(百歳の徹子さん)8時15分です。
(アヒルの鳴きマネ)
(徹子)はいどうぞ。
フフフッ。
(パンダ)始まるよ〜始まるってば。
あっ始まったの?あっ本当だ。
「新年明けましておめでとうございます。
『徹子の部屋』でございます」。
兄ちゃん兄ちゃん。
え〜っとですね新春という事で今日は特別なゲスト。
あの私のお兄ちゃん渥美清さん。
本名は田所康雄さん来て頂いております。
どうぞ。
明けましておめでとうございます。
「本年もよろしくお願い致します」。
(渥美)「よろしくお願いします」。
あっ渥美さんと私昔あの…噂になった事があったじゃない?
(渥美)ありましたね。
週刊誌に載る時ね渥美さんの写真がないらしくっていつもねちんどん屋さんの格好した写真がほらほらこれ。
こちら。
フフフッかわいい。
フフフフッ。
(渥美)おかしかったね。
私このころ随分渥美さんにひどい事言ったんですって?あ〜ひどい事言ったね。
あなた僕の事別の人種だと思ってね「どこ?浅草?やだ」とかね。
そんな事言った?ええ。
あなたみたいな人に会った事ないから。
トットちゃんにしても渥美さんみたいな人会った事なかった
どうも渥美でございます!どうも。
おはようございま〜す。
え〜っと靴がこれだから…。
あの靴…。
そうだよ…。
土足で上がっちゃいけねえな。
ん?何だこりゃ。
ええ?何だよ…。
(伊集院)はいカメラ通りますよ。
はいそろそろドライいきますよ!ご準備の方よろしいでしょうか?ごきげんよう!
(伊集院)はいカメラ通りますよ!ごきげんよう!よろしいんですよ靴のままで。
あのね恐れ入りますがちょっとどいて頂けます?何だ?「どいて頂けます?」。
何言ってんだこのアマ!アマ…。
(渥美)しゃらくせえシャツなんか着やがって!何?シャツ?あなたブラウスっていうんですのよ。
何!?ブラウス。
(伊集院)黒柳さん入られますよ。
逃げやがったチクショー!おい!ねえ不思議な方がいるの。
下町出身の渥美さんは山の手風の育ち方をしていたトットちゃんとは正反対。
でもテレビの世界では同級生だった。
今日はトットちゃんが兄ちゃんと呼んでいた渥美清さんのお話
「じゃあそれではCMでございます。
と見せかけて…」。
「トットてれび」。
(アヒルの鳴きマネ)ハッうんう〜ん!
(伊集院)さっそろそろドライいきますよ。
はいお願いします。
ドライ?
(伊集院)ドライ5秒前!432…。
(大声で)「テツ子さ〜ん!好きです!俺はあんたを幸せにすっから一緒に所帯持ってくれ!」。
(伊集院)はい一回止めましょう。
渥美さんね声がでかいよ。
何だとコノヤロー!
(伊集院)いやいや…。
マイクでちゃんと声とってますから。
おかしいな…浅草のストリップ劇場じゃどれだけ声が通るかが勝負だったのにな。
ストリップ劇場?
(伊集院)もう一回いきますから。
何だコノヤロー。
戻って下さい。
分かってんだよ!432…。
「テツ子さん好きです!」。
「まあ!」。
「俺はあんたを幸せにすっから一緒に所帯持ってくれ」。
「そんな…」。
「家なし車なしババアありの今はしがねえコックだがそのうち…」。
ちょっとあなた。
私ここなんですけれども…。
ねえ!
(伊集院)はいカット!言い忘れました。
カメラ見ちゃいけないんだ。
何でだよ!国民へのプロポーズじゃない。
カメラ見ちゃいけねえって俺を撮んのがあんたらの仕事だろうがよ!
兄ちゃんは舞台とまるで勝手の違うテレビの世界で悪戦苦闘していた
何だよ…。
何?ねえちょっとこんなねきれいな物語があるのよ。
ねえこんなきれいな物語があるの!あのね現場ですぐに「コノヤロー」なんか言ってないで読んでごらんなさいな。
え?読んでごらんなさいな。
きれいに拭いて。
読んでごらんなさいな。
おい。
え?小学5〜6年?チッ。
バカヤロー。
「そりゃもうあたくしあなたがすきなんです。
あなたがそれをちっとも知らなかったのはあたくしがわるかったんです。
でもそんなことどうでもいいことですわ。
あたくしもそうでしたけどあなたもやっぱりおばかさんだったの」。
チッ。
「おしあわ…」。
はあ〜何が「星の王子さま」だ。
あ〜駄目。
頭痛い。
「渥美渥美渥美清でございます。
渥美でございます」。
(伊集院)はいオッケー!おっと!あなた駄目!あなた一生結婚できないわよ!何で?あのね収録が終わったら待っててねって言ったでしょ?みんなで一緒にごはん食べに行きましょって。
だっていくら待ってても来ねえから先行っただけだよ。
いい?あなただけよ。
え?え?待ってないで先にスッと行っちゃったのは。
のり平さんだってエリックだってみ〜んなみんな待ってたのに!あなたは駄目!あなたについていく女はなし!ちょっと…。
いい?今日は絶対待っててよ!ちょっとどっちなんだよ。
待ってるの?先行って…。
分かんないね女心は。
分かんねえ。
「心で見なくちゃものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは目に見えないんだよ」。
(王さん)お待ち遠さま!北京ダックの…ダック抜き!包むやつだけだよ。
まあ斬新。
ちょっと待って。
1234…。
1人3個半ね。
(伊集院)3個半皮?包むやつ。
(渥美)今に俺が森繁みてえなスターになってダック抜きじゃない北京ダック腹いっぱいお嬢さんに食わしてやるよ。
ありがとうお兄ちゃん!「お兄ちゃん」?兄ちゃんでいいよ。
兄ちゃんありがとう。
ちょっとお嬢ちゃんとか兄ちゃんとか何です?・「知床の岬に」
現場で苦労を共にするうちにいつからか兄ちゃんと呼ぶくらい仲よくなった
・「俺たち」
(王さん)あっ!
(森繁のモノマネで)チャック。
渥美さん!
(森繁のモノマネで)一回どうだね?
(王さん)渥美さん。
渥美さん!うるせえなコノヤロー。
渥美さん!…先生!あっイタッ!
(森繁)人のモノマネばっかりしてても大成しませんよ。
(渥美)はい失礼致しました!それからね例の…。
あなた方ね噂になるほど仲がいいのは結構だけどもこんな写真しかなかったのかね?フフフフフッ!ちんどん屋さん!何ですか?この写真!恥ずかしいですね。
(笑い声)
それからしばらくして兄ちゃんはあの役で国民的なスターになった
面白かった!楽しかった!よっ寅さん!こっち向いて!大人2枚。
「私生まれも育ちも飾柴又です。
帝釈天でうぶ湯を使い姓は車名は寅次郎。
人呼んでフーテンの寅と発します」。
いらっしゃいませ!間もなく上映始まります。
どうぞいらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ入場券お切りします!いらっしゃいませ!入んないんですか?ええ。
お立ち見になりますよ!いらっしゃいませ〜!まあおっきい!あら。
おっきいのね随分。
お兄ちゃん。
あらごめんなさい。
ハハハハッ偽者ね。
拝見しました。
はい。
黒柳徹子!あなたあなた。
私ねこの方と待ち合わせしてるんですけれどもまだいらしてない?いらっしゃってない?あ〜渥美清!あらお兄ちゃん!どうしてそんな格好してるの?いやいや…。
新年明けましておめでとうございます。
あのね誘ってくれてね私とってもうれしいのよ。
あ〜ありがとう。
お兄ちゃんありがとう。
こちらでございます。
末永くね末永くよろしくお願い致します。
毎年お正月には「男はつらいよ」を兄ちゃんと一緒に映画館で見るようになった
(笑い声)寅ちゃん今回もよかったわね。
ありがとう。
また夏もお待ちしてます。
あいよ!末永くね。
ありがとうございました。
また来てね〜!あいよ。
あいよ。
ねえお兄ちゃん。
ん?やっぱり試写で見るのと映画館で見るのって違う?そら違うよ。
客がどこで笑うか知りたいんだよ。
あのほら今日家族がメロン食べてて寅が帰ってきて寅のメロンが無かったとこあったでしょ?
(笑い声)あれさ新宿の映画館だとああやってみんな笑うんだよ。
だけど浅草の映画館だと誰も笑わない。
どうして?寅のメロンを取っとくのが当然だろってこう来る訳だ。
あ〜勉強になるんだねえ。
ヘッヘッヘッ。
寅さん!
(歓声)おう!あいよ!
兄ちゃんは小さな目で世の中と人生を誰よりも深くしっかりと見つめていたのだ
渥美さん。
結構前から来てたようちに。
ちょっと久しぶりだけどね。
あっ平仮名なんだね。
ありがとう!ありがとね!ありがとう!うれしそう。
お待ち遠さまでした〜。
はいお待たせしました〜!北京ダックのダック入り!うわ!つまり普通の北京ダック!
(拍手)ちょっと待って!ちょっと待って!12345678910…。
(笑い声)1人15枚ずつね。
(笑い声)お嬢さんいいから好きなだけ腹いっぱいおあがんなさい。
ダックありの普通の北京ダック。
うれしい。
お兄ちゃん昔の約束覚えててくれたのね。
(王さん)ダック載せて。
ダック載せて。
ねぎ載せて。
ねぎね。
きゅうりも載せて。
はいそれでいい。
みそつけて。
そう。
はい巻いて巻いて!巻いちゃいます。
フフフフフッ!
(王さん)巻いて巻いて!巻いて。
頂きます!変わらないねえお嬢さんの食べっぷりは。
ハハハッ。
私の事ねいつまでもお嬢さんって呼ぶのお兄ちゃんだけよ。
何を?フフフフッ。
そうかい。
おいしい。
おいしい?うん。
おいしい。
おいしい?うん。
(渥美)うまいねえ。
上手だね。
運転ね好きなの。
送ってもらっちまってすまないね。
お兄ちゃん家ではどんなお父さんなの?うん。
家に帰ったら必ず玄関で奥さんを抱くね。
えっあらまあそう。
子どもたちはそれを見ると安心した顔になるからね。
へえ〜。
いいご家族ね。
あっこの辺りで止めてくれるかい?おっ上手だね。
ごめんなさいね。
運転ね好きなの。
(渥美)そうかい。
あらお兄ちゃんちょっと…家どこ?ねえ送るわよ。
いいんだここで。
ありがとう。
送る。
送るの。
送るわよ。
ねっ?おうちの場所も教えてくれないなんて。
ハハハッ。
お兄ちゃんの秘密主義者!お嬢さんはいつも元気ですねえ。
まあ。
元気が一番。
じゃ。
フフッ。
送るわよ。
うん。
いい一年をねお兄ちゃん。
おうちぐらい教えてくれたっていいじゃない。
秘密主義者。
まっまたまたまたまたほら。
また。
あ〜また!ほらまた!ああほらまた!ほら。
ちょっとね運転手さん今はね思いついちゃったんですけどあの…。
時は流れ平成6年。
トットちゃんは「男はつらいよ」の撮影風景を一度も見た事がないと気付き行ってみる事にした
まあこんにちは。
フフフフフッ。
まあこんにちは本当。
私ね今回のヒロインなんですよ本当に。
あめ玉入ってるんですか?あめ玉も入っててヒロインなの。
あっどうも。
あなたどなた?制作部…。
あっ本当。
渥美さん?そうお兄ちゃん捜してるの。
あなたちょっと近いわね。
あら!まあ!
(渥美)お嬢さん!あっお兄ちゃん!よく来たね。
変わった方にね連れてきて頂いたの。
そうかい。
おなかすいてない?すいたよ。
行こう。
行こうか。
お兄ちゃん寅さんみたい。
え?そうだよ。
(渥美)こちらの大食いのお嬢さんに天ぷらそば追加してやって。
違うのよ私。
大食いじゃないのよ私。
あのね人より余計に話すからだからねちょっとね栄養が必要なの。
小食なんですから本当。
もうちょっと。
昔のお兄ちゃんと変わらないわね。
いっつも「腹いっぱい食わせてやるからな」って言ってたもんね。
「ぼくはあの星のなかの一つに住むんだ」。
え?「その一つの星のなかで笑うんだ」。
「きみはいまにかなしくなくなったらぼくと知り合いになってよかったと思うよ」。
「きみはどんなときにもぼくの友だちなんだから」。
フフフフッ。
ねえそれ「星の王子さま」でしょう?ああ。
お嬢さんにもらった「星の王子さま」の本まだうちにあるよ。
私本なんかあげた?何だ忘れちまったのかい?ええ。
「こんなきれいな話だってあるのよ。
すぐ『コノヤロー』なんて言ってないで本ぐらい読みなさいよ!」って。
あらそう。
私そんな事言った?
(渥美)ああ。
あっそう。
ねえ。
(渥美)うん?お兄ちゃん今でも帰ったら玄関で奥さん抱いてる?うん。
子どもたちは?もう大きいから「ふん」て顔して自分の部屋に帰っていくよ。
ふ〜ん。
そういえばさどうしてずっとお返事くれなかったの?私2か月も前から葉書書いたり留守番電話入れたりしてたのよ。
すまなかったね。
ちょっといろいろあって。
いろいろって何よ?言いなさいよこの秘密主義者!あっ!奥さんにも誰にも言えない所に行ってたんでしょう?え?ねえ。
温泉なんか行ってたんでしょう?女連れて。
絶対そうでしょ?ハハハハハハッ!笑ってごまかそうったってそうはいかないわよ!何?フフフッ。
お嬢さんあなたは本当にバカですね。
どうして?温泉なんか行ってませんよ。
じゃあどこ行ってたのよ。
外国へは行ってないはずだから絶対温泉よ。
ハハハハハッ!女連れて。
ねえ。
外国へは行ってないはずだから。
ねっ温泉でしょ?女連れて行ってたんでしょ?ねえ。
そんな顔して温泉なんか行って。
フフフフッ。
ねえ。
ハハハハッ。
あ〜あ…。
何で兄ちゃんがあんなに笑ったのかあとになって分かった
女いるんでしょ?ハハハハッ。
いるんでしょ?ねえ。
お待たせしました。
渥美さんお願いします。
ハハハハハッ。
あら行っちゃうの?お返事しないで?また?じゃあ。
また2か月待つの?
(渥美)ハハハハハハッ!な〜に?お兄ちゃん!お嬢さんはいつも元気ですね。
はい。
フフッ。
(渥美)元気が一番!フフフフフッ。
男はつらいよね。
女もつらいよ。
女だってつらいよ。
女だってつらいよでございます。
あれが兄ちゃんと会った最後だった
(渥美)「ぼくはあの星のなかの一つに住むんだ。
その一つの星のなかで笑うんだ。
だからきみが夜空をながめたら星がみんな笑ってるように見えるだろう。
するときみだけが笑い上戸の星を見るわけさ」。
(渥美)「それにきみはいまにかなしくなくなったら…」。
留守電
(渥美)お嬢さん元気ですか?僕はもう駄目ですけどお嬢さんは元気でいて下さい。
・
(「ピ〜ッ」という音)留守電
(渥美)お嬢さん元気ですか?僕はもう駄目ですけどお嬢さんは元気でいて下さい。
・
(「ピ〜ッ」という音)留守電
(渥美)お嬢さん元気ですか?僕はもう駄目ですけどお嬢さんは元気でいて下さい。
(渥美)お嬢さん元気ですか?僕はもう駄目ですけどお嬢さんは元気でいて下さい。
(正子)徹子さんが撮影所に来て下さった頃には主人はもう家では寝たきりで仕事場でも笑って話す事はありませんでした。
きっと涙が出るくらいうれしい瞬間だったと思います。
主人をそんなに笑わせて下さってありがとうございました。
(渥美)お嬢さん。
お兄ちゃん…。
これほど長いつきあいなのにこれっぽっちも俺の病気に気が付かなかったのかい?
(渥美)これほど見事にだまされてくれたのはお嬢さんだけだ。
本当にバカだねえお嬢さんは。
ハハハッ。
お兄ちゃん。
ハハハハハッ。
兄ちゃんは本当に最後までず〜っとトットちゃんのお兄ちゃんだった
私テレビジョンで渥美清さんと出会いました黒柳徹子と申します。
一家に一台ちょいとうるさいけれど丈夫で長もち!そのうち使いたくても使えねえ女になりますぞ!どうです?どうです?皆さん。
泣いてたまるか!
(アヒルの鳴きマネ)森繁さん。
あれ?おしっこ。
最終回はトットちゃんと森繁久彌さんの話。
8時15分だよ!全員集合!
2016/06/16(木) 16:20〜16:50
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ トットてれび(6)[解][字][再]
徹子(満島ひかり)と渥美清(中村獅童)はケンカを繰り返しながら、次第に息の合ったコンビになっていく。「兄ちゃん」「お嬢さん」と呼び合った2人の交流を描く。
詳細情報
番組内容
徹子(満島ひかり)と渥美清(中村獅童)は顔を合わせればケンカを繰り返していた。しかし浅草育ちの渥美が慣れないテレビの世界で悪戦苦闘する姿を見て、徹子は親しみを覚える。「夢であいましょう」で息の合ったコントを演じる2人の仲は噂になり、マスコミにも書きたてられる。渥美が「寅さん」で大スターになってからも2人の交流は変わらなかった。「兄ちゃん」「お嬢さん」と呼び合った2人の、出会いから別れまでを描く。
出演者
【出演】満島ひかり,中村獅童,濱田岳,松重豊,吉田鋼太郎,黒柳徹子,【語り】小泉今日子
原作・脚本
【原作】黒柳徹子,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】大友良英,Sachiko M
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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