2013年にあった日本語変換ソフト「Baidu IME」および「Shimeji」に関する下記の記事に対しバイドゥ株式会社より、名誉毀損、業務妨害に相当するとして 削除申立がありました。
BaiduIMEおよびSimejiはスパイウエアです - 猫でもわかるセキュリティ
バイドゥ株式会社の申し立て理由については下記になります。
本記事は、記事表題、および冒頭の「日本語変換ソフトの「Baidu IME」とアンドロイドアプリの「Shimeji」はスパイウエアです。至急削除してください。」という表現が事実無根であり、当社の信用を毀損するものです。(もちろん、当社はスパイウェアなどは配布していません。)
名誉毀損、業務妨害との申し立てに対し、理由の中で信用毀損と表現するのは法務担当者にしてはちょっと?な感じも受けますが、まあいいでしょう。
当時NHKがどのように報道したかというとこちら
中国製の日本語入力ソフト 入力情報を無断送信 NHKニュース
うーん・・・・
「入力情報を無断で送信するソフト」はスパイウエアと呼ばれて当然じゃないの?
ここで当時をことを詳細に思い出すために、その筋では有名なまとめサイトを見てみましょう。ちなみにこのサイトにも削除申し立てがあったそうです。
Baidu IMEとSimejiの情報送信問題についてまとめてみた。 - piyolog
専門家寄りにまとめた内容なので一般人が読むのはややこしくて面倒だと思います。
実際の利用上問題になるであろう点を簡単に書けば次のようになります。
Baidu IMEについては
・全角の入力情報をインターネット上に送信している
・送信の際は暗号化せずに送信している
・バイドゥ社ではたとえわかりにくくても利用許諾をとっているからOKという解釈
Shimejiについては
・変換後の文字列を設定をOFFにしていてもインターネット上に送信している
・Android OSやSimejiのバージョンも送信している
・バイドゥ社では故意ではなくバグ(ミス)だからOKという解釈
つまり、
・たとえわかりにくくても利用許諾をとっているからスパイウエアではない
・故意ではなくバグであるからスパイウエアでない
という解釈であるため記事中でスパイウエアと断定している部分が許容できないようです。
身近な例で言えば、事故であっても自動車で人を撥ねて死亡させてしまったら殺人罪に問われるわけで、バグだからOKという釈明は通らないと思うのですが。
「たとえわかりにくくても利用許諾をとっているからスパイウエアではない」と釈明していましたが、ユーザーの本音は「たとえ利用許諾をとっていても、こんなわかりにくい手口は許せない」というものでしょう。法律に違反してなければ何やっても許されるかという問題ですよね。つまりモラルが問われていることに気づかないと企業としては終わりです。
また世間的にBaidu IMEのみならず、色々な事故・事件を起こしているせいでBaidu自身の評判がよろしくない中で蒸し返すようなことをしても、あまり良い効果はないのではと個人的には思ってしまいます。