ウェブのゴシップサイトを運営する米国のゴーカー・メディアが、6月10日に連邦破産法11条の適用を申請し事実上破綻した。日本でも人気の元プロレスラー、ハルク・ホーガン氏の性行為を隠し撮りしたビデオをサイトで公開しプライバシー侵害で訴えられ、1億4000万ドル(約150億円)もの損害賠償を命じられたためだ。「自業自得」「因果応報」とも思えるが、シリコンバレーの著名な投資家が私怨(しえん)からゴーカーつぶしをもくろみ、背後でホーガンさんの訴訟を資金援助していたことが判明。インターネットメディアの「報道の自由」をめぐる大論争に発展している。
ゴーカー・メディアは2002年に、英紙フィナンシャル・タイムズの記者だったニック・デントン氏らがブログを掲載するサイトとしてスタートさせた。「ゴーカー」「ギズモード」「ライフハッカー」といった芸能人らセレブやIT業界のゴシップを掲載するサイトを展開。“タブーなし”の掲載方針で人気を集め、2010年には米アップルの発売前の新型iPhoneの全貌をすっぱ抜き、世界的に話題になったこともある。
一連の問題の発端は、2012年にゴーカーがホーガン氏の性行為を隠し撮りした約30分のビデオを入手し、これを1分40秒の映像に編集しサイトで公開したことだ。
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