百万円でちょっと多めに出ています。これは、世帯年収400万円未満のリタイア層の回答が多いからです。
本当はリタイア層と現役層で母集団を分けて平均を出してほしいところですが、そうはなっていないので、推定するとだいたい600万円から800万円が中央値ではないかと考えられますね。
住宅ローンの平均は3,139万円
年収400万円未満 2,243万円
400~600万円未満 2,946万円
600~800万円未満 3,147万円
800~1,000万円未満 3,347万円
1,000万円以上 3,633万円
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
購入している家の値段と自己資金に整合した結果になっていますね。自己資金と住宅ローンの合計が家の値段を超えているのは、住宅ローン手数料があるからです。
毎月の返済額の平均は9.1万円
年収400万円未満 6.7万円
400~600万円未満 8.1万円
600~800万円未満 9.0万円
800~1,000万円未満 9.3万円
1,000万円以上 11.9万円
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)
やはり、低金利を反映して毎月の返済額は低く抑えられていますね。賃貸よりも安いというのは確かです。ただ、これに管理費と固定資産税がオンされます。
管理費の平均は1万6千円位、固定資産税はマンションにもよりますが、関西のここに出てくる平均的なマンションならば月1万5千円位ですね。
合計で3万円位オンされると考えれば当たらずとも遠からずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あくまで、他人の話ですからこの通りにやれば間違いないということではないです。
でも、リアルなデータであることは確かです。
購入を思い立った理由は?という質問については以下の結果でした。
- 1位 子どもや家族のため家を持ちたいと思ったから 40.3%
- 2位 現在の住居費が高くてもったいないから 28.5%
- 3位 金利が低く買い時だと思ったから 25.7%
- 4位 資産を持ちたいと思ったから 19.9%
- 5位 老後の安心のため住まいを持ちたいと思ったから 16.5%
マイナス金利で借り時だというのがマスコミでも騒がれていましたが、実際に買った人達の動機は、ダントツで子どもや家族のためなんですね。
やはり、家と家族って密接にかかわっているんだなということを再認識する結果でした。
以上、千日のブログでした。
千日のブログでは、住宅ローンはもとより、マイホームとお金に関するお役立ち情報を公開しています。
情報は常に入手可能な最新のものに更新しています。よろしければお気に入り、読者登録などで定期的に読んでみませんか?
住宅ローンと税金のカテゴリー記事一覧
合わせて読みたい関連記事
今後の住宅ローン金利の動向について
住宅ローンのリスクに備える