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三角関係 (2)
「あ! 恒興さん、ちょっといいですか?」
「はい。」
「もしかして、お市さんのことが好きですか?」
「いえ、そんな感情は______ 」
「本当ですか?」
「・・・。」
恒興は静かに立つと、走り去ってしまった。
何となく、背後から気配を感じる・・・。
しかも殺気立った感じ。
「秀吉さん!?」
「さっきのは本当か?」
「さ、さあどうでしょう。 分かんないです。」
(この人嫉妬してる。 しかも物凄く、愛が重そう。)
「お市さんに私は釣り合うことなんて出来ない。」
「はあ。」
「そう思わぬか。」
「はあ。」
「信長様の妹だからなあ・・・。」
(これって三角関係!?)
・状況整理
秀吉、恒興共にお市が好き。
秀吉、恒興はライバル。
恒興とお市は良い感じ。
「まあ、頑張って下さい。」
「おい、適当だな。」
(やっぱり、お市さんは好きな人といるべきだ。)
「お市さん、さっきの言葉は嘘ですよね?」
「え?」
「好きな人、恒興さんですよね。」
「・・・。 おとめさん、あなたって意外にすごいですね。」
「意外に?」
「いえ。 こちらの話です。 私がずっと隠してきた気持ちなのに・・・」
「なんで、告白しないんですか?」
「この御時世、本当に好きな相手と夫婦になるなんて出来ないのです。」
お市は悲しい表情で、遠くを見つめた・・・
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