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<従軍慰安婦問題> 発見された米軍尋問記録は韓国の急所を突くか

少し前から噂になっていた米軍尋問記録の詳細を、複数の報道機関が扱い始めております。

「朝鮮人捕虜の米軍調書発見 労務動員、慰安婦にも言及」2016年6月11日

捕虜は日本の炭鉱などでの過酷な労務動員の実態について述べる一方、朝鮮人慰安婦に関しては「志願したか、親に売られた人だ」との認識を示している。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016061101001719.html

米軍による従軍慰安婦に関する尋問記録は「日本人戦争捕虜尋問レポート No.49」というものが有名でした。ミャンマー(当時ビルマ)での従軍慰安婦20名や日本人斡旋業者2名を尋問したこの記録は、従軍慰安婦の貯金の多さや、軍人と外出したことなどが明らかにしており、「従軍慰安婦の性奴隷問題」の否定資料として挙げられてきました。

今回報道されている尋問資料は、アメリカ軍が捕らえた朝鮮人捕虜の尋問記録であり、朝鮮人自身が従軍慰安婦について「どのように感じていたか」という点について、「No.49」と大きく違うものです。

この資料は、ちょっと前にアメリカのユーチューバーである「テキサス親父」が広く取り上げたものでしたが、なぜか大きな話題にはならず、そのままになっておりました。まぁ、そのまま消えることなく、ちゃんと報道されて良かったです。

■日本側の専門家は、既に「強制連行」については手を引く

さて、朝鮮人側の今回の尋問記録で重要な点は、大きく二つあります。

1 慰安婦は「志願したか、親に売られた人だ」と認識

2 もし「強制動員すれば朝鮮人は憤怒して立ち上がる」と考える

非常にクリティカルな内容で、いずれも「強制連行の否定」という資料としては申し分ありません。また、米軍がなぜしつこく日本軍の不法に関する質問を繰り返しているかと言えば、日本上陸戦を睨んだ情報戦の材料集めだったようです。なので、「残虐非道な日本軍」という印象を与えたいアメリカにとって、非常に不本意な内容だったと言えるでしょう。

ただ、日本の従軍慰安婦問題肯定派にとっては、「強制連行の有無」はもう既に「捨てた理論」なので、この尋問記録は大きなダメージと感じないでしょう。この手の問題の筆頭に出てくる吉見教授なんかも、「問題は強制連行の有無ではなく、詐欺、甘言で騙して連れて行くことを含めた『広義の強制性』」と方向転換しています。もちろんスマラン事件やバタビア臨時軍法会議記録におけるバリ島の事件など、軍がやらかした事件もあるので、「全く無かった」と言ってしまうと、嘘になってしまうのですが、「従軍慰安婦=強制連行」の構図は絶えて久しいのが日本の状況であります。

しかし従軍慰安婦問題に未だに敏感な、韓国では違うのですね。

■強制連行に拘泥して自ら首を絞める韓国

「帝国の慰安婦」著者である朴教授が、「慰安婦と日本兵士は同志的間柄だった」と書いて名誉毀損で有罪となりました。教授がなんで「同志的」と書いたかと言うと、先の資料である「No.49」に、一緒に出かけたり兵士からプレゼントを貰ったり、と「性奴隷」から来るイメージと明らかに矛盾する記述が出てくるからでしょう。仮にも学者である以上、こうした記述を無視するわけにはいかなかったと思われます。

しかし韓国ではその方向への転換は、認められません。なにしろ『鬼郷』という従軍慰安婦を扱った映画では、監督自ら「慰安婦問題で、日本側は『証拠がない』と言うので、この映画を文化的証拠にする」と発言するのです。自分で勝手に証拠を作って、それを宣言したら拍手喝采を浴びてしまうのですから、マトモな議論になりません。

でも、今回の資料は、アメリカの尋問記録です。そこで朝鮮人が自ら言っている。「強制動員すれば朝鮮人は憤怒して立ち上がる」。

そりゃそうだ。映画『鬼郷』では、まだ10代前半の少女が日本軍兵士に強制連行されたというストーリーなのですが、「私の親父は、少女を庇って日本軍兵士に殺されました」なんて人は出てこないし、「お前の祖先は、何十万もの少女が連れ去れるのを、黙って見ていた腰抜けか?」と問われたらどうするのか、と。

韓国人自身が従軍慰安婦問題で上げたハードルは、韓国人自らを追い込もうとしていると思うのですが、なぜか韓国人はこれを矛盾とは思いません。今回報道されたような客観的資料を、韓国人の多くが知り、従軍慰安婦問題のクールダウンへと繋がることを祈りましょう。

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