故郷群馬に愛と誇りを
故郷群馬に愛と誇りを
高崎における地域活性化への取り組み
設立当事全員三十代の7人のメンバーでLLP高崎食文化屋台通りを設立。“場所には記憶がある。”人と人との小さな繋がりからこそ、多様な関係性と主体的なまちとの関わり合いが生まれる。
そんな坩堝のような場所を、故郷高崎の地にと、2年半前「高崎田町屋台通り中山道恋文横丁」を中山道沿いに立ち上げた。現在では年間10数万人の人々がそこを訪れるようになる。家業である燃料販売、建築、厨房設備などの設計や施工、またライフワークとして続けるイベント企画運営の経験を屋台事業に活かし、空洞化してきた高崎の街中に新たな賑わいを創出することに注力している。
場所の持つ力や食、文化といって個性同士のコミュニケーションから生まれる人と人の化学反応により、新たな生き方、地域内の循環や地域ごとの自立、連携を目指し率先して活動する。“楽しい事でないと持続できない”という考えから、楽しみつつチャレンジすることをモットーとしている。
今回は、屋台事業等で地域活性に取り組み、“楽しみつつチャレンジする”小池氏の携わる活動の中から、この秋に開催する“地元密着型ロックフェスティバル”についてお話を伺いました。
見たか、200万馬力。
「見たか、200万馬力。」をキャッチコピーに、群馬がひとつになり、故郷に愛と誇りを取り戻すことを目的に、地元密着型ロックフェスとして、「GUNMA ROCK FESTIVAL 2012 powered by COLOSSEUM」が開催されます。これは、地元紙である上毛新聞社主催により、創刊125周年記念事業、また開催地である前橋市の市制120周年記念事業として、9月22日、グリーンドーム前橋を会場に行われるロックフェスです。小池氏はHoth!COLOSSEUMのスタッフとしてこのフェスの企画、運営に携わっています。
国内最大級の「フジロックフェスティバル」に代表される数々のロックフェスが全国的に根づいてきています。群馬県は「BOφWY」や「BUCK-TICK」ら伝説と云われるロックバンドを輩出した土壌をもち、彼らの後進である若いアーティスト達も多く、全国を舞台に活躍しています。そこで、群馬由来のアーティストを中心に全国からのゲストを招いてロックフェスを立ち上げ、出演者と観客が一体となり楽しめる「共感」の坩堝を創り出します。新たな「祭り」の始まりです。
125年という節目に、新たな挑戦
“地域ブランド力、全国最下位”(日経リサーチ2008年調査)この不名誉なレッテルはすべての群馬県民にとって心地よいものではない。これに甘んじることを良しとせずどうにかしようと気を吐く若者もいる一方、あきらめ、故郷に夢を見いだせなくなってしまっている者がいる。“郷土への愛と誇りを取り戻すことは、自分自身を愛し誇りを持つということ。”群馬の渾身の力を結集し、共に感じてもらうことで、自分の中に眠る可能性に気づくきっかけを作りたい。
そんな想いから、およそロックフェスとはかけ離れたイメージのある新聞社が主催となり、県内各地の有志、また顔の見える関係にある隣県で活動する協力者の支援を集めながら、新たなチャレンジが始まりました。地域の情報を扱う新聞社が、地域にある力や魅力に新たな可能性を見出し、125年という節目に、新たな挑戦を始めたのです。
群馬が新たな一歩を踏み出すきっかけに
“ロック・音楽・伝統文化・ライブアート・スポーツ・食など、ジャンルを問わないさまざまな分野から表現者が集い、共感による新たな化学変化を”と、2007年より活動を始めたCross-CultureFES=COLOSSEUM(開催は08-09年)と、125年の歴史を誇る上毛新聞社の力を合わせ、多様な文化と人々の情熱の交錯点としての「GUNMA ROCK FESTIVAL」を群馬が新たな一歩を踏み出すきっかけとしたいと考えています。
3.11大震災による地震や津波を受け、抗うことが出来ない自然の脅威を改めて感じ、また現在も収束を見ない原子力発電所事故の影響にされされながら、今まで自分たちがどう生きてきたか、これからをどう生きていくべきか、という事を真剣に考える人が以前より確実に増えました。
その中で人々は被災した地域や人々に心を向け、復興に携わり、日々いのちの大切さを痛感しています。“自分に出来ることは何だろう?”と今一度自分を、そして周囲を見つめなおし、多様なアクションが生まれました。それはエネルギー、食、自然など我々を取り巻く生活の全てについて、それぞれが感じ、考え、具体的に行動を始めたからにほかありません。“自分に出来ることは何だろう”という自問自答の末に、多くの人が気づいた事があります。
限りあるいのちの中で自分自身が精一杯生きる事
一人ひとりが自分の持てる力を精一杯発揮し、そんな人々が集うことで、新たな可能性を探る。具体的に行動する。その事でしか、現在の自分たちの力を知ることはできません。足りない事もあるでしょう。しかし、それを乗り越えるには、その足りない何かを知ることが必要であり、実践から学ぶしかないのです。
音楽を軸としたクロスカルチャーフェスの開催や音楽活動をする個人やグループなどと共に過ごし、強制力など何一つ持っていない彼らの音楽から学んだことがあります。
音楽は、見方によっては非力だが、無力ではない
これは、言い換えれば他の芸術や文化活動、またそれを支える活動の全てに言えることなのでしょう。
今回のフェスにおいて、ステージ上から音を介して表現するアーティスト達は勿論の事、「見たか、200万馬力。」というキャッチコピーも、雷と雲、風という群馬の風土をイメージしたロゴや、デザインも、一万人規模の来場者を迎える会場さえも、多くの群馬県民とその仲間の手によって創られています。それこそが、県内史上最大規模、地元密着型フェスたる所以なのです。
自分たちの遊び場は自分たちで創る。
これは今回の祭りの種となったクロスカルチャーフェス、COLOSSEUMの発起人であり友人、群馬を拠点に15年間活動する地元バンド「G-FREAK FACTORY」の茂木洋晃が2008年に掲げた言葉です。ここで言う遊び場とは、「自分自身が生き生きと活動し、人々と交わり感覚を共有出来る機会」と私は捉えています。
規模の大小が価値を決めるとは思っていません。しかし、多くの人と同じ時間を共有出来ることには大きな可能性を感じています。多様な価値観を知る為に大きな可能性を持った扉がいま開かれようとしています。多くの共感のつながりのもとに。
その一つひとつに感謝しつつ、音楽の力、故郷を愛する人々の力を信じ、まず最初の一歩を一緒に踏み出してみませんか?
GUNMA ROCK FESTIVAL 2012 powered by COLOSSEUM
オフィシャルHP
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Update: 2012. 07. 17