どうも、Toshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は写実主義のミレーを紹介します。
ジャン=フランソワ・ミレー
ジャン=フランソワ・ミレー(1814‐1875年)はフランスで活躍した写実主義の画家です。主に農民の画家を手掛けたので農民画家とも呼ばれます。
1814年フランスのグリュシーという村に生まれます。父は農民で、教会の合唱団の指揮もしていました。19歳の時に絵の修行を始め、22歳の時にパリに出、ポール・ドラローシュに師事します。26歳でサロン初入選。この時のミレーの生活は乏しく裸体画などで生計を立てていました。
1841年仕立屋の娘と結婚しますが3年後に結核で病死、1849年にはコレラの流行から逃れるためバルビゾンへ移住、以後同地で作品制作に取り組みます。この頃には経済的にも安定しており、農民画に専念していました。ミレーの有名な作品の多くがこのバルビゾンにて描かれたものです。
1867年のパリ万国博覧会にも出品しており、大きな話題となりました。晩年には印象派に近い作品も残しています。
作品紹介
晩鐘
日本で最も有名なミレーの作品、『晩鐘』。夕暮れに鐘がなり、農民が作業をやめ神に祈る姿を描いた作品です。農民の信仰心の深さがよく表現されている作品です。
落穂拾い
収穫が終わった後の取りこぼされた穂を拾っている様子を描いた作品です。僅かな穂で生活をしなければならないという農民の苦しい生活を表現しています。サロン出品当時は「貧困を誇張している」というような批評が多々ありました。よく落ち葉を拾っている絵と勘違いされるのですが、落ち葉ではなく落ち穂です。
種をまく人
ボストン美術館所蔵の『種をまく人』です。イエス・キリストが自分を「麦の種」、神を信仰という「種」をまく人に喩えた話を根拠としています。背景を簡素にすることで人物を立体的に表現しました。
種をまく人
『種をまく人』はもう一枚あり、こちらは山梨県立美術館が所蔵しています。2つの作品はどちらも本物であり模写ではありません。
ミレーの作品はよく暗いと言われます。ミレー以前の画家は歴史画や宗教画など美化された非日常なものに美を認めていたのですが、ミレーはそうではなく、現実的な、ありのままの日常生活(写実)にこそ美は宿ると考えます。その結果、労働の苦労という点がピックアップされ、暗い印象の絵が多くなったのです。
羊飼いの少女
『晩鐘』『落ち穂拾い』に並びミレー三大名作として知られる『羊飼いの少女』です。本作では他の作品のような労働の生々しい苦労というのは表現されていないのですが、編み物をする少女の表情や、草を食べる羊たちは観る者を引き付けます。大地や優しい光が労働の辛さを包み込んでいるかのようにも見えます。
スライドショーも作ったので良かったら見てみてください。
今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。
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