【モスクワ=田村雄】ロシアの捜査当局は18日、2014年のソチ冬季五輪でロシア選手がドーピングを行っていたことを米国メディアに暴露したモスクワ薬物分析機関のグリゴリー・ロドチェンコフ前所長に対し、職権を乱用して検査サンプルの廃棄に関与したなどとして刑事捜査を開始したと発表した。

 渡米したロドチェンコフ氏は今年5月に米紙のインタビューで、ソチ五輪で尿サンプルを廃棄するなどしてドーピングを隠蔽したことや、ロシア選手で少なくとも15人のメダリストが禁止薬物を使用していたなどと明かした。

 捜査開始はロシアがドーピング対策に取り組む姿勢を示す目的とも考えられる。ただ、ロシアでは渡米先でドーピング疑惑を告発したロドチェンコフ氏への反発が強く、同氏に圧力をかける狙いとも見られる。