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心が強い人は「ムダな考え」を消している

東洋経済オンライン 6月20日(月)6時0分配信

就職、転職、異動、新年度……新しい体験が続き、多くの人が、ストレス・疲れを感じる時期です。迷いを感じ始めた人もいるかもしれません。
誰だって、いい仕事がしたいし、快適な毎日を過ごしたい。でも実際には、悩みはなかなか減りません。
この理想と現実のギャップを、どう埋めるか?  2500年昔の原始仏教の中に、現代にも使える実用的な知恵が隠れていました。
中卒→大検→東大→永田町シンクタンク勤務→インドで得度という経歴を持つ独立派の出家僧・草薙龍瞬氏(新著に『これも修行のうち。』がある)が語ります。 

 まず、誰もがもっている願望をふり返りましょう――毎日が快適にすごせる。仕事がはかどり、評価・成果が上がる。「この生活、悪くない」と思える。これらは、社会人なら、みんな願うことですよね。

 ただ現実には、多くの悩みが待ち受けています。仕事がはかどらない。人間関係がしんどい。ネットやスマホとの「おつきあい」にも正直疲れた……。

 一見元気に見えて、じつはモヤモヤ、イライラ状態が続いている。そんな人は、意外と多いのではないでしょうか。

 こうしたスッキリしない日常の、最大の原因は何でしょうか。ひとつは「考えすぎるアタマ」です。つい過剰反応して、ムダな考えごと――仏教にいう「妄想」――を繰り返して抜けられないのです。

 では、こうしたアタマにストップをかける方法とは?  世界最古のメンタル・トレーナーであるブッダに学んでみましょう。

■ 「ムダな思考」と「正しい思考」はまったく違う

 最初に、「考えすぎるアタマ」が、どれほど悩みを増やしてしまうか確認しましょう。たとえば、仕事で大失敗を犯してしまったとき、考えすぎるアタマは、こう考えます。

 「相手に迷惑をかけたし、評価を落とした。信頼も損ねた。自分はダメだ。能力がない。この仕事に向いていないのでは。そういえば過去にも似たことがあった……」。

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最終更新:6月20日(月)6時0分

東洋経済オンライン