100人が選んだ本当におすすめ小説を熱いコメントと一緒に紹介する。
きよしこ 重松清
吃音の少年が出てきます。少年はきよしという名前なのに、始めのきがちゃんと言えない。小学校のときはまわりに笑われた、けれど中学生になると笑われない、笑われないけれどそれも辛い。吃音の人の内面が描かれていて辛い、恥ずかしい、悲しい、でもそれをぶつける手段も相手もいない苦しい気持ちが伝わってきます。
死神の精度 伊坂幸太郎
遠くでずっとそばにいる 狗飼 恭子
事故にあい10年間の記憶をなくした主人公。高校時代の記憶が最後で、同級生にあっても子どもを産んでママになっていたりとまどう主人公。自分の今の暮らしの手がかりを探しますが、知れば知るほど不思議なミステリーに飲まれていくことから目が離せませんでした。
サムシングブルー 飛鳥井 千砂
元カレと親友の結婚式の招待状が届いた、そんなストーリーです。参加するにあたり友達と一緒にお祝いまで送ります。自分が同じ立場になったら、どうするだろう。行く?行かない?周りの反応は?結末が気になり一気に読みました。
幸福な食卓 瀬尾 まいこ
いきなり家族がバラバラになってしまうのだけど、お兄ちゃんが妹想いでとてもとても優しい。最後はきちんと元に戻るのだけれど、こんなお兄ちゃんがいたらいいなぁと思うほどに優しく包んでくれるお兄ちゃんが出てきます。家族の不思議なお話です。
カフーを待ちわびて 原田 マハ
南の島で出会う純粋な地元の青年と、ふらりと島を訪れたきれいな若い女の子。地元にリゾート施設が立つことに反対するなか、様々な思いを抱えながら島の人は生きています。カフーとは幸福のこと。待ちわびたカフーが訪れたらいいなぁと思いながら最後まで読みました。
六月の海を泳いで
不倫をしていた彼が死んでしまい、それまでを振り返る主人公。「理由はないけれど、そうなのた。会いたいときに会えない人が、ほんとうに会いたい人なのだ」という文章がとても印象的で主人公の喪失感が伝わってきました。
ミッキーマウスの憂鬱 松岡 圭祐
東京ディズニーリゾートを舞台に、新人アルバイターが奮闘する物語。登場する場所もキャラクターもあくまで架空・フィクションです。当然ディズニー公式ではないのですが、例えばキャストが使う通路は地下にあるなどの都市伝説にも触れていて、これが本当のパークの裏側の世界なのかと思ってしまうような、ディズニーを少しでも知っていれば楽しめます。
坊ちゃん 夏目漱石
テレビドラマ等で取り上げられていて興味を持った作品です。昔の小説は難しいイメージがあるが、人間関係が複雑に絡み合う内容が好きです。ありえないようなハチャメチャぶりも面白い!古い小説も味があって読んでみる価値はあると思います。
ゴールデンスランバー 伊坂 幸太郎
ある事件の犯人と間違えられて、警察に追われる話です。この粗筋だけ見れば、小説でよくある話、という感じを受けますが、読んでみると
そんなことはありません。追いかけられるスリル感が味わうことができ、まるで大作映画を見ているかのようです。
しゃばけ 畠中 恵
江戸時代を舞台に、病弱な少年である若旦那が妖怪と共に事件を解決していく、ほんわかファンタジーな小説です。読んでいると、ほっこりするし、心温まる物語がいっぱいです。長く続いている人気シリーズものなので、やはりおもしろいです。
あつあつを召し上がれ 小川 糸
タイトルのとおり、食べ物が思い出の短編集の本です。身近に感じる、ひとつひとつ読み終わるとほんわりと切ない気持ちになります。誰でも食事をして生きていて家族や友達との思い出がひとつはあると思います。これからも食事をしながら色んな思い出が増えていくのだろうなぁと思いました。
A2Z 山田詠美
A2Zは、山田詠美さんの小説で短編で構成されています。それぞれのタイトルがAからZで始まる英語の文章でつけられており、まるで歌詞のような構成です。短編なので、隙間時間に読め斬新な恋愛内容なのでリピートして読んでいます。
陰陽師 夢枕獏
夢枕獏の長年続く陰陽師シリーズ。『陰陽師』と言う日本独特の文化を面白く紹介しています。登場人物も憎めない人ばかり。平安時代の暮らしを覗けて、平安時代と言うミステリアスな一面も描かれています。非日常を読みやすい短編シリーズで、と言うのも魅力的。
ジョン万次郎 童門 冬二
時代背景は幕末の土佐ですが、面白いところはこの小説は時代劇でもありサバイバルでもありアドベンチャーでもあるところです。土佐で漁に出て漂流してしまいアメリカの船に助けら当時の日本人が絶対に味あう事のない世界が展開していきます。
仮面山荘殺人事件 東野 圭吾
最後まで読むと、こんなに入り組んだストーリーなのかととても驚きました。ひとりの娘が死んだことにより、周囲の人が山の別荘に集まるところでまた事件が起きるのですが、最後まで読まないとわからないようにできているトリックがとても面白く、こんな小説読んだことがないと心に残る作品です。
間宮兄弟 江國香織
30代にもなって男二人で仲良く暮らしている間宮兄弟は、休みの日には2人でDVDを観たり、読書を楽しんだり、おでんを作ったりする。見かけもさえなくて、女性と付き合ったこともない彼らを取り巻く女性たちとの日常模様。小説なのに劇的な展開があるわけではなく、残念な間宮兄弟。善良すぎて滑稽なほどなのだが、江國香織の独特な距離感と優しい目線で描かれる二人の姿は、なぜか悲壮感はなくむしろ羨ましくなるほどだ。普通に暮らすこと、ドラマのない日常もいいものだ。
火花 又吉直樹
直木賞を受賞した話題作。この度映画化もされてまた人気に火がついています。芸人である自分が天才だと思ってる先輩芸人さんとの可笑しくも切ない、火花のような芸人人生を書いています。笑えて切なくて泣けて、面白いです。
すべてがFになる 森 博嗣
文字を読むことが大嫌いな理系少女だった私が、初めてはまった推理小説です。現実離れしていてゲームのようなのですが本格的な内容に加えて、登場人物のキャラの濃さと彼らの絡みが非常に面白いです。シリーズ1作目なんですが、次がすごく気になります。
オーバー・タイム 北川 悦吏子
ドラマにもなりましたが、女子3人で一軒家に生活しているのが本当にうらやましくなる、素敵な物語です。最後はみんなが自分の道を見つけ違う人生を歩んでいくのですが、タイプの違う女子がお酒を飲みながら悩みを打ち明けたり泣いたりするのがうらやましかったです。東京タワーを消すところが印象に残っています。
ブルーマーダー 誉田 哲也
姫川玲子シリーズの中の一冊ですが、刑事物の小説に興味がない方でも引き込まれると思います。小説だけど現実にありえそうな感覚になりますし、自分の感情の描写もうまくかかれていると思いました。私が刑事小説にはまるきっかけになった一冊です。
本日は、お日柄もよく原田マハ
スピーチライター。政治家や企業の重役などが話をする原稿を書く人です。こんな職業があったのか、どんな思いでその原稿を仕上げるのか初めて知りました。言葉は想いを伝える手段です。言葉は大切だと思いました。読んだ後に心が温かくなりました。
ZOO 乙一
こちらの本は乙一さんが書かれた本で短編集となっています。単行本ですと上下巻となっていますが、これらの短編の中で特に私が好きなのが「SEVENS ROOM」という話です。この話は正直怖いものが苦手な人にはつらいかもしれませんが読んでいて引き込まれる話なのでぜひ一読ください。
余命10年 小坂 流加
病気と闘う女の子。若いときに自分が病気になり「余命10年」と言われたらどうだろうか。10年生きて、その先はない。生きる希望もないんじゃないかと思います。ノンフィクションなのかもしれないと思うほど、生きる苦しさが伝わってきて涙が止まりませんでした。
池袋ウエストゲートパーク 石田 衣良
池袋のトラブルシューター”と呼ばれる、池袋西口公園の近くの果物屋の息子・真島誠のもとに、様々な難事件の依頼が舞い込んできます。若者達の非日常がマコト目線の回想禄として描かれていて、推理小説などの堅苦しさがなく、どこか親しみやすく読むことが出来ます。
マスカレードホテル 東野 圭吾
一人の女性ホテルマンが、ホテル内で起こる事件の解決に向け警察の捜査に協力しながら携わっていくのですが、冷静を装いつつ目を光らせて業務をこなす姿はハラハラして面白いです。また、主人公を通してホテルのフロント業務や裏側を知れるのも面白いところでした。
忘れないからね 狗飼 恭子
どうしても忘れられない彼から届いた手紙には「ネパールにいます」と書かれていた。ネパールにいけば彼に会える、と旅立ちます。自分を慕うヤスと呼んでいる男の子もなぜかついてきてネパールで色んな景色を見ながら彼の足跡をたどる旅のお話しです。忘れられない人がいる方は読むと少し心が軽くなると思います。
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド
現代の世界で一人の男が、自身の持つ特殊な能力のために様々なトラブルに巻き込まれ、乗り切っていくスリリングなストーリー展開。一方で、ファンタジックな物語が同時に進行し、そこでは自分の影を奪われた少年が、閉鎖された世界で今後の生き方を問われ、葛藤し、選択していく。どちらの物語も奇想天外な面白さがあり、やがて無関係と思われた2つの物語の結びつきを感じていく点が読み手を引き込む。
和菓子のアン 坂木 司
5つのお話があります。その中にはそれぞれに謎解きがありワクワクしながら読めます。デパートの裏側や和菓子の奥深さがわかる本です。でもほんわかしていて心が何だか温かくなる話ばかりでした。読み終わった後、和菓子が苦手な人も和菓子が食べたくなると思います。
キネマの神様 原田 マハ
映画に関するお話です。自分の父親がインターネットを通じて映画のブログを始めたことから世界に発信したコメントが大盛況。という奇跡が起きます。ほっこりする内容に心があったかくなりました。これを読んだら映画館に行きたくなります。
風のマジム 原田 マハ
沖縄のとある会社が地酒を造りたい!と頑張ります。地元愛を感じる応援したくなる物語です。サトウキビを使って美味しいラム酒を作れるのか?読み終わったあとに、新しいことに挑戦する勇気が湧いてきてすがすがしい気持ちになりました。
時効警察 三木 聡
登場人物一人ひとりのキャラクターが個性的で、時効になった事件を趣味で調べている主人公「霧山修一郎」との掛け合いがとても面白いです。テレビドラマが単行本化された小説ですが、読みながらクスッと笑える場面が多く、小説としても十分に楽しめる内容です。元気を出したいとき、笑いたいときにオススメの小説です。
ぼくのメジャースプーン 辻村 深月
大好きなお友達の「ふみちゃん」に振りかかった恐ろしい事件と悲しい傷跡に、小学4年生の「僕」が立ち向かっていくファンタジー小説です。残虐な犯人に対し、小さな子どもはどのようにして罪と罰を決めていくのか。あまりに純粋で、悲しくも美しい「僕」の気持ちにラストは泣けてきます。ラストのドキドキする展開や、繊細な感情を読み解き感動したい方にはかなりオススメの小説です。
まほろ駅前多田便利軒 三浦 しをん
便利屋が主人公の小説ですが、依頼はもちろん色々あって面白いですが、主人公の昔の同級生が現れ一緒に仕事を手伝うのですが、そいつがちょっと変人でストーリーがどんどん膨らんで面白いです。あとで気づくのですが、小説の舞台は東京近郊の町田だとわかると余計に小説の内容がリアリティにあふれてきます。
奇跡の人 The Miracle Worker 原田マハ
日本版ヘレン・ケラーのような本です。病で目が見えない、耳が聞こえない、そんな意思疎通が出来ない女の子に教育を施そうと女性が住み込みで少女の世話をします。何事も、経験や習慣を教えることで障がいのある子も育っていくんだなと実感しました。
重力ピエロ 伊坂 幸太郎
連続放火と落書き(グラフィティ)の事件を追い始める兄弟だが、自分たちの過去も合わせて謎を解こうとそれぞれが行動し始めます。遺伝子とはなんだろう?異常と正常の境目は?と色んなことが重なり合って事件をといていくところが面白かったです。
白夜行 東野 圭吾
これは一回読んだだけだと理解できません。幼少期の出来事と今の時代を行ったり来たりするので何度か読み返すと、あぁこの場面とつながるのか!と謎解きをしているように一致してやっと解決する事件です。分厚いのですがまた読み返そうと思う一冊です。
日曜日の夕刊 重松清著
小学六年生の息子の音読を聞いていて面白いなと思ったのが、教重松清「カレーライス」でした。似たような作品が載っているものを探した結果、「日曜日の夕刊」に行きつきました。家族主に父親と子供の描写が、心を打ち感動します。
ローマ帽子の秘密 エラリー・クイーン
私のおすすめはエラリー・クイーン作、『ローマ帽子』の秘密です。この本は、満員の劇場の観客席で男が殺され、その犯人を突き止める推理小説です。警視と探偵が共に捜査をしていき、次第に推理の条件が揃ってきます。この本の良いところは、捜査でわかった情報がすべて読者に伝えられるところです。情報がわかっているので、自分で犯人を予想して読むことが出来ます。
ガダラの豚 中島 らも
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと三冊に渡って書かれている、推理サスペンス冒険小説です。アフリカの民族の不思議な儀式をコミカルかつホラーな感じで描かれていて、一冊目からかなり引き込まれます。自分もそのミステリアスな世界に引き込まれるようで、時間を忘れて一気に読みたくなります。主人公のだらしなくて、でも憎めないキャラクターやその他の個性的な登場人物について想像を膨らませるのもおもしろさの一つだと思います。
旅好きな人に特におすすめです。
星守る犬 村上 たかし
何もかも失った男が最後に飼い犬とあてもない旅にでて最期を迎えます。涙が止まらなくなる悲しいお話です。犬は最後まで飼い主のそばに寄り添い、人に助けを求め、懸命に動きます。言葉の通じない動物の温かさに胸が苦しくなりました。
走れメロス 太宰治
本当の友情を感じることができて、読むといつも爽快になれるので大好きな小説です。舞台はギリシャですが、日常でも起こりそうな場面をテーマにしているので。メロスの心の移り変わりに共感できて、飽きることなく一息で読む事ができます。最後にはいつも感動させられます。
太陽の棘 原田 マハ
戦後の沖縄、アメリカ軍が駐留し始めるなか、芸術を通じて画家とアメリカ軍で働く医者との心が通う部分に感動します。貧乏でも明るく暮らしている沖縄人に勇気をもらえました。何年経っても忘れない絆。国も言葉も超える交流に感動しました。
火の粉 雫井 脩介
ミステリー小説ですが、めっちゃ怖いです。隣人が怖くなります。裁判員の家の隣に、自分が無罪を言い渡した男が引っ越してきます。親切な彼が自分の家族と親しくなるにつれて不安が膨らんでいく、本当に彼は無罪だったのか。。。怖いです。
風の中のマリア 百田 尚樹
蜂の世界のお話しです。いっぴきのスズメバチのマリアが主人公ですが、蜂の社会、生き方が人間のように描かれておりとても面白かったです。虫というよりも、人の社会の縮図のようであっとゆうまに読み終えてしまいました。
その日の前に 重松 清
病気の妻、残される夫と二人の子供が主人公です。人はいつどこで病気や事故にあうか予測も準備も出来ないものです。読んでいて切なく悲しいです。でも残される人は今日も明日の思い出を胸に生きていかなくてはいけないんだなと思い知らされるお話しです。
天国はまだ遠く 瀬尾 まいこ
都会で疲れ果てて、田舎の民宿で自殺を図る主人公が助かってしまい、田舎で数日間のんびり暮らしていくうちに気持ちが変わり生まれ変わったようになるお話です。やっぱり田舎ぐらしって人にとってはよい生活なのかなぁと思ってしまう、自然が恋しくなるお話です。
エンキョリレンアイ 小手鞠 るい
その名のとおり遠距離恋愛のお話しです。現在のように携帯メールではなく、文通、パソコンメールでのやりとりで海外の彼とやりとりをしていますが突然音信不通になります。住所を頼りにひとりで彼に会いにいく主人公。辛い遠距離恋愛のようですが、最後の奇跡に感動しました。
卵の緒 瀬尾まいこ
家族の形は色々です。主人公の僕。「僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う」かわいい僕。お母さんの彼氏はお父さんではないけれどだんだん仲良くなっていく様子が現代の家族の形を思わせます。読んだ後温かい気持ちになる家族の話です。
風が強く吹いている 三浦 しをん
箱根駅伝に出る大学、学生の話だろう、と思うような内容ですが。10人で走る駅伝なのに、部員が10人しかいない。それも寄せ集めです、外国人選手なんてただの外国人学生です。でもみんなで練習を重ね、走れるようになっていく過程が大事なんだなぁと気づかされるスポーツがしたくなる本でした。
手紙 東野圭吾
貧しかった家のために兄がやむなくしてしまった罪のせいで「強盗殺人犯の弟」として色んな場面で人生の邪魔をされて苦しむ弟。恨んでもどうしようもないことが彼を苦しめます。実際にこうゆう立場の人もいるんだろうなと思ってしまい、考えさせられる小説でした。
雨のなまえ 窪 美澄
短編小説のように色んな人の生活が描かれていますが、そこで降る雨の様子が印象的です。しとしと降る雨、ザーザー降る雨、ぽたりぽたりと落ちてくる雨。この雨はどんな雨なんだろう?とふと思う場面が描かれています。
瑠璃でもなく、玻璃でもなく 唯川 恵
結婚している妻と、その夫と不倫をしている独身女性のお話です。恋人から妻になり子どももいてそれでもなにかを求めている女性。不倫にはゴールがないので漠然と不安を持っている女性。それぞれなにか足りないと感じていることがストーリーから伝わってきます。なにがあれば彼女たちは満足するのだろうと読み終わって思いました。
超高速参勤交代 土橋 章宏
東北の藩主が、江戸のお上から5日以内で参勤交代せよと命令が下ります。しかし藩の財政が厳しい事や人手がいないのが実情です。藩の財政を取り仕切る側近がおりますが、知恵を絞り難局を次々と乗り越えていきます。主人公の言葉で涙しそうになる場面や笑いもありすばらしい作品です。
29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。葉山 アマリ
ノンフィクション小説のタイトルで衝撃的だったので読みました。あと1年で死のうと決意した彼女は、カジノで賭けをしてそれから死ぬと決めました。カジノの賭け金を稼ぐため派遣社員と水商売のダブルワークで資金を稼ぎます。最後にどういった結末なのか最後まで早く読み切りたい一冊でした。
デビクロくんの恋と魔法 中村 航
とにかくデビクロくんのイラストが可愛いです。たくさんのデビクロくんが登場します。ストーリーは主人公とその幼馴染の恋のゆくえですが、主人公の一途な思いがさわやかで応援したくなります。幼馴染は主人公を思い切ないです。デビクロ通信が心に残ります。
永遠の0百田 尚樹
零戦に乗り戦った、会ったことのない祖父のあとを追う姉と弟。生き延びた祖父を知る人物を訪ね歩き、徐々に知らない祖父の姿が出来てきます。戦争は二度と起きてほしくないと感じる生々しい体験が伝わってきました。最後は涙がこぼれる話でした。
春、戻る 瀬尾 まいこ
結婚を控え彼の実家の和菓子屋さんを手伝う女性の前に「お兄ちゃん」を名乗る青年が現れます。彼女のお兄さんというのですが、見た目と話を聞くと年下のようです。でも自分の過去も知っています。いったい誰なの?と気になるストーリーです。
書店員の恋 梅田みか
タイトルそのものです。書店で働く女性が、ベストセラー作家に気に入られます。恋人はいますが今の関係に満足していないため作家のアプローチに戸惑い、現状と天秤にかけるのです。でも最後までどっちを選ぶのだろうとドキドキしながら読み進めて面白かったです。
おしまいのデート 瀬尾 まいこ
デートと言っても、必ず彼女と彼氏のお話ではありません。しかしタイトルにある「おしまいの」デートなのです。読んで最後に悲しいようなスッキリするような不思議な気持ちになるお話でした。最後のデート、でなくおしまいのという表現が似合う悲しいだけでないところが心に残ります。
アップルソング 小手鞠 るい
様々な時代を一生懸命いきぬく女性が出てきます。写真家として世界の情勢を伝える強く優しい女性の姿に感動しました。読んでいるうちに宗教や世界の平和について考えるようになりました。写真家は問題を写し出し、周りに問いかける力があると思いました。
ゲームの名は誘拐 東野 圭吾
映画にもなった小説です。誘拐を企む男の前に狙った家の娘が現れ人質になると協力してくれてのです。冷静な男はこんなに簡単にいくものか?罠が仕掛けられているに違いない、と慎重に行動します。身代金も手に入り、娘は開放しすべてうまくいったかと思っていたら、、、という複雑に絡み合う関係性が面白かったです。
高野聖 泉 鏡花
小説の中の幻想的な風景が目に浮かぶような空間の表現方法が巧みで、不思議とそこに居合わせているかのような臨場感があります。とにかく今まで読んだことのないような小説で感動を受けました。山水画を思い起こさせるような小説でした。
チームバチスタの栄光 海堂 尊
優秀な心臓手術チーム、チームバチスタの手術中に連続で起きた患者の死の謎について、主人公田口がチームメンバーに聞き取り調査をし、謎といていく。医療の話だが読みやすく、この先どうなるんだろうと引き込まれていく作品。
ラン 森 絵都
走ることの物語かと思って読み始めましたが、途中から目的が「死んだ家族に会うため」に必死に走るようになる、たった一人で生きる女の子。切ないけれど家族に会うため必死に走ることを続けていて読んでいて切なくなり最後はどうなってしまうのだろうと心配になりながら読みました。
空飛ぶタイヤ 池井戸 潤
正義と悪の戦いをハラハラしながら読めるところが非常に面白いです。また、実際にあった事件を想像させるような場面も多く、あの時はこうだったのか…と想像しながら読むのが楽しかったです。現代版の水戸黄門を見ているような安心感もあります。
悪の教典 貴志祐介
私のおすすめの本は、貴志祐介作の『悪の教典』です。この本の主人公はサイコパスなのですが、彼は人間らしさを研究し尽くしていて、周りの人からの信頼も厚い人でした。その人が冷淡に計画を練り何人もの人を殺します。非現実的に思えますが、その人間らしく見える部分から、もしかすると身近にもそんな人がいて気づいていないだけかも、と思える一冊です。
青い鳥
吃音の教師が出てくる中学校のお話です。みんな、ひとりぼっちじゃないと教えてくれます。上手には話せないけれど、たいせつなことを教えてくれる先生。みんな悩みを抱えていたり、後悔をしたりしながら生きていますが読み終わると心があったかくなる本です。
MADE IN HEAVEN 桜井亜美
人間てなんだろう?と考えるようになりました。事故にあい体はほとんどサイボーグの僕。心がないサイボーグと話す彼女。二人の正体、恋の行方が気になりました。心はあるけどぬくもりを感じないとかロボットと人間の間について色々と考えるきっかけになる本です。
舟を編む 三浦 しをん
辞書を作成する部署に勤める主人公のお話しです。辞書ってこんな風に作られているんだな、こんなに緻密で大変な作業をしているんだな、言葉ってスゴイと気づかされます。辞書は紙で出来ています。言葉はどんどん新しいものが現れ、古い言葉は使われなくなります。そういったことを深く考えさせられる内容ですが、主人公がちょっと不思議くんで面白いので堅苦しい感じはなくとても読みやすいです。
楽園のカンヴァス 原田 マハ
ピカソの時代の絵の話ですが、絵画に興味がなくても読めるお話です。貧乏でも絵を書き続けたいと何枚ものカンヴァスに絵をかきそのうち、書いた上にさらに絵を書く。そんな情熱を持った画家たちがいて、後世に残る作品があるんだなぁと思いました。
サーカスの夜に 小川 糸
サーカスで働くことになった男の子。しかし最初からステージに上がれるわけではありません。コックのもとで雑用をしながら、ステージにたつ仲間たちと交流をしながら一人前になるために成長していくストーリーが良かったです。この中に出てくるドーナツがとてもおいしそうで食べてみたいです。
たった15分 大石エリ
15分しか記憶が続かない前向性健忘の少女は毎朝、目覚めるたびに、ここはどこなの?目の前の知らない男は誰?という状況です。しかし、これまでの経緯を書いた自筆のノートを見ることで状況がわかるのですが、毎日新しい私を生きている主人公は幸せだと思いました。
高校入試 湊 かなえ
一度読み始めると止まらないスリル感がとてもいいです。また、身近なネットの怖さがリアルに描かれているので、いつ自分の周りに起こってもおかしくないという実感を持って読みました。テレビドラマとは結末が違うので、本は本で楽しむことができました。
神様から一言 荻原 浩
登場人物のキャラクターがとにかくそれぞれ際立っていて、それを楽しむ小説です。実際にはこんな人はいないよ!と思いながらも、読み進めていくとなぜか入り込んでしまっている、そんな不思議な小説です。明るい気分になりたい人におすすめです。
グラスホッパー 伊坂 幸太郎
殺し屋がたくさん出てきます。妻を殺された一般人が復讐をしようとするのですが、プロの殺し屋が参加してきます。クジラやセミといった名前の殺し屋が出てきて、最後にハチがとどめを刺します。こんな殺し屋がいたら怖いなぁと思いました。
症例A 多島斗志之
精神科医と患者の少女。診断名に疑問を抱きはじめカウンセラーの女性と協力して本当の病名を突き止めようとします。彼女は多重人格者なのか、、、少女の態度の周りは振り回せれますが、精神的な病気を抱えた人はこんな行動をするんだなぁと知りました。精神科でない作者がここまで書いたと思うと本当にスゴイ作品です。
きりこについて 西 加奈子
気をつけ、礼。重松清
2008年に刊行された作品で、6編の短編小説が収録されています。先生からみた生徒や学校についての苦悩や後悔が書かれています。先生も人間なんだなと実感させられます。特に5編目の「泣くな赤鬼」は胸が締め付けられるような切なさが感じられて、静かな感動があります。高校中退した生徒と先生のお話です。命のタイムリミットを宣告された生徒に先生が少しずつ向き合っていきます。育てるという事がきれいごとだけではできない事を教えてくれます。
テティスの逆鱗 唯川 恵
女性の願望は恐ろしい。美しさを追求する気持ちに限度はない。こうしたい、ああしたい、次は、、、と欲望は尽きないことが伝わってきて怖くなりました。美容整形がテーマですが、後半はただただ女性の欲望を追い求める姿に怖くなりました。
ダヴィンチコード
数年前にとても流行った小説です。美術館の描写がとても美しく、映画化もされ当時話題になりました。ボリュームがあるので、気軽に読む小説ではないと思います。絵画が好きな方、謎を紐解いていく話がお好きな方にはおすすめです。
どろぼうの神様
外国の子どもが主人公の小説です。廃墟となった映画館で暮らしているみなしごの子どもたち。そこには「どろぼうの神さま」と呼ばれる少年がいます。金持ちの家や美術館から高価なものを盗み出す怪盗なのです。しかし本当の姿は?子どもたちのこれからの未来は?最後までドキドキして読めました。面白かったです。
三日間の幸福 三秋縋
青春のストーリーでありながらもミステリー要素も兼ね備えており、終盤まで物語の最後が読めない点。そして叙述トリックを用いた衝撃と読み終えた時のただハッピーエンドではなく色々と余韻に浸りたくなるような心が暖かくなるような結末。一度読んだ後に絶対もう一度読みたくなる。
つるかめ助産院 小川 糸
主人公がふらりと訪れた南の島で妊娠がわかり、出産をします。自然の中で、自然と触れ合い、自然の恵みをうけたものを食べながら助産院で自然な形で出産に臨みます。昔はこうだったんだよなと思いながら、こんな風に産みたいと思いました。
一分間だけ原田 マハ
犬と暮らす生活の大変さ、犬がいることによる癒し。どちらも犬がいる生活をした人にしかわからないリアルが伝わります。人間よりもはるかに短い一生の犬を愛する主人公の気持ちが痛いほどわかります。犬の一生を共に過ごす、看取ることが描かれていて、涙なしでは読めません。
容疑者Xの献身 東野圭吾
数学の先生が出てきます。物語のキーワードになる人物ですが、授業の中で話す「なぜこんな社会に役に立たないような数式を勉強しなくちゃならないの?」という生徒の質問の答えにハッとしました。殺人事件のお話ですが、最後は涙がボロボロ出てしまう、心がすっと清らかになるような結末です。
さまよう刃 東野 圭吾
たった一人の娘を若い男たちに殺された父親の復讐劇。警察に捕まったら裁判で裁かれるだけ、自分の手で殺してやると犯人を追い詰めます。本当に自分の娘を殺されたら、こうしたいだろうと思ってしまう悲しい題材です。
象の背中 秋元康
余命数カ月を告げられた男が今まで感謝したい人たちに会いに行く話です。ですがこの男は愛人もいて色々ドロドロしています。それすらも家族にありのままを告げていくのですが、どうしようもない男でも人情味と切なさがあって最後まで面白く読めます。ちなみに秋元康さん著。
レインツリーの国 有川 浩
耳に障害を持つ人とそうでない人の関わりで、意思疎通の難しさを思い知らされます。そして自分が何気なく書く言葉が、耳に障害を持つ人にとっては重要な意志の発信方法であり、考え抜かれたきれいな言葉に引き込まれました。考えさせられますが、心温まる物語です。
神様のカルテ 夏川 草介
これは医者の話ですが、これを書いているのが長野県の医者だと知りびっくりしました。過疎地域は医者が足りず、研修医や若い先生たちは自分に点滴を打ちながら仕事をしているとストーリーの中に書いてあり、実際のお医者さんもそんなにハードなのか、と驚きました。
その日の前に 重松清
短編集で読みやすく、一つ一つの物語がとても素晴らしい。誰にしも必ず訪れる死というものと向き合いながらもそれぞれが前に進んで行く内容には感動せずにはいられない。一つとしてこれはいらないという話はなく、最後にすべてが繋がり短編集がその日の前にという1冊の本として完成する。
階段途中のビッグ・ノイズ 越谷オサム
学園物の青春小説なのですが、バンドを通して本当の仲間になっていく姿に引き込まれます。友情・恋愛・音楽うと熱くなる要素の詰まった爽快感のあるストーリーになっています。特に、廃部寸前の軽音部が学園のヒーローになっていく姿は羨ましいくらいに眩しく、青春時代に戻らせてくれたような感動をくれます。
妖怪アパートの幽雅な日常 香月 日輪
シリーズものなのですが、各巻での登場人物の心境の変化や成長が見所です。また、作中に登場する「るり子さん」が作る、数々の料理も眉唾物です。中学生や高校生、大学生などに読んでみて欲しい本です。漫画にもなっているので、そちらも読んでみて欲しいです。
アニバーサリー 窪 美澄
たったひとりで子どもを産もうとする女性と、その女性と支えようとするひとりの女性。食事や人との関わりが大切であることを伝えようと必死に気遣い続けます。子どもも母親との関わりが大切なのです。現代はスマホやネットに夢中で子どもは二の次になっている場合もあるかもしれません。人の温かさを感じるお話です。
もうすぐ 橋本 紡
出産のさまざまな問題が描かれています。産みたくても産む場所(産科医)がない。そんなことがあるの?と知らなかった出産に関することが書かれており若い女性はぜひ読んでこんなことがあると知ってほしい内容が書かれています。女性として読んで友達に広めたいと思いました。
図書館内乱 有川 浩
映画化もされた図書館戦争シリーズの中でも一番好きな巻です。検閲がまかり通っている世界の図書館を軸に繰り広げられるラブコメですが、その中に狩られているのは言葉だけではないという事と、私たち一般市民が無関心でいる事の怖さが描かれていると感じます。現実の世界でも、選挙での投票率が下がったり、政治に関心がない大人が多い世の中になっていると感じ、もしこのまま図書館戦争の物語のような日本になってしまったらどうしようという危機感も生まれました。エンターテインメント性の強い作品ですが、その根底に秘められている重いテーマに考えさせられます。
沈まぬ太陽 山崎 豊子
航空会社の労働組合の委員長だった主人公が委員長時代に会社と揉めた事を原因に海外へまるで流刑の徒の様な不当な仕打ちを受ける。それでも不撓不屈の精神で会社へ立ち向かって行く姿がこの小説のポイントです。私自身もこの主人公の姿に感動し励まされました。
セシルのもくろみ 唯川 恵
専業主婦の平凡な女性が友人に誘われて応募した女性誌の読者モデルに合格してから、生活が変わっていきます。まだまだやりたいことがあった、目指すものがることに気づき、モデルの道を突き進むことになります。平凡な女性が一人の働く女性として頑張る姿に勇気づけられました。
暗いところで待ち合わせ 乙一
目の見えない主人公の一人暮らしの家に、殺人容疑の若い男が逃げ込み、居座るのです。想像するととても怖い話ですが、若い男は危害を加えたりはしません、静かに目の見えない主人公を見守り始め、助けたりします。結末は書きませんが、ドキドキしながらのめり込んで読んでしまう面白いストーリーでした。
ヴァニティ 唯川 恵
20代後半の女性にぜひ読んでいただきたい小説です。仕事、恋愛、結婚など、色んな選択を迫られて焦る、女性の揺れ動く心がとても上手く描かれており、共感できます。私は私のままでいいのかも、と思えました。