東アジア地域の地震火山を1枚に 産総研
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は、日本を含む東アジアで発生した大規模自然災害の情報を1枚の図にまとめた「東アジア地域地震火山災害情報図」を完成させ、公開した。地質図上に地震や火山噴火の規模、犠牲者数などを図示しており、担当者は「企業が海外進出する時の災害リスク把握や高校・大学の教育に活用してほしい」と話す。
地震や津波、火山噴火のリスクが高いアジア太平洋地域の国や地域が協力して、被災軽減を推進する活動の一環として作製した。インドネシア、フィリピン、中国、ベトナム、台湾の地震や火山に関する公的研究機関の協力を得て、犠牲者数などがある程度把握できる1850年以降の地震と1400年以降の火山噴火に関する情報を重点的に収集した。
図では、地震はマグニチュード(M)や震源域、活断層の位置など、噴火は火山の位置や火砕流、降灰の及んだ範囲などを詳細に記した。また、例えば東日本大震災では津波で1万8418人、関連死で3331人など、それぞれの災害で犠牲となった人数や主な原因を色と人型の大きさで示しており、各地域の災害リスクが一目で分かるのが特徴だ。
作製に携わった産総研の宝田晋治・主任研究員は「今後は太平洋地域に広げた図も作っていきたい」と話している。図は産総研地質調査総合センターのウェブサイトから入手できる。【飯田和樹】