為末大さんの「逃げる自由 〈諦める力2〉」を読んだ。
為末さんがネット上で行った「相談室」での質問に対する回答と、みうらじゅんさんとの対談をまとめた本だ。
「諦める力」もそうだったが、ずっとアスリートとして活躍していた方とは思えない、柔軟な発想がおもしろい。
本書の中で、「逃げる」を「何かから距離を置く」ととらえなおすことである種の前向きな意味を見出すことができるとおっしゃっている。
「諦める」「逃げる」という言葉にネガティブなイメージを持つ人は多いだろう。
しかし、為末さんの本を読んでからは人生を楽しく、幸せにするために必要なものだと思うようになった。
では、紹介しよう!
自分や他者を早めに「がっかりさせておく」
「あるべき自分」をあまりにも高く設定しすぎると、「本当の自分」を許せなくなってしまう。
「こうあるべき」とか「こうせねばならない」という呪縛から自由になるためには、自分や他者を早めに、そしてこまめに「がっかりさせておく」ことだと僕は思う。つまり、独り歩きしている理想、目標、基準……そんなものから距離を置いてみるということだ。
苦しい生き方をしている人は理想や目標が高すぎるのだろう。
理想・目標と現状とのギャップの大きさに絶望し、自分を責めてしまう。
理想・目標を掲げてがんばることは否定しないが、それが自分を苦しめてしまっては意味がない。
為末さんは「もっと期待値を下げよう」と提案されている。
ぼくも以前は自分の理想が高すぎて、常に自分を責めていた。
でも最近は「まあ、こんなもんだろう」と前向きに諦められるようになり、すごくラクになった。
今がすごく苦しいなら思い切って理想・目標を捨ててしまうのもアリだ。
ぼくは仕事も私生活も「いい感じに、ラクに暮らしていければいい」ぐらいにしか考えないようにしている。
変に目標を立ててしまうと、達成できなかったときに自分を責めてしまうことを自分でわかっているからだ。
「しょうがない」が言えない人生はつらい
「しょうがない」が言えない人生というのもあって、これはつらい。過去に起きた何か自分に引っかかっていることがずっと流せないで心に残っている。あの人が許せない、どうして自分ばかりこんな目に、あれさえあればもっと幸せだったのに……。 執着の強い人間にとって(僕もそうだが)しょうがない、と言うことは意志の力が必要だ。しょうがないと流したあとはそれを振り返ってはならないと自分に固く誓う。そんなこと到底納得できないと思っていても、「しょうがない」と言って無理やりそれを後ろに流す。なかなか根性がいる。「しょうがない」の真髄は、執着しないことだ。執着とは「滞り」である。
過去の出来事にこだわり、執着するのは本当につらいことだ。
特に他人や自分を「許せない」と人生がその時で止まってしまい、前に進めなくなってしまう。
そういう人は「しょうがない」という言葉を意識して使うことが有効だ。
言葉の力はとても大きい。
「許せない」という感情に襲われたときは「しょうがない」と声を出して、意識してそれを流してみよう。
前向きな「しょうがない」が人生をラクにしてくれるはずだ。
「いざとなったら関係を解消できる」という感覚が必要
何かと対等な関係を築くために必要なのは、「いざとなったら関係を解消できる」という感覚が必要になる。この会社に捨てられたら生きていけないと感じていたら、会社に対してはどうしても服従的になるし、この人に嫌われたら生きていけないと感じていたら、その人のご機嫌をうかがうようになる。 しょうがない、いざとなったら、どこか違う国でやり直すか。自分だけで食っていく道を探すか。こういう感覚がある人は所属や目の前のものに依存しない。そうなるとその人は思ったことを口にしやすいし、何かに気兼ねをすることなく自由に動けるようになる。これだけ聞くと、結局強者しか選択肢がないんじゃないかと言う人もいるかもしれない。でも僕はそうは思わない。これは能力の問題じゃなくて勇気と適応の問題だ。
「いざとなったら解消できる」という感覚はとても大切だと思った。
会社員が苦しいのは「辞めたら生きていけない」と思うからだろう。
だから上司の顔色を見て動かなければいけなくなる。
それを「いざとなったらバイトでもなんでもする」と思えるだけでずいぶんラクになるはずだ。
ぼくは学習塾を運営しているが、とてつもない不安感に襲われることがたまにある。
- ずっとこの仕事ができるんだろうか
- 生徒がみんな辞めていったらどうしよう
- 収入がなくなったら生きていけない
でも、考えてもしょうがない。
自分でコントロールできることではないからだ。
ぼくにできることは、目の前の生徒や保護者様に誠実に対応すること、生活を小さくすること、収入を複線化することなど、自分がコントロールできることだけ。
また、「そうなったら、なったときに考える」という開き直りも大切だ。
ネットを使えば「 ランサーズ 」など在宅でできる仕事もあるし、仕事も選ばなければいくらでもある。
今いる場所でなくても生きていくことはできるのだ。
まとめ
「逃げる自由 〈諦める力2〉」とてもおもしろかった。
今回は取り上げなかったが、みうらじゅんさんとの対談も興味深かった。
「諦める力」と合わせて読むと、為末さんの考えがより深く理解できるだろう。
今の生き方が苦しい、つらいという方は必読だ。
ぜひ読んでみてもらいたい。
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