2016年 06月 16日
加藤凌平のあん馬の構成について |
Routine of Kato's PH
加藤凌平のあん馬の構成、具体的には技の順番についてなのですが、その変遷が興味深いので時代を追って見ていくことにします。
D難度以上の技に着目し、縦向き前移動(1-2-5)とシバドの連続を「縦向き移動」、コンバインとフロップの連続を「フロップ」とここでは書きます。また終末技の「3/3移動」も省略します。
2012年全日本団体選手権
逆交差倒立→シュピンデル→縦向き移動→ロス→フロップ→逆リア倒立下り
D:6.1 E:8.850 Score:14.950
加藤のあん馬の基本はこれらのD難度技が入ったD:6.1~6.2。非常に安定した実施が持ち味。
2013年世界選手権・アントワープ大会:個人総合
逆交差倒立→フロップ→シュピンデル→縦向き移動→ロス→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.400 Score:14.600
フロップが交差倒立のすぐ後にきた。2012年はD難度だったフロップがEになり、D:6.2に。
2014年世界選手権・南寧大会:団体決勝
シュピンデル→逆交差倒立→フロップ→縦向き移動→ロス→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.575 Score:14.775
シュピンデルが最初にきた。この世界選手権のあん馬では予選で落下するが、団体決勝ではしっかり立て直した。
2015年アメリカンカップ
シュピンデル→ロス→フロップ→逆交差倒立→縦向き移動→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.300 Score:14.500
ロスがシュピンデルの後に。セア倒立は演技の中盤になる。
2015年アジア選手権・広島大会:団体決勝
逆交差倒立→シュピンデル→ロス→フロップ→横移動→縦向き移動→逆リア倒立下り
D:6.5 (正しくはD:6.4) E:8.550 Score:15.050
2015年にD難度の横移動を取り入れてDスコアを上げた。セア倒立がまた最初に。
2016年NHK杯
逆交差倒立→シュピンデル→縦向き移動→ロス→フロップ→横移動→DSA倒立下り
D:6.4 E:8.600 Score:15.000
負傷もあり2015年の後半はD:6.1~6.2に抑えていたが、2016年に入り再びD:6.4に。縦向き移動がまた前半にきている。
常に安定したあん馬を見せているという印象の加藤ですが、技の順番についてはかなり試行錯誤を繰り返していることが分かります。いろいろな技が徐々に前に来て縦向き移動がどんどん後ろにいくのですが、現在は2012年の構成とほぼ同じ順番になっているのも面白いところ。どの技をどこに持ってきてもそつなくこなしてしまうあたりは実に器用な選手だと思います。
そして終末技です。ずっと開脚旋回からの逆リア倒立で、加藤のあん馬といえばこれという感じでしたが、今年に入ってなんとDSA倒立に変わっています。昨年の世界選手権あたりで逆リア倒立の勢いが付きすぎて上体が動くことがあったためでしょうか。今年からコナミに所属しており、コーチ陣からの薦めがあったのかもしれません。
オリンピックはNHK杯で見せた構成になるでしょうか。この構成は後半、フロップの最後がDSAになり、そのまま直ちに横移動、反対の馬端に移動してすぐにDSA倒立ととても流れがいいと思います。演技の終盤で余分な旋回や移動を省けるのは体力的にも大きいでしょう。D:6.4になり15点台を常に狙えるようになった加藤のあん馬、とにかく心強い限りです。
ちなみにここに挙げた以外の例外的な構成として、2013年のワールドカップ・東京大会などで使っていたウ・グォニアンを入れたD:6.5の構成や、2015年の全日本種目別選手権で見せたトン・フェイやロシアン転向を入れた構成などがあります。本当に器用な選手です。
加藤凌平のあん馬の構成、具体的には技の順番についてなのですが、その変遷が興味深いので時代を追って見ていくことにします。
D難度以上の技に着目し、縦向き前移動(1-2-5)とシバドの連続を「縦向き移動」、コンバインとフロップの連続を「フロップ」とここでは書きます。また終末技の「3/3移動」も省略します。
2012年全日本団体選手権
逆交差倒立→シュピンデル→縦向き移動→ロス→フロップ→逆リア倒立下り
D:6.1 E:8.850 Score:14.950
加藤のあん馬の基本はこれらのD難度技が入ったD:6.1~6.2。非常に安定した実施が持ち味。
2013年世界選手権・アントワープ大会:個人総合
逆交差倒立→フロップ→シュピンデル→縦向き移動→ロス→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.400 Score:14.600
フロップが交差倒立のすぐ後にきた。2012年はD難度だったフロップがEになり、D:6.2に。
2014年世界選手権・南寧大会:団体決勝
シュピンデル→逆交差倒立→フロップ→縦向き移動→ロス→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.575 Score:14.775
シュピンデルが最初にきた。この世界選手権のあん馬では予選で落下するが、団体決勝ではしっかり立て直した。
2015年アメリカンカップ
シュピンデル→ロス→フロップ→逆交差倒立→縦向き移動→逆リア倒立下り
D:6.2 E:8.300 Score:14.500
ロスがシュピンデルの後に。セア倒立は演技の中盤になる。
2015年アジア選手権・広島大会:団体決勝
逆交差倒立→シュピンデル→ロス→フロップ→横移動→縦向き移動→逆リア倒立下り
D:6.5 (正しくはD:6.4) E:8.550 Score:15.050
2015年にD難度の横移動を取り入れてDスコアを上げた。セア倒立がまた最初に。
2016年NHK杯
逆交差倒立→シュピンデル→縦向き移動→ロス→フロップ→横移動→DSA倒立下り
D:6.4 E:8.600 Score:15.000
負傷もあり2015年の後半はD:6.1~6.2に抑えていたが、2016年に入り再びD:6.4に。縦向き移動がまた前半にきている。
常に安定したあん馬を見せているという印象の加藤ですが、技の順番についてはかなり試行錯誤を繰り返していることが分かります。いろいろな技が徐々に前に来て縦向き移動がどんどん後ろにいくのですが、現在は2012年の構成とほぼ同じ順番になっているのも面白いところ。どの技をどこに持ってきてもそつなくこなしてしまうあたりは実に器用な選手だと思います。
そして終末技です。ずっと開脚旋回からの逆リア倒立で、加藤のあん馬といえばこれという感じでしたが、今年に入ってなんとDSA倒立に変わっています。昨年の世界選手権あたりで逆リア倒立の勢いが付きすぎて上体が動くことがあったためでしょうか。今年からコナミに所属しており、コーチ陣からの薦めがあったのかもしれません。
オリンピックはNHK杯で見せた構成になるでしょうか。この構成は後半、フロップの最後がDSAになり、そのまま直ちに横移動、反対の馬端に移動してすぐにDSA倒立ととても流れがいいと思います。演技の終盤で余分な旋回や移動を省けるのは体力的にも大きいでしょう。D:6.4になり15点台を常に狙えるようになった加藤のあん馬、とにかく心強い限りです。
ちなみにここに挙げた以外の例外的な構成として、2013年のワールドカップ・東京大会などで使っていたウ・グォニアンを入れたD:6.5の構成や、2015年の全日本種目別選手権で見せたトン・フェイやロシアン転向を入れた構成などがあります。本当に器用な選手です。
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[PR]
by kaki_aqr
| 2016-06-16 21:00
| あん馬 PH
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Trackback
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Comments(2)
Commented
by
ルフィ
at 2016-06-17 23:42
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加藤選手の鞍馬の構成は技の順番がよく変わるなあと思っていたのでまとめて下さって非常にありがたいです。
開脚旋回からの逆リア倒立が好きだったので構成から無くなってしまうのは残念ですが、Dが上がり演技構成が固まった感じがありますね。オリンピックも楽しみですし、これからの国内の試合もとても楽しみです。
開脚旋回からの逆リア倒立が好きだったので構成から無くなってしまうのは残念ですが、Dが上がり演技構成が固まった感じがありますね。オリンピックも楽しみですし、これからの国内の試合もとても楽しみです。
白状しますと、実は私はここまで構成が変化しているとは思っていませんでした。今年に入ってDSA倒立下りに変わったのと、そういえば横移動を入れるところが去年と違うなと思って調べてみたところ、こんなに変化しているということに気づいた次第です。
個人的には今の構成はとてもいいと思っています。オリンピックでは大きなポイントになると思うので期待しています。
個人的には今の構成はとてもいいと思っています。オリンピックでは大きなポイントになると思うので期待しています。