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【プロ野球】

広島・鈴木、またまた決勝弾 8回裏に10号ソロ「最高でーす!!」

2016年6月20日 紙面から

広島−オリックス 3試合連続本塁打でチームを勝利に導き、丸(右)、赤松(左)と笑顔でヒップタッチする広島・鈴木(吉澤敬太撮影)=マツダスタジアムで

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◇広島5−4オリックス

 広島が4点差をひっくり返して6連勝。貯金11とした。2−4の6回に代打下水流の2ランで追い付き、8回に鈴木が3試合連続となる10号勝ち越しソロを放った。オリックスは積極的な継投も実らず、借金16となった。

      ◇

 決めセリフとなった「最高でーす!!」を、この日は3度叫んで余韻に浸った。同点の8回裏、広島の攻撃。「何か」を期待する大観衆に押され、ゆっくり鈴木が打席に入る。オリックス・山崎福に追い込まれてから4球目。高めに浮いたチェンジアップを振り切ると、高々と舞った打球は左翼3階コンコースに飛び込む推定135メートルの特大弾。17日のカード初戦は延長12回にサヨナラ2ラン。翌18日には2点差の9回、サヨナラ逆転3ラン。3試合連続の決勝弾は、球団では1996年の江藤智(現巨人打撃コーチ)以来20年ぶりの快挙だ。

 投手との18・44メートルの距離を、鈴木は「ケンカ」と表現する。目指すは10割打者。東出打撃コーチは「あいつにレギュラーを求めているわけじゃない。日本一の打者になってほしいんだ」と願う。球場への行き帰りもバット1本携える。求道者として鈴木はグラウンドで「完璧」を求める。

 「僕は10割を目指したい。だから悔しい思いしかないです。グラウンドでニコニコなんてできない。投手との対戦はケンカ。負けたくない」

 漫画「巨人の星」のように、父・宗人さんと2人で歩んだ野球人生。前夜も電話で祝福され「打ちたいな」と、思っていた父の日に最高のプレゼントだ。「たまたまです。まだ6月。これからが本当の勝負です」と鈴木。21歳に笑みはない。

 チームはこれで交流戦11勝6敗1分けと、球団史上過去最高の勝率6割4分7厘。7年ぶりの勝ち越しに成功した。今季最長6連勝で貯金11。折り返しとなる71試合を消化し、2位・巨人に6差をつけて首位を守る。18日に「神ってる」と、表現した緒方監督は「昨日、一昨日とチームに流れを持ってきてくれた誠也が、今日もでっかい仕事をしてくれた」と最敬礼。鈴木が今季本塁打を放った9試合は全て白星だ。25年ぶりの頂点へ、最高の起爆剤が現れた。

 

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