土曜ドラマ トットてれび(7)(最終回) 2016.06.18


(百歳の徹子さん)8時15分です。
(徹子)ここまで随分楽しい時を過ごしてまいりましたがどうにかこうにかね。
ここで私の大好きな歌を歌って頂こうと思います。
(パンダ)
今日の「徹子の部屋」…じゃなかった。
「トットてれび」は森繁久彌さんの大ヒット曲「知床旅情」からスタートです
(森繁)随分むちゃな展開だね。
・「知床の岬に」え〜っとねホースを1つ頂戴。
いらっしゃいませ。
はいじゃあ1,000円ね。
おばあちゃんすてきな髪形だね。
一回どう?今度ね。

それから25年後の「徹子の部屋」
森繁先生入られま〜す!
(プロデューサー)こちらです。
スペシャルゲストはやはり森繁さん
(プロデューサー)足元気を付けて下さい。
森繁さん。
おはようございます。
よろしくお願い致します。
本番5秒前!432…!テーマ。
本番入りました。
「21世紀に入って1か月がたちました。
今日2月2日で『徹子の部屋』は25周年を迎えます。
25年目の今日初めてのゲスト第1回目のゲストと同じく森繁久彌さんでございます」。
「トットてれび」いよいよ最終回
(百歳の徹子さん)一回どう?第1回目のゲストに森繁さんが来て頂いた事でこの番組は長く続けてこられたような気がするんですよ本当。
本当に感謝しております。
森繁さんあのね初めてお会いした頃の事覚えていらっしゃいます?あのね私のね森繁さんの第一印象は近所のちょっとエッチなおじさんだったんですよ。
覚えていらっしゃらない?ほらNHKで…。
フフッ覚えてないかしら?
いつもユーモアたっぷりの会話で楽しませてくれる森繁さんだがこの日は様子が少し違っていた
懐かしいね。
フフッそうね。
あのころのテレビは全て生放送でございました。
はい。
カンペの話いくよ。
セリフを覚えてこないという事で有名で…。
ねえこれ何?
(渥美)森繁先生のカンペか。
その後ろのも。
ご苦労なこったねえ。
まっこんな大事なシーンの大事なセリフも覚えないなんて…。
(森繁)さっさと終わらせてごはん食べに行こうね。
(伊集院)おはようございます!
(一同)おはようございます!おはようございます。
出来た?
(伊集院)はい。
あ〜やれやれ…長いねえ。
森繁さん。
チャック一回どう?「一回どう?一回どう?」ってそんなね不真面目な事ばっかりおっしゃってないで一回どう?カンニングなしで演技なさったらどう?一回どう?分かった分かった。
間もなく放送入りますよ!各部スタンバイお願いします!よろしくお願いします。
ほらついたてないじゃない。
ついたて。
森繁さんの役は有名な将棋士阪田三。
この日は三が苦労をかけた奥さんへの思いを語るクライマックスシーンだった
はいついたてオッケーです!
(カメラマン)おい!おいおい!何だそれは。
どけろ。
はい。
(カメラマン)そうだよお前。
(伊集院)よろしくお願いします。
5秒前!432!「あっ三はんやないか!小春はんもさあ座ってんか」。
「おやじ冷やや」。
「へい!」。
「こんばんは」。
「おう」。
(渥美)「明日いよいよ東京で大勝負でんな!さんざん苦労かけた小春はんのためにも何が何でも勝つんやで」。
(小声で)ついたて…。
(大声で)ついたて!
(伊集院)え〜!ついたて知ってます?ついたて。
ついたてここにあったやつ。
(カメラマン)片づけたよ。
邪魔だろうが。
捜すぞ!「小春はんに東京行く前になんぼ伝える事あるんとちゃうんか?なあ三はん」。
「あんたほら何とか言うてんか?」。
固まっちゃってるもんな。
どうしようもう…。
「何とか言うてんか?何かあるやろ」。
あった!あった!「小春お前はわいには出来過ぎた女房や。
お前わいが将棋やめる言うた時こう言うたな。
『指しなはれ。
そのかわり将棋一本で食うていけるような一人前の将棋指しになんなはれ。
わても一緒に苦労しまっせ。
しゃあない!夫婦やもんな!小春見とけよ。
わいはなわいはな…日本一の将棋指しになったるさかいな!」。
「あんた…」。
撮ってんのかよあんた。
泣いてんじゃねえよ。
まあね本番中は本当に大変だったんですけれどもあのあと放送のあとにね視聴者の方から森繁さんの演技に大変感動したと感想が届いてNHKの方にたくさん届いたんですって。
それでねカンニングをしてもね人の心をこんなに動かす事ができるんだって私本当にすごいと思いました!すごいって思いました!何か言わなきゃいかんのかい?森繁さんほとんど聞こえてないんじゃないのかな。
いやそんな事ないよ。
さっき挨拶したから。
本当?「おとぼけなさってるのか分かりませんけれど。
森繁さんねっ聞いてらっしゃる?」。
森繁さんは深く考える話は面倒だという雰囲気だった。
トットちゃんは年を取るとはこういう事なのだろうと思った
・「待って待って待っているのよ」・「独りでいるわ」・「さようならさようなら」王さんあんたも一緒に歌おうよ。
「ねえ森繁さん88年の人生を振り返ってどんな人生だったとお思いになられます?」。
「人生なんて半分嘘みたいなもんだからね。
あなたね老人ホームあなた一緒に入りませんか?」。
「入りませんよ老人ホームなんて」。
話が違う方向行っちゃってるな。
(せきこみ)まあ大丈夫かしら。
そんな老人のマネをして…。
森繁さんね私たちには長い間大事にしてる約束がございますでしょ?
昭和53年テレビ放送開始25周年の記念番組でトットちゃんは森繁さんと共演する事になった
お二人にはですねこちらの方で朗読の方をして頂きたいと思っております。
そうですね我々がテレビジョンと呼ばれてた頃からテレビを始めて以来25年。
こう一つ一つの番組に懸けてきた情熱を…。
面白くないね。
え?テレビはね面白くなくちゃ。
ええおっしゃるとおりです。
このね25っていうのがね…。
(伊集院)はい。
(森繁)これがね中途半端なんだなあ。
中途半端…。
25はもう。
(森繁)これね…50でいこうよ。
5…え?50周年!という事は私が70で森繁さんが…。
90だね!あっいいわね!フフフッ。
いいじゃない。
いいかな?いや25周年の番組…。
じゃあ70歳の私と90歳の森繁さんで一緒にコントやりましょうよ。
(森繁)あ〜いいね。
それもねお客さんの前で!いいね!それどっかの大ホール貸し切って。
あっそうしましょうよ。
(森繁)スケールでっかくいこうよ!じゃあ生でいきましょうよ。
生だよ。
(森繁)テレビは生と決まっとるからね。
よしやろうやろう!昔っからああなんだよ。
あ〜やだなこの人たちとの生。
321…放送入りました。
(拍手)「去る昭和28年2月1日午後2時NHK東京テレビジョンが本放送を開始致しましてから今年で25周年を迎える事になりました」。
こうして2人にとって思い出深い番組が幕を開けた

(歌声)間もなくコント入りますよ。
はいコント入った。
70歳のトットちゃん90歳の森繁さんによるコントテレビ50周年も実現した
「まあね森繁さん。
テレビが始まって25周年の時にNHKに出させて頂いてからもう25年ですよ」。
(笑い)「あなたあの…いつからお茶を蓋で召し上がりになるようになったんでございましょう」。
「あのね…お弁当は出ましたかねそん時」。
「お弁当はちょっと…出ませんでございましたね」。
「あっそう?」。
「幸せじゃございませんか。
私が70あなたが90になってもまだテレビに出させて頂けるなんて」。
(拍手)「僕のねウナギのお弁当まだ〜?」。
(笑い)「お弁当〜お弁当」。
「こんなに笑って頂いてね。
ほら森繁さん」。
「お弁当ない?」。
「お弁当がなくても…」。
「『弁当ないです』ってやかましいわ」。
「森繁さんどうしちゃったの」。
「あ…おしっこ」。
(笑い)
(森繁)「おしっこ」。
「おしっこ」っつってる?この人。
駄目だよおしっこは先生。
(柝の音)「おまえさんよ。
こうして改めて見つめてみると四角い不思議な顔をしたおまえさんよ。
おまえさんにはたんと泣かされた。
キーキー笑わされた。
ドキッとさせられた。
一緒に歌を歌った」。
「正直つまらないおまえさんにフンと思った事もある。
私はこれから先もっとすばらしいおまえさんに会えるだろうと思っている」。
(拍手)森繁さん。
テレビ50周年の時もねNHKに頼んで出して頂きましょうよ。
25年後。
いいね。
フフフフッそのためには現役でいなきゃね。
頑張りましょうね。
うん。
約束。
ね?森繁さんもうすぐ50周年ですよ。
ねっあと2年ですから。
それまでは現役でいて頂かないと。
ねっ約束したでしょ?大体私がこうして生きてる事がおかしいんだ。
「おめでたい日なのでねおめでたいお話をして頂きたいなと思っていたんですけれども」。
友達がみんな逝っちゃった。
ええそうですね。
のり平も清も向田さんも…。
(森繁)「みんなねあっちでおいでおいでってしてるんだよ」。
「あの…今日はそういったお話をなさりたいんですか?森繁さん」。
森繁さんそういったお話を?ここで一旦CMです。
VTR止めて下さい。
VTRを止めて下さい。
「VTR止めて下さい。
VTRを止めて下さい」。
徹子さん収録止めちゃったよ。
森繁さんあのねちゃんとやって頂かないと困るんです!ねっ森繁さん。
森繁久彌という俳優がねどんなに魅力的でねどんなにすてきかっていう事をねみんなに知って頂きたいのにねそれじゃ放送できません!こんなのねテレビじゃありませんよ。
森繁さんご存じかと思いますけど「徹子の部屋」はね生と同じであのね編集しないで放送しているんです。
テレビは生!ねっそうでしょ?私森繁さんに教えて頂いたんですよ。
今日のじゃ面白くありませんよ。
ねえ面白くないの。
面白くないですよ。
少しお時間を置きましょうか。
はい。
そう致しましょうか。
ねっ。
ごめんなさいね皆さんね。
本当に。
一曲いいかい?あなたが好きだった僕が作ったあなた好きなあの歌だよ。
随分むちゃな展開ですけれども…。
お願い致しましょうか。
「ここで森繁久彌さんに一曲ね歌って頂けるみたいですので。
『知床旅情』」。
・「知床の岬に」・「はまなすの咲く頃」・「思い出しておくれ」・「俺たちのことを」・「飲んで騒いで」・「丘に登れば」・「はるかクナシリに」・「白夜は明ける」・「別れの日は来た」・「ラウスの村にも」・「君は出てゆく」・「峠を越えて」・「忘れちゃいやだよ」・「気まぐれ烏さん」・「私を泣かすな」・「白いかもめよ」・「私を泣かすな」・「白いかもめよ」
(森繁)・「私を泣かすな」・「白いかもめよ」・「私を泣かすな」・「白いかもめよ」
(拍手)随分あの…いい歌声で。
森繁さんありがとうございますね。
それからしばらくして…
(クラクション)大きい。
フフフフフッ!森繁さん何してるの?何してるの?うん?何何?まあまああら!
(森繁)あのね一回どう?また今度。
あなたね「また今度また今度」ってしわくちゃになってからじゃ嫌ですよ。
私だって嫌ですよ。
(クラクション)森繁さんねっまた今度。
またね。
ねっごきげんよう。
また今度ね。
ごきげんよう。

これがトットちゃんと森繁さんの最後の会話になった。
あの時森繁さんは90歳

「一回どう?」と半世紀もかけて一つのジョークを言い続けてくれたのは森繁さんの粋だった

あんなに面白い人たちがもう死んでしまっているというのはやっぱり悲しいものだ
でもトットちゃんは逆に死ぬのは怖くないとも感じている。
あんなにすごい人たちみんなが体験した事なのだから

マンモスの夢を見るとよい事が起こるというのがトットちゃんの得意な話だった
(大きな足音)
(鳴き声)まあ本当!あら上手ね!夢じゃない。
あっ何か食べてくかい?肉だんご!肉だんごね!「ベストテン」!「ベストテン」!
(一同)「ザ・ベストテン」!新橋駅前からお送りしております。
「ザ・ベストテン」でございますけれどもオープニングに始まりました。
どなたが出てくるんでしょうか皆さんね。
どうぞ。
あら!まあ百歳じゃない!あらあなたおいくつ?ねえおいくつ?あなた。
(黒柳さん)私はね今の今日の私です。
あっ本当。
あなたはおいくつ?
(7歳の徹子)私も今日の私です。
私も今日の私なんですけどね。
山!川!空!
(3人)追いかけます。
お出かけならばどこまでも。
(拍手)
(徹子)でねそれでそれであの百歳の私はどこに行ったの?いや私ね前からねずっと百歳になるのは難しいって言われてたんですよ。
でも私NHKの「タンタンタンターン」っていうね7時の時報あの時に座っててお座布団に百歳になったら。
そして「タンタンタンターン」っておじぎすると皆さんが「あら百になってもまだ生きてるわ明日も見よう」ってそういうふうにお思いになると思ってね。
それやりたいと思ってたらばそのプロデューサー亡くなっちゃって。
だからどうしていいか分かんなくて。
それで現在に戻ってきたって訳なの。
時報の8時15分の時報できたじゃない。
そうですそうです。
ウエッ。
それではまいりましょう。
こちらね。
あらすごい。
(7歳の徹子)今週の第1位!
(王さん)あっやった!「知床旅情」!
(3人)ないないない。
(王さん)あるあるあるよ!森繁さ〜ん!
(7歳の徹子)また今度ね!また今度!また今度!また今度ね。
また今度ね。
本当の第1位!1位です!1位1位!
(黒柳さん)1位は…。
(徹子)楽しみ!
(7歳の徹子)「出発の歌」!
(3人)あるあるある!それじゃあ皆さんご一緒に。
(徹子)どうぞ!・「さあさあ出発だ」・「さあさあお別れだ」・「さあさあ出発だ」
(森繁)一回どう?・「さあさあお別れだ」
(森繁)あなた一回どう?
(渥美)お嬢さんはいつもお元気ですね。
・「さよならさよならたくさんいって」・「元気に元気に出発だ」・「さあさあ出発だ」・「さあさあ出発だ」・「お別れは悲しいけれど」・「出発は嬉しいな」・「さよならさよならたくさんいって」・「元気に元気に出発だ」・「さあさあ出発だ」・「さあさあ出発だ」
(拍手)間もなく8時44分で〜す!
(ブザー)
(徹子)あなたまだ駄目。
出てこないでよ。
「え?いやもう終わりますから。
何言ってんの」。
どいてどいて。
「はい終わりです。
はい終わりま〜す。
あっ!」。
(一同)8765…!
(徹子)8時44分です!2016/06/18(土) 20:15〜20:45
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ トットてれび(7)[終][解][字]

徹子(満島ひかり)は森繁久彌(吉田鋼太郎)の大胆なカンニングにあきれるが、その圧倒的な演技力に感動する。「テレビの同期生」徹子と森繁の半世紀にわたる交流を描く。

詳細情報
番組内容
徹子(黒柳徹子)にとって森繁久彌(吉田鋼太郎)の第一印象は「ちょっとエッチなおじさん」だった。森繁は大事なシーンでもセリフを憶えず、大胆なカンニングをして徹子をあきれさせる。しかしその圧倒的な演技力に徹子は感動する。時は流れ88歳になった森繁は「徹子の部屋」に出演する。やる気のない森繁を見かねた徹子は「こんな森繁さん見たくない」と叱る。「テレビの同期生」徹子と森繁の半世紀にわたる交流を描く。
出演者
【出演】満島ひかり,中村獅童,ミムラ,濱田岳,松重豊,吉田鋼太郎,黒柳徹子,【語り】小泉今日子
原作・脚本
【原作】黒柳徹子,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】大友良英,Sachiko M

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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