日曜討論 与野党がアベノミクスなどについて議論

日曜討論 与野党がアベノミクスなどについて議論
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NHKの番組「日曜討論」で、安倍政権の経済政策・アベノミクスについて、安倍総理大臣は効果を上げているものの道半ばだとして、引き続き推進していきたいという考えを示したのに対し、民進党の岡田代表は、国民生活は決して豊かになっていないなどとして、政策を転換するよう求めました。
安倍総理大臣は「3年半前、自民党・公明党は政権を奪還し、いわゆるアベノミクスを進めてきた。さらにわれわれの政策を前に進めて国民をもっと豊かにしていくのか、あるいは4年前の低迷した時代に逆戻りするのかだ。ただ、アベノミクスはまだ道半ばで不十分であり、成長と分配の好循環をしっかりと回していくことによって、もっと多くの方々に成長の実感を感じとってもらいたい。賃金などにプラスの傾向が出てきたが、ギアを2段、3段しっかりと引き上げていきたい」と述べました。

公明党の山口代表は「アベノミクスが成果をあらわしつつあるのは明白だ。結果として、国と地方合わせて税収が21兆円増えた。この成果をアベノミクスが及んでいない人たちに、これから及ぼしていき、成長と分配の好循環を進めていくというのが大事なところだ」と述べました。

民進党の岡田代表は「アベノミクスを全否定するつもりはないが、相当無理をした政策であることは間違いない。円安も今や円高に転じつつあり、アベノミクスは完全に壁にぶち当たっている。国民の生活は決して豊かになっておらず、ここにしっかり光を当てなければ経済政策として成り立たない。政策の転換をしなければならない」と述べました。

共産党の志位委員長は「アベノミクスの失敗がはっきりした。安倍総理大臣は大企業がもうけを上げれば、家計に回ってくると言って3年半やってきたが、待てども待てども回ってこない。大企業応援から暮らし応援に政策の抜本的な転換が必要だ」と述べました。

おおさか維新の会の松井代表は「金融緩和で円が安くなり、株価が上がったことは成功だが、財政出動は成果が出ておらず個人消費は伸びていない。いちばん足りないのは構造改革と規制緩和で、全く進んでおらず、新しい産業を興せないことが問題点だ」と述べました。

社民党の吉田党首は「日々の生活や将来への不安から、個人消費に向かわない。家計をあたため、中小企業や農林水産業を応援して、地域からの経済循環をどうつくるか。トリクルダウンではなく、ボトムアップの経済政策が必要だ」と述べました。

生活の党の山本共同代表は「アベノミクスのぜひということでごまかしてはならず、終わりを迎えることは確実だ。最悪の貧困率、そして非正規労働者は4割を超えた。穏やかな回復基調と言うが、そんなことは通用しない」と述べました。

日本のこころを大切にする党の中山代表は「金融政策は頑張っており、成長戦略に日本の経済がしっかり乗れば所得が増えてくる。公共事業をやることによって経済成長につながっていくので、思い切った公共事業投資が必要だ」と述べました。

新党改革の荒井代表は「アベノミクスはうまくいっている。4年前の民主党時代、リーマン時代に戻してはならない」と述べました。

一方、今月22日に公示される参議院選挙で、民進党や共産党などが全国に32ある「1人区」のすべてで候補者を一本化したことについて、安倍総理大臣は「ただ政権を倒すためだけに候補者を一本化しているが、一緒に政権を担うのか。共産党は『民進党とともに政権を担っていきたい』と言っているが、民進党はそうではない。これではあまりにも無責任ではないか」と批判しました。
これに対して、民進党の岡田代表は「横暴な今の与党を方向転換させるためには、この選挙で野党4党がしっかり勝利を得ることが必要で、それによって、与党も今までのようなやり方は通用しなくなる」と述べたほか、共産党の志位委員長も「私たちは安全保障法制を廃止する、立憲主義を取り戻すという太いところで一致している。憲法を守るまっとうな政治を取り戻すということだ」と反論しました。