8日午後、ソウル市中区の新羅免税店。中小・中堅化粧品メーカーのブランド、ドクタージャルトとメディヒールの売り場の前に中国人客が列をなしていた。フェイスパックの入った箱を10-20箱ずつ買っていく客の姿もあった。両ブランドは今年に入り、新羅免税店で化粧品の売り上げトップ10に食い込んだ。韓国大企業や海外のブランドではない、中小のブランド2つがトップ10入りしたのは初めてだった。新羅免税店の関係者は「注射器や錠剤をデザインに取り入れた独特のパッケージが韓国の美容・整形に関心の高い中国人の注目を集めた」と話した。
米国や中国など12カ国に進出しているドクタージャルトは昨年、化粧品大手の米エスティ・ローダーから韓国化粧品業界で最初の投資先に選ばれた企業だ。1枚3000ウォン(約270円)のフェイスパック5億枚を販売したメディヒールも脚光を浴びている。化粧品業界の関係者によると、最近はヒット商品1種類に集中する新興企業が増えているという。
同じ時間、ロッテ免税店(ソウル市中区)の化粧品売り場も中国人客でごった返していた。湖南省から来た周志鵬さん(29)は、基礎化粧品5種セットやしわに効果のあるフェイスパックなど6000人民元(約10万円)相当の化粧品が入った紙袋5つを手に提げていた。周さんは「韓国の化粧品を買った証拠」と言いながら、注文書とレシート、購入の様子をスマートフォンで撮影し、友人に送っていた。