韓国化粧品産業が急成長、中国向け輸出は前年の2倍に

　ユニークなパッケージもKビューティーの成功に一役買ったとされる。中国人が好むパンダやモモ、バナナ、トマトなどの形をした容器に入ったトニーモリーのハンドクリームは、大きな人気を集めた。フランス・パリのシャンゼリゼ通りで先月開かれたトニーモリーの新規出店イベントでは、黄色いバナナの形のハンドクリームなどが早々に完売した。

　LG生活健康のザ・フェイスショップは、トラやパンダ、竜など中国人になじみのある動物をモチーフにしたフェイスパックを売り出した。パックを箱買いする観光客が急増したことで、今年の月平均売上高は前年同期比40％ほど成長した。中国人の間では、顔にパックを付けて写真を撮り、友人らと共有することが流行っているという。

■海外で模造品出回る

　Kビューティー・ブームの影響で韓国コスメの模造品も急増し、各社は対応に追われている。LG生活健康は製品に特殊なホログラムを付け、容器デザインを複雑にする対策を取っている。製品のふたに精巧な花のオーナメントを取り付けるなどして、簡単にまねできないようにしている。

　アモーレパシフィックは中国法人に模造品の対応チームを置き、模造品の生産・流通を阻止している。同社の関係者は、今年初めに中国の電子商取引大手アリババと知的財産権保護に関する業務協約を交わしたほか、現地の流通関係者を対象に模造品の見分け方を教える説明会を開いていると伝えた。また、クレアーズコリアは認証タグを製品下部に付け、スマートフォンのアプリケーション（アプリ）で確認するシステムを導入した。

　誠信女子大のキム・ジュドク教授（メークアップデザイン学科）は「3年後には中国の化粧品メーカーが韓国製品と同水準の品質を持つ低価格品を量産するだろう。機能性製品の生産を妨げる規制をなくし、製薬産業の数十分の1にも満たない化粧品産業への政府の投資と支援を大幅に増やすべきだ」と指摘している。