アウシュビッツ元看守、94歳被告に禁錮5年判決
【ベルリン中西啓介】ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)が行われたアウシュビッツ収容所で看守として勤務し、虐殺に関与したとして殺人ほう助罪に問われたナチス親衛隊(SS)元隊員、ラインホルト・ハニング被告(94)に対する判決公判が17日、独北西部デトモルトの地方裁判所であり、同地裁は禁錮5年(求刑同6年)を言い渡した。
判決によると、ハニング被告は看守として2年半、アウシュビッツ収容所に勤務し、少なくとも17万人の殺害をほう助した。被告は4月の公判で「違法な行為に反対しなかった自分を恥じている」と話す一方、虐殺への関与は否定していた。
ドイツでは2011年、虐殺への関与を示す証拠がない元看守に、殺人ほう助罪で有罪判決が出た。それ以降、証拠の見直しが行われ、虐殺への関与を示す証拠がない場合でも同罪を適用し元看守らを追及する動きが広がった。
昨年7月には当時94歳の元収容所職員に有罪判決が出た。来月には、元SS衛生兵だった男性(95)に対する裁判が始まる可能性がある。