空港建設地を決めるための客観的な妥当性調査は可能だ。建設費、利用可能な乗客数、関連インフラ建設費などを算出して比べることは難しくないだろう。政府はこれまで、公平で納得できる建設地選定を目指し、関係自治体と協議を重ねてきた。その結果、これら自治体は妥当性調査が最も合理的であることを認め、客観的な調査のため外国機関に依頼することに合意した。その調査が現在、進められている。
新空港の建設は李明博(イ・ミョンバク)前政権時に地域対立で建設地を選定できず、これまで棚上げされていた。その間に中国などアジア諸国の所得増による観光客増加、格安航空会社(LCC)の登場などで新空港の需要は急速に高まった。旅行ニーズの増加などを受け、中国や日本など周辺国でも空港建設競争が激しさを増している。日本の成田空港拡張が土地補償問題により長期にわたり遅延し、競争力を急速に失ったことを他山の石とすべきだ。
新空港の選定に、政界や市民団体は介入を控えてほしい。どこかの地域でこうした勢力が乗り出せば、ほかの地域も黙ってはいない。政治が介入すれば問題が解決に向かうどころか地域対立ばかりをあおり、国力の浪費を招く。これにより新空港の建設が遅れれば、どの地域にとっても損になる。
政府も今度こそは先送りせず、新空港の建設地を選定すべきだ。政界を意識して優柔不断な態度を取るのではなく、国民経済の観点から経済性を踏まえて決めてほしい。また、国民も政府を信じて、落ち着いて調査結果を見守ることが望ましい。