「宝さんの公開コンサル3ヶ月目(2016年4月~5月)」に実施したことをレポートします。対象サイトは「便秘解消プロジェクト」
公開コンサルの過去のレポート一覧
※まだご覧になられていない方は、過去のレポートも併せてお読みください。
公開コンサルを開始して二ヶ月間で、リサーチおよびサイト構造の見直しを図り、4月16日にサイトを本番にアップしました。
そのあとの三ヶ月目に行なった作業について、今回も宝さんにレポートを執筆していただきました。
三ヶ月目に行なったこと(たから)

サイト構造を見直してアップしたのもつかの間、休むまもなく「アクセス解析の設定」や自分のサイトをユーザー視点で見つめ直し「コンテンツの見直しやサイト回遊の動線設計」などを行ないました。
主な作業項目としては、以下のような感じです。今回も一つひとつ作業内容について、僕がやったことや感じたことをレポートしていきますね。
- Googleアナリティクスの設定
- コンテンツの見直し
- CTA(Call to Action)初期設置
- 不足コンテンツの調達
1.Googleアナリティクスの設定
まずアクセス解析ツールの設定を行ないました。設定したツールはGoogleアナリティクスです。
アクセス解析については、基本的な概要をアルケー勉強会の「アクセス解析の基礎」で学び、今回は実際に自分のサイトで「目標設定」をしました。
目標設定は、Googleアナリティクスの「アナリティクス設定」という項目で設定することができ、下図のように到達ページを目標とし、そこに到達した際の「値」も併せて設定します。
Goolgeアナリティクスの「目標設定」
アフィリエイトの場合、到達ページ(アフィリエイトタグクリック)が成果地点ではないため、「EPC」という値を算出し、計測します。
EPCとは、Earnings per Clickの頭文字で、「1クリック当たりの想定成果額」を示す値のことを指します。下記のような計算式で算出することができます。
EPC=(報酬単価×申込み数×承認率)÷クリック数
このように目標設定をしておくと、Googleアナリティクスで解析を行なうときに、ページの価値を定量化できたり、コンバージョンしたユーザーの経路を分析するのに役立ちます。
今回、初めてこの目標設定をしてみたのですが、その後Googleアナリティクスでのデータを見て、とても重要な作業だということを実感しました。
2.コンテンツの見直し
次に、ユーザーの立場で、サイト内を巡回していきました。ここで「おや?」と思ったり、わかりづらいと感じた箇所を見直していきます。
最初に僕が修正したところは、タイトル、ディスクリプションやページ内の出だしの文章です。検索エンジンからの流入やサイト内回遊で訪問したユーザーに対して適切な内容になっているかという視点で見直しました。
その過程でカテゴリページの修正に着手しました。この作業は想像していた以上にたいへんでした。
カテゴリページは、上位ページと下位ページを橋渡しする、ハブとなるページです。当然ながらユーザーにもGoogleのクローラーにもわかりやすくする必要があります。
元々SEOを意識しすぎたこともあり(汗)、文字数が多くなってしまい、ユーザーが下層のページへのリンクが見つけづらい状態になっていました。ここで僕が感じたことは、ユーザーが迷わない設計っていうのは、クローラーも迷わないのではないかという仮説です。
シンプルな中にも適切な説明やリンクがあるのが適しているのではないかと感じました。現在はこんな感じ(下図)でカテゴリページを設計しています。離脱率も改善され、ハブページとしての役割を果たしてくれているのではないかと思っています。
カテゴリページの例
でも、この修正作業は即座にできるものではなく、情報の上位概念と下位概念をしっかりと把握していないとアベコベになってしまう・・・という懸念点が。ここでリサーチフェーズで行なったキーワードマップが大いに役立ちました。
キーワードの上位概念、下位概念についてマインドマップ上でたくさん考えた時間が、このカテゴリーページの修正で活きていると実感しました。おそらくこの情報整理を行なっていなかったら、不自然なカテゴリ設計になって、適切な誘導文を作れなかったと思います。
サイト公開後、一週間ほど時間を掛けて、カテゴリページを修正していきました。その間、新たに作成したページに少しずつ検索エンジンからの流入が増え始めてきました。
3.CTA(Call to Action)初期設置
サイトを公開してから、ビッグワードでのSEO上位表示はまだ達成していないものの、便秘で悩んでいるユーザーのアクセスが次第に増えてきました。
そこで、便秘の基礎知識などのコンテンツのページ下部に下図のような誘導ボタンを設置しました。
ページ下部に設置したCTA(Call to Action)
この誘導ボタンは一般的に「CTA」といわれているとのことで、僕も一丁前にCTAと呼ぶことにしました(^^)。Call to Actionの頭文字で、ユーザーへ呼びかけ、次の行動を喚起する機能ということだそうです。
ここでは、便秘について情報を読んでもらったあと、「女性ですか?」や「男性ですか?」といった属性に応じて、次の提案をしていくようにしています。
まだ初期の設置のため、この提案が最適かどうか見定めつつ、ブラッシュアップをしていく必要があります。しかし、これまで僕が作っていたような、いきなりランキングを掲載したり、オススメの商品をドカンと紹介しないことで、押し売り感を出すことがなく、安心してサイト内を回遊してくれるのではないかと考えています。
4.不足コンテンツの調達
このようにサイトの全体を見直していると、不足しているコンテンツが見つかったり、こういう情報を付け加えたいといった新たな気付きが出てきます。そのようなポイントを逐一メモに残しておきます。
また、Googleサーチコンソールの検索クエリのデータにも、自分が想定していなかったようなクエリが検知されてきましたので、それらについてユーザーはどういうことを知りたがっているのだろうかと推察しながら、新しいコンテンツ案を作成していきます。
新たに追加する観点とサイト構造のマインドマップを突き合わせて、新規に追加する場所を見極め、コンテンツインベントリに落とし込んでいきます。
今回は、乳酸菌サプリ、青汁の成分について、コンテンツが不十分と感じたため、さらに詳しく菌の種類や成分を紹介するコンテンツを作成しました。
たからのまとめ
以上の作業を約一か月掛けて行い、「サイトへの愛着がこれまで以上に沸いてきた」というのが率直な感想です。
これまでは一度サイトを作ったら、SEOでキーワードの順位を追ったり、どうやってアフィリエイトタグをクリックしてもらうかを考えたり、ユーザーのことを考えずに収益のことばかりを考えていたように思います。
今回、アルケーのコンサルというサポートを受けながらも、真摯にユーザーと向き合い、サイトと向き合って、一つひとつ地味な作業でしたが、愛情を持ってサイトを育ててきたことで、新しい価値に気付くことができました。
この「便秘解消プロジェクト」では、当初、収益度外視で考えていましたが、アクセス数も徐々に増えてきて、便秘で困っている方に読んでいただけるサイトになりつつあると感じています。
その期待に応えられるよう、これからもタカラらしく運営していきたいと思います。
3ヶ月間の公開コンサルを終えて
宝さんのコンサルを始めて三ヶ月が経ち、サイトから伝わる温かみが宝さんらしくなってきたなぁと思っていたら、ちょうど宝さん本人からも「すごくサイトの更新が楽しいです!今まで以上に愛情を持ってサイトを運営しています!」というご報告をいただきました。
今回は、アルケーの公開コンサルという新たな試みで、2016年2月からリアルタイムに施策を行い、結果をレポートさせていただきました。最後に定量的なデータでもおさらいしておきたいと思います。
まずは、Googleサーチコンソールの検索クエリの推移です。4月16日にサイトをリニューアルしてから、インプレッション数、クエリ数が段階的に増加しています。

Goolgeサーチコンソール「検索クエリ」の推移
次に、Googlleアナリティクスのデータです。リニューアル前(3月)とリニューアル後(5月)のアクセス数の比較データ(自然検索トラフィック)です。
自然検索からのアクセス数の比較(2016年3月と5月)
宝さんのサイトが運用フェーズに入ったこともあり、今回でアルケーサイトでの連載レポートは終了とさせていただきます。今後は不定期とはなりますが、特別な施策を行なった際に、その前後の動きなどをご紹介させていただければと考えています。
また、アルケーのセミナーや勉強会では、実際の施策やデータとともに、メディア制作、運営の理解を深めていただくために、宝さんのサイトを皆さんで掘り下げて分析していきたいと考えています。
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