デパートの売り上げ支えた爆買い 減速続く
全国のデパートの先月、5月の外国人旅行者向けの売り上げは去年の同じ月を16%余り下回って、2か月連続の減少となり、デパートの売り上げを支えてきた爆買いの減速が続いています。
日本百貨店協会のまとめによりますと、全国の主なデパート84店舗の外国人旅行者向けの売り上げを示す、免税売り上げは先月は合わせて134億円8000万円と、去年の同じ月を16.6%下回りました。免税売り上げは3年3か月ぶりに減少に転じた、ことし4月に続いて2か月連続のマイナスとなりました。
また、買い物をした客の数はおよそ23万人と、去年の同じ月に比べて12.7%増えた一方、1人当たりの買い物額はおよそ5万7000円で、26%の大幅な減少になりました。
日本百貨店協会では中国経済の減速や円高の影響に加えて、中国政府が海外で購入した商品を国内に持ち帰る際の課税を引き上げたことが影響しているとしています。
これまでデパートの売り上げは爆買いということばに象徴される、中国人を中心にした外国人旅行者の旺盛な消費に支えられてきましたが、減速が続いています。
日本百貨店協会の近内哲也専務理事は「日本を訪れたことのあるリピーターが増え、外国人旅行者の関心が買い物から観光などに移っている。さらに幅広い所得層の人たちが日本を訪れるようになったことで、関心がこれまでよりも低価格の商品にシフトしている。売り上げの減少傾向は当面続くとみている」と話しています。
また、買い物をした客の数はおよそ23万人と、去年の同じ月に比べて12.7%増えた一方、1人当たりの買い物額はおよそ5万7000円で、26%の大幅な減少になりました。
日本百貨店協会では中国経済の減速や円高の影響に加えて、中国政府が海外で購入した商品を国内に持ち帰る際の課税を引き上げたことが影響しているとしています。
これまでデパートの売り上げは爆買いということばに象徴される、中国人を中心にした外国人旅行者の旺盛な消費に支えられてきましたが、減速が続いています。
日本百貨店協会の近内哲也専務理事は「日本を訪れたことのあるリピーターが増え、外国人旅行者の関心が買い物から観光などに移っている。さらに幅広い所得層の人たちが日本を訪れるようになったことで、関心がこれまでよりも低価格の商品にシフトしている。売り上げの減少傾向は当面続くとみている」と話しています。
爆買い減速の背景は
いわゆる爆買いを担ってきた中国人旅行者を取り巻く環境に変化が生じています。
去年8月の上海市場での株価の急落のあと、人民元に対して、円は20%程度高くなっていて、中国人旅行者にとっては日本での買い物が以前よりも相対的に割安感が失われました。
また、ことし4月から中国政府は海外の商品を中国に持ち込む際の税率を引き上げました。高級腕時計の税率を30%から60%に引き上げたほか、酒や化粧品は50%から60%に、食品は10%から15%に改めました。インターネットを使って外国の商品を買った場合も、衣類や日用品などの1100余りの品目には新たに消費税と付加価値税を納めるよう義務づけられたほか、買い物額が一定水準を超えた場合は、個人の買い物であっても通常の貿易と同じ関税などを適用しています。こうした課税の強化は中国国内での消費を促すためとみられていて、小売り関係者は日本国内での買い物の抑制につながっているとしています。
さらに旅行者1人当たりの支出が減りました。観光庁によりますと、ことし1月から3月までに日本を訪れた中国人旅行者の数は速報値で147万人余りと去年の同じ時期より59.4%伸びています。一方で旅費や買い物など含めた1人当たりの支出は26万4997円と、去年の同じ時期に比べて、11.8%減少しています。
これについて、観光庁では日本を訪れているのが、富裕層だけでなく中間層にまで広がったことで、旅行者は増えたものの、1人当たりの支出が減ったとみられるとしています。
去年8月の上海市場での株価の急落のあと、人民元に対して、円は20%程度高くなっていて、中国人旅行者にとっては日本での買い物が以前よりも相対的に割安感が失われました。
また、ことし4月から中国政府は海外の商品を中国に持ち込む際の税率を引き上げました。高級腕時計の税率を30%から60%に引き上げたほか、酒や化粧品は50%から60%に、食品は10%から15%に改めました。インターネットを使って外国の商品を買った場合も、衣類や日用品などの1100余りの品目には新たに消費税と付加価値税を納めるよう義務づけられたほか、買い物額が一定水準を超えた場合は、個人の買い物であっても通常の貿易と同じ関税などを適用しています。こうした課税の強化は中国国内での消費を促すためとみられていて、小売り関係者は日本国内での買い物の抑制につながっているとしています。
さらに旅行者1人当たりの支出が減りました。観光庁によりますと、ことし1月から3月までに日本を訪れた中国人旅行者の数は速報値で147万人余りと去年の同じ時期より59.4%伸びています。一方で旅費や買い物など含めた1人当たりの支出は26万4997円と、去年の同じ時期に比べて、11.8%減少しています。
これについて、観光庁では日本を訪れているのが、富裕層だけでなく中間層にまで広がったことで、旅行者は増えたものの、1人当たりの支出が減ったとみられるとしています。
外国人旅行者を呼び込め SNSで アプリで
デパート各社は、これまで免税カウンターの設置など訪れる外国人旅行者の買い物を便利にする取り組みに力を入れていましたが、売り上げの伸び悩みに伴い、旅行者を呼び込むための対策に相次いで乗り出しています。
このうち、東京・千代田区に本社がある大手デパートは先週、15日から商品を紹介する中国語のサイトを新たに作り、利用者が5億人を超える中国版ツイッター、ウェイボーにリンクさせています。サイトでは日本のお菓子やお酒、それにタオルや皿の雑貨など、リピーターも増えている中国人旅行者に人気の商品、16点を紹介しています。さらに旅行者が増える来月の夏商戦の前には、セールの情報も発信していく方針です。
日本に来るのは4回目だという中国人観光客の28歳の男性は「買いたい商品のリストを作ってから、店に来ている。事前に扱っている商品が分かれば、ありがたいです」と話していました。
そごう・西武営業企画室の清野敏之さんは「外国人旅行客には日本の百貨店は、どこに行っても同じ商品しか扱っていないと思われているのが実情だ。中国ではSNSの信頼度が高いので店舗独自の商品を紹介することで来店につなげたい」と話していました。
また、別の大手デパートは、外国人観光客向けに東京・渋谷区にある店舗の売り場案内などを自動で通知する取り組みを今月28日から始めます。大手通信会社と連携した、この取り組みは外国人旅行者が空港に到着したり、店舗に近づいたりした際に、専用のアプリを入れたスマートフォンに中国語や英語など4カ国語で店舗紹介を自動で送ります。また、店内を訪れると、各フロアの売り場の情報や割り引きクーポンなどを送ります。このデパートではアプリを通じて、店の内外での旅行者の行動を分析することで今後の販売戦略にも生かしたい考えです。
新宿高島屋の神田美樹雄営業担当課長は「これまで中心は高額のブランド品だったが、すでに手に入れられた人もいるなかで、次にほしいものを提案できるかが今後の鍵だ。外国人観光客への接点が限られているなかで鍵となる情報を抽出し、買い物する前にアピールしていきたい」と話していました。
このうち、東京・千代田区に本社がある大手デパートは先週、15日から商品を紹介する中国語のサイトを新たに作り、利用者が5億人を超える中国版ツイッター、ウェイボーにリンクさせています。サイトでは日本のお菓子やお酒、それにタオルや皿の雑貨など、リピーターも増えている中国人旅行者に人気の商品、16点を紹介しています。さらに旅行者が増える来月の夏商戦の前には、セールの情報も発信していく方針です。
日本に来るのは4回目だという中国人観光客の28歳の男性は「買いたい商品のリストを作ってから、店に来ている。事前に扱っている商品が分かれば、ありがたいです」と話していました。
そごう・西武営業企画室の清野敏之さんは「外国人旅行客には日本の百貨店は、どこに行っても同じ商品しか扱っていないと思われているのが実情だ。中国ではSNSの信頼度が高いので店舗独自の商品を紹介することで来店につなげたい」と話していました。
また、別の大手デパートは、外国人観光客向けに東京・渋谷区にある店舗の売り場案内などを自動で通知する取り組みを今月28日から始めます。大手通信会社と連携した、この取り組みは外国人旅行者が空港に到着したり、店舗に近づいたりした際に、専用のアプリを入れたスマートフォンに中国語や英語など4カ国語で店舗紹介を自動で送ります。また、店内を訪れると、各フロアの売り場の情報や割り引きクーポンなどを送ります。このデパートではアプリを通じて、店の内外での旅行者の行動を分析することで今後の販売戦略にも生かしたい考えです。
新宿高島屋の神田美樹雄営業担当課長は「これまで中心は高額のブランド品だったが、すでに手に入れられた人もいるなかで、次にほしいものを提案できるかが今後の鍵だ。外国人観光客への接点が限られているなかで鍵となる情報を抽出し、買い物する前にアピールしていきたい」と話していました。