二回、千賀の前に、空振り三振を喫したゴメス。明らかなボール球に手を出していた【拡大】
ネクストバッターズサークルに、ゴメスの姿はなかった。俊介が素振りを始めると、聖地にどよめきが起きた。1点を追う七回一死。俊介と入れ替わる形で狩野が打席へ。代打を告げた金本監督の我慢も限界だった。
「当たる気しないでしょ。本人もどうしていいのかパニクっているところもある」
来日3年目にして初めての代打。しかも、ソロを放てば同点の場面だ。チーム最多の13本塁打を放っている助っ人からすれば、屈辱以外の何ものでもなかった。
先発・千賀の土煙を上げるボール球にすら、バットが空を切る。2打席で6スイング中、バットに当てたのはファウルの1度だけ。四回二死走者なしの第2打席は、すべて外角低めにボール球を投げられ、手を出す始末。最後はワンバウンドのフォークに、投手方向に動きながらスイングする迷走ぶりだった。
自己ワーストの7打席連続三振を喫すると、自らにブチ切れた。地面を蹴りながら引き揚げ、ベンチ内でバットを激しく叩きつけた。五回の守備につく際も怒りは収まっておらず、西岡になだめられるほど。再び冷静に打席に立てる状態ではなかった。