就職活動に失敗したから、死にたい。
自身の将来に絶望してそのように言う学生が結構な数おられるが、どうか死なないでほしい。
だからと言って私はあなた方に、未来は最高に明るいぜ!とか、奇跡は必ず起きるんだ!とか、生きてりゃなんとかなるっ!のような無責任極まりないポジティブな発言をしてあげる事が出来ない。
なぜなら私は未来が明るくないこと、奇跡は絶対に起こらないこと、生きていてもなんともならないことを熟知している下の下、最底辺の人間だからだ。
私はあなた方のように『努力』をしてこなかった。
あなた方が高校、大学受験の為に一生懸命勉強している間、私は自分の好きな事しかしてこなかった。
絵を描いたり、魚釣りに行ったり、市役所の前で角材を振り回し、ジョンレノンのパワートゥーザピープルを熱唱する。
このように、無駄な事しかしてこなかった。
しかしあなた方は違う。
一生懸命『努力』をしてきた。
その『努力』が報われなかった事はとても辛い、悲しい事だとその心中をお察し申し上げるが、何も死ぬほどのことではない。
はっきり言うが、努力をしてこなかった私の方が人生無理ゲーである。
あなた方が内定をもらえなかった会社は、誰が聞いても名前を知っているような大企業ではないのか?
少なくとも、誰も知らない従業員5人程度の建設業ではないだろう。
私はそのような業界で、汗と涙を垂らし、糞と尿を撒き散らし、土と汚辱にまみれ地面スレスレで蠢きながら日々を全うし、嫁と子供を養っている。
給与面から考えても、あなた方が適当な会社に勤めて5年程働けば、すぐに追い越せる金額である。
そんな下の下、最底辺の人間が多数見ているインターネットで「内定がもらえなかったから死にたい。」と言うのは、我々下の下に対してとても失礼である。
あなた方はもっと下を見た方がいい。
空を見上げるから、その輝く青さに絶望するのだ。
光も届かぬ地下を覗いてみてほしい、我々下の下が文字通り『実験用モルモット』のように、意味のない回しぐるまを一生懸命回転させているから。
その姿を見て「嗚呼、こんなオッサンにはなりたくないから、頑張って生きよう。」と思って頂ければ、我々下の下も人の役に立てて嬉しい。
未来は明るくない。
奇跡は絶対に起こらないし、生きていてもなんともならない。
しかし、死ぬなんて馬鹿な真似はするな。
あなた方は生きて、我々下の下を見下し、社会という歯車を、我々の少し上で回し続ければ、それでいいのである。
あなたも私も平等にNO FUTUREなのだから。