夕張市 財政破綻10年 再生計画を地域再生重視へ

北海道夕張市が財政破綻し、法の下で財政再建に取り組む方針を表明してから20日で10年になります。これまでに債務の3割近くを返済した一方、人口の流出はとまらず、市は財政再生計画をより地域の再生を重視した形に抜本的に見直すことにしています。
財政が破綻した北海道夕張市では、10年前の6月20日、当時の後藤健二市長が法の下で財政再建に取り組む方針を市議会で正式に表明しました。
長年にわたる観光施設のずさんな経営に加え、不適切な会計処理を行ったことで厳しい財政状況が表面化するのが遅れ、赤字が膨らんだことが原因でした。
その後、全国唯一の財政再生団体として国の管理のもと作られた財政再生計画に基づいて再建を進め、ことし3月末までに債務の3割近くに当たるおよそ95億円を返済しました。

住民サービスの削減も進められ、市立の総合病院は規模を縮小して診療所になったほか、10年前に4校あった中学校と、7校あった小学校は、それぞれ1校ずつに再編されました。
こうしたことなどが影響して人口の流出がとまらず、10年前に1万3000人余りだった人口は先月までに8900人余りに減少し、656人いた小中学生は、おととしの時点で380人にまで減りました。
こうしたなか、市はことし3月、国の理解が得られたことから、財政再生計画をより地域の再生を重視した形に抜本的に見直す作業を進めていて、削減した住民サービスの復活などを検討しています。
ただ、市は今後10年間、毎年26億円余りの債務を返済し続けなければならず、計画の見直しは国からどのような支援が得られるかが鍵になりそうです。