【寄稿】韓国にとって日本との安全保障協力は選択ではない

 それにはまず軍事情報包括保護協定に対する一般の誤解からまずは解かねばならない。韓国と日本がやりとりする軍事情報は、その多くが北朝鮮関連のもので、日本は北朝鮮に対する重要な情報源を保有している。北朝鮮に関することであれば、一つでも多くの情報を確保しておくことは韓国にとって絶対に必要だ。ちなみに韓国はすでに24カ国と軍事情報保護協定を締結しており、かつては敵性国家だったロシアとも情報交換を行っている。ただしこの種の情報協定を結んだからといって、こちらが知る情報を全て相手に提供する必要はない。あくまで可能性を開いておくという意味合いであり、情報交換の義務自体が生じるわけではない。従ってこの協定によって韓日両国が交換する情報のレベルを高めることは、北朝鮮と対峙(たいじ)する韓国にとってむしろ大きなプラスになるのだ。

 東北アジアはどの国も韓半島で戦争が起こることを望んではいない。しかしもしもの事態に備えることは安全保障政策の基本だ。ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が指摘するように、安全保障は空気のようなもので、なくなってから後悔していてはあまりにも遅い。韓日両国が安全保障面で協力関係を深めることは、中国との関係を弱めることを意味するものでは決してない。有事ではなく平時に北朝鮮問題にしっかりと対処し、平和統一を実現するに当たり最も重要な国が中国である事実も変わらない。北朝鮮に対して最も大きな圧力を加えられる国も中国だ。

 われわれは今後も中国との関係を一層深め、それによって北朝鮮とも信頼関係を築き、韓半島の平和統一を目指さねばならない。ただしその一方でこれが失敗して国の安全保障が現実の脅威にさらされたときにもわれわれは備えておかねばならず、それには米国だけでなく日本とも安全保障面での協力を強化しておく必要があるのだ。これは北朝鮮と対峙する韓国にとっていわば宿命だ。そのため中国と日本のどちらかを選択するという形の外交・安全保障政策はあまりにも危険極まりないのだ。

パク・チョルヒ(ソウル大学日本研究所長、国際大学院教授)
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