日本は最貧国バングラデシュより貧しい!
これがバングラデシュに3年住むぼくの見解です。
何をもって貧困と思うかは人それぞれですが、GNI(国民総所得)をはじめとする経済指標が一般的です。
経済で貧困度合いを測るなら、統計を見ればわかることなので、今回はぼくが思う日本人の貧しい思考について、バングラデシュ人の思考と比較していきます。
- こんな人生で良いのだろうかと悩んでいる人
- 日々の仕事と生活でいっぱいいっぱいになっている人
- 疲れた、しんどい、お金ないが口癖になっている人
そんなあなたに読んでほしいです。
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バングラデシュが最貧国と言われる理由
- 所得水準が低いこと。つまり、一人当たりの国民総所得(GNI)の3年平均推定値が992米ドル以下であること。
- 人的資源に乏しいこと。つまり、HAI(Human Assets Index)と呼ばれる指標が一定値以下であること。
- HAIは、カロリー摂取量、健康に関する指標、識字率に基づく。経済的に脆弱であること。つまり、外的ショックに対する経済的脆弱性を表すEVI(Economic Vulnerability Index)と呼ばれる指標の値が一定以下であること。
これは国連が定義する最貧国。
なんか小難しいこと書いてるので、ぼくなりにバングラデシュに住んで感じる最貧国たるやを紹介します。
政治腐敗
日本人にとって汚職って身近なものではないと思います。
例えば飲酒運転で捕まると免許停止になるレベルですよね。
そこで「見逃してくださいよ~」と言ったところで無理なのが日本。でもバングラデシュでは「1万円払えば見逃してやるよ」みたいな感じが日常的に行われています。
政治家、公務員はその最たるもので、賄賂のやりとりがなければ生き残れない程です。
汚職をなくすと意気込んで政治家になった人も、自ら汚職をしなければ今のバングラデシュでは地位を保持することはできないでしょう。
日本でも舛〇さんの件で非常に騒がれているようですが・・・
もしバングラデシュで、舛〇さんのようなことが報道されようものなら、報道した人が殺されちゃいますよ。
バングラデシュの刑務所長は驚くほど賄賂で儲けることができるらしく、「俺の友人の刑務所長は真面目で誠実だから、賄賂とか一切もらってないんだよ」と、それが普通だろと言いたくなる会話が日常会話になるほどです。
こんな状態だと、国のお金が正しく回らず、貧困層に届かなくなります。
人口過剰
バングラデシュの人口は統計上1億6千万ですが、戸籍を登録していない人もいれると、実情は2億人以上とも言われています。
日本の3分の1程しかない土地にこれだけの人数が住んでいるわけです。
教育が行き届かず、特に農村部では働き手として子どもが必要なのでどんどん生んでしまうというのも一つですが、ぼくはイスラム教徒が9割いる国であることと、川が多く肥沃な土地であることも影響していると思います。
イスラム教の教えでは避妊・中絶が禁止され、男性は複数の女性と結婚してもよいことになっています。
また婚前性行も禁止されており、うっぷんがたまった男性たちは結婚後に避妊せずに性欲を満たす行為を行っているので、制限がありません。
日本もそうだったように、水源がある地域には人が住み着きます。バングラデシュ全体がデルタ地域であることからも、肥沃な土壌が育ちやすく、食べたり飲んだりするのには困らないことから、子どもを生みやすいのだと思います。
人口増加し続けると、国家予算で賄いきれず、1次産業だけで経済を回すこともできず、収入を得る手段がなくなってしまいます。
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援助大国
国連機関をはじめ海外からの援助が1971年の独立以降入り続けています。
援助が入り続けているということは、国として貧しいというレッテルを貼られやすく、国民全体が「自分たちは貧しんだ」という意識になります。
バングラデシュ人の口癖は「バングラデシュは貧しい国だから」。100%の人が貧しい国だと言うのではないかと思います。
これは自分たちがどこかの国と比較して貧しいと思うようになったというよりも、援助機関が入ることで、貧しいと言えば助けてくれる、お金をくれる、モノをくれるという認識になったからでしょう。
確かに援助が必要な国だとは思います。でもこの状況が45年も続いていて抜け出せていないのは、自分たち自身がなんとかしなきゃという意識がないからでしょう。
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バングラデシュは最貧国だけど心は日本人の方が貧しい
児童労働、感染症、ヒ素問題、ストリートチルドレン、慢性渋滞、電力不足、解決しなければいけない問題は山積みです。
これだけ読めば、日本は恵まれていると思いますよね。
でもぼくは日本が必要以上に恵まれているとは感じません。なぜそう思うのか、その理由を説明しましょう。
インシャーアッラーの精神がない日本人は貧しい
インシャーアッラーとはアラビア語で神さまの望むままにという意味で、バングラデシュだけでなくイスラム教徒の人はどの国の人も使う言葉。
よく何か約束事をするときに使われます。
「明日は大事な会議だから朝8時集合ね」
「インシャーアッラー」(神さまが望んだらね)
つまり約束はできないということです。
この言葉にいつもやられていました。
待ち合わせ時間にこない、予定通り物事を進めようとしない、天候のせいにする。
一般的な日本社会で生まれ育ってきた人ならば、許せないことでしょう。ぼくもそうでした。
でもある時教えてもらったんです。
インシャーアッラーとは約束を守りたくない、気分次第ねということではないと。(言い訳に使う人も多いですが・・・)
「ぼくにとって一番大切なものは家族。家族に何かあったとき、友人や仕事の約束よりも家族を優先する。」
一番大切なものを優先しただけで、なんで約束を破ったことになるのかわからないと言われたのです。
はっとしました。
バングラデシュの人々の心の中にはいつも家族がいます。仕事をしていても1時間置きに家族に電話をします。電話にないと出るまでかけ続け、内容はといったらご飯食べたかとか今何してるかという緊急性のない話題。
日本では仕事中はプライベートを持ち込まないことが当たり前とされ、私用電話をしていたら白い目で見られますよね。
でもこれってどうなんでしょう。
家族よりも会社を大切にしたら、会社は家族を守ってくれるのでしょうか?
まずないですよね。
バングラデシュの人々の休暇理由で一番多いのは、「家族の問題」です。日本ではどうでしょう?家族になにかあったとして、忌引き以外の理由で休む人いますか?もしくは理由を堂々と家族の問題でと言えますか?
ぼくは言えないし、休めません。
一番大切なものを大切にするためにインシャーアッラーという言葉があるんだなと教わりました。
バングラデシュ人のようにできなくても、用事がある時だけでなく、元気?の一言だけでも家族に電話をする心の豊かさをもちませんか?
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昼も食べないで仕事をする日本人は貧しい
今日気づいたら昼飯たべる時間なかった、という人手挙げてください!
結構いるんじゃないですか?
しかも忙しさをアピールするかのごとく言ってませんか?
バングラデシュ人は食事のこととなると血相を変えます。
例えば昼前に終わる研修に参加したとします。日本であれば昼前に終わるのであれば、昼飯は自分で用意するか食べにいくかしますよね(基本的に自腹で)。
でもバングラデシュ人は違います。研修に呼んでおいて、昼飯も用意しないとは何事だ!と大騒動になります。
だから驚くことに、研修や会議の予定を立てるときはまず昼代おやつ代をどこから捻出するかという議論が巻き起こります。
ぼくがバングラデシュの村で、住民に税金を納めることの大切さと方法を伝える会合を開いたのですが、1時間半くらいのことだったのですが、お茶もお菓子もださないのかよという批判が殺到しました。
外国人が主催するんだからさぞ豪勢なお菓子がもらえるんだろうと期待してそれだけのために来た人もいたそうです。
いやー驚きと苛立ちでなんと表現したらいいかわかりませんでした。
それだけで?と思うかもしれませんが、バングラデシュでは大切なことであり、これがないと人が集まりません。
仕事よりも、友だちとの約束よりも食事を大切にします。
「ぼくたちにとって、食べることはどんなことより楽しくて幸せなことなんだよね。だからそれを阻害されると何もやる気がおきないし、何も考えられなくなる。」
仕事を言い訳にして、食べることを後回しにしていませんか?
12時から昼休憩だとして、12時になったとたん食事に行くことをためらっていませんか?
生きるために必要なことは食べることより仕事なのでしょうか?周りとの波長を合わせることなのでしょうか?
バングラデシュ人のように、食べることに異常なまでの執着をもちなさいとは言いませんが、食べることも忘れてもしくは忘れたふりをして、食べないのをやめませんか?
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アトラクションだけを楽しいと思う日本人は貧しい
今日ぼくが一番伝えたいことはこれです。
遊ぶ、旅行するときに楽しいと感じることはなんですか?
- 飲みに行くこと?
- カラオケをすること?
- ディズニーランドにいくこと?
- ナイトクラブにいくこと?
- 観光スポットがあること?
他にもまだまだあると思いますが、これって全てアトラクションなんですよね。言葉で説明するのが難しいんですが、どれもモノに執着してるんですよ。そのモノがあって初めて楽しいと感じているんです。
ぼくはバングラデシュが大好きで3年住んでいるのですが、日本人が楽しいと思えるモノが一切ないバングラデシュのどこが好きなの?何が楽しいの?と言われることがあります。
大型連休の時も、他の日本人は隣国に旅行に行ったり、日本に帰国したりするけれど、ぼくはバングラデシュに残るというと、何するの?遊ぶ誰かいるの?という質問を必ずされます。
例えばタイにいくときに、楽しいことあるの?とは絶対聞かれません。タイにはたくさんの日本料理屋があったり、綺麗なおねえちゃんがいる夜の街があったり、観光スポットがあったり、そういう楽しいモノがあることがわかってるからなんでしょう。
ぼくがバングラデシュに魅力を感じているのはヒトであり、バングラデシュの人々の考え方や生き方です。
最高の観光名所は「人間」だ。 pic.twitter.com/HxAsj7vnak
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2016年6月19日
いばや通信というブログを書いている坂爪圭吾さんのツイートにこんなコメントがあって思わず頷いてしまいました。
ほんとそう。バングラデシュは観光施設が充実しているわけでも夜の世界が充実しているわけでもない。でも人が面白い。これが観光 https://t.co/2Zk1UmtZoh
— ジェイ@Bangladesh (@JisinBangladesh) 2016年6月19日
バングラデシュはヒトが財産であり、ヒトが魅力的、そしてヒトが観光資源。
みなさんももっとヒトに焦点をあてて、日々を過ごしてみませんか?
ステーションまとめ
人生はそもそもめちゃ自由だから「自由でない」ことはない。今の仕事も生き方も食べるものも、全部自分で選んでる時点で自由を謳歌してるよ。あなたが自由じゃないのは、それを人のせいにしてるだけ。今何するかも選べる人生はただただ自由だ。
— ヒキコモリズム井上 (@luckyman0302) 2016年6月18日
ヒキコモリズム.COMというブログを書いているヒキコモリズム井上さんのツイートを見て、本当にそうだなーと思いました。
でも同時に、こんなことも思ったんです。
@luckyman0302 確かに!でもどうやっても生まれた場所や環境から抜け出すことができない国もあることをバングラデシュにいると感じます。日本はどうやって生きるかの自由があるし、それを自由にしていいんだよと言ってくれる人もいる。それがすごいことです。
— ジェイ@Bangladesh (@JisinBangladesh) 2016年6月19日
自由を選択できる自由がある日本。
だけどそれを気づかずに、日常に疲弊している日本人。
バングラデシュの人は良く言います。
どれだけの財産があったって、どれだけのモノがあったって、死んだら何ももっていけない。
自分にとって本当に大切なものはなんなのか、一緒に考えていきませんか?
そのヒントがもしかしたらバングラデシュにあるかもしれません。
最貧国ヒトが観光資源の国バングラデシュでお待ちしております。
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