ギャグ? ★★★★★
恐怖度 ★
結論:俊雄くんが可愛くない!(涙)
2016年 日本
監督:白石晃士
※ストーリー、ラストのネタバレあり。未視聴の方はご注意ください!
※あらすじや感想だけ読みたい人は目次から。
目次
VSにおける貞子と伽耶子の設定
貞子
1998年の『リング』、及び2012年の『貞子3D』とは一切関係がない。
今作独自の設定では
・呪いのビデオが90年代の有名な都市伝説となっている。
・呪いのビデオを見たものは2日以内に必ず死ぬ。
・ビデオを見ると貞子から電話がかかってくる(人によっては同じタイミングで貞子の姿を目撃する)。
・呪いの回避方法は「ビデオを他人に渡す」といった噂がある程度。
・貞子はビデオを見た人間の体内に取り憑いている
となっており、
貞子という女の幽霊の呪いであることが周知の事実となっている。
また、重要だった「ダビングして見せる」という呪いの解決方法は登場しない。
このほか貞子の能力も大幅にパワーアップしていて
・呪いによって死ぬ=自分で自分の首をナイフで刺すといった通常ではありえない方法で自殺する(リングでは心臓発作)。
・貞子が髪の毛を使って人を殺す。
・お祓いなど、呪いをジャマする人間は操って殺す。
・呪いで死ぬ前に自殺しようとすると、制限時間前であっても殺しに来る。
と、完全に『リング』設定とは別物になっているので注意が必要。特に『自殺できない』という設定は今作で非常に重要なファクターとなっている。
伽耶子
2003年の劇場版『呪怨』との関連はない(そのため家も違う)。
「父親が妻と息子を殺した後に自殺している」ことになっており、劇場版とは違い夫の剛雄は登場しない。
近所では引っ越してきた家族が全員死んでいる「幽霊屋敷」と噂されており、随分長い間空き家になっているらしい。
また、今作では「家に入った人間」は家から出る前に即殺している。
俊雄
劇場版では失踪扱いになっていた俊雄だが、今作の死因は「父親に風呂場で溺死させられた」というハリウッドリメイク版の設定が使われている。
また、単に猫の声で鳴くだけだった劇場版とは違い、自ら首に飛びついてそのまま引き伸ばして殺すなど大分アグレッシブになっている。
登場人物紹介
■倉橋有里(演:山本美月)
主人公の大学生。
夏美にVHSをDVDに焼くようにお願いされた。「今時ビデオデッキ使ってる人なんていない」という全俺を敵に回す発言をする。今だに現役じゃボケェ!!
■上野夏美(演:佐津川愛美)
有里の親友。
両親の結婚記念日祝いに、思い出の結婚式のビデオをDVDにして実家に送ろうとしてたが、それがきっかけで「呪いのビデオ」を見てしまう。死の恐怖と絶望で脳みそをやられてしまったのか、呪いの動画をネットにアップロードするという暴挙に出る。機械音痴とは何だったのか。
その後、「一人で死ぬのは怖いからそこで見てて・・・」と有里に告げ自殺しようとするも、まだ期限前にも関わらず、現れた貞子に呪い殺される。
■高木鈴花(演:玉城ティナ)
伽耶子のお家の隣に越してきてしまった不幸な女子高生。
引越し初日からあとあと犠牲者となる少年の幻覚を見るなど強い霊感を持っていたためか、わざと伽耶子宅に入るよう仕向けられた。
■常磐経蔵(演:安藤政信)
今作のキーマン。
口も態度も悪いが凄腕の霊能者で、指をシュッシュと切るだけで俊雄も貞子も追っ払える。
■珠緒(演:菊池麻衣)
毒舌少女たまおちゃん。
全身を赤でコーディネートしている盲目の少女で、経蔵の相棒。彼女もまた強い霊感を持っている。
■森繁新一(演:甲本雅裕)
都市伝説(特に呪いのビデオ)について研究している大学の講師。
重度の貞子厨。3Dの柏田といい、どいつもこいつも・・・
貞子に会いたくて会いたくて、例え死ぬことになっても構わないと、自ら望んで呪いのビデオを見た。
こいつに夏美がダビングして見せていれば、この映画は30分で終わっていただろう。
最後まで貞子に会うことを切望していたが、志半ばでリタイアとなった。(しかし彼の死は珠緒曰く「ムダ死に」)
■女霊能者
森繁が紹介してくれた霊能者の女性。
夏美に水をガブガブ飲ませまくったり吐いたらビンタする様子はどうみても拷問。だが腕は確かだったようで夏美の中にいた貞子をちゃんと呼び出した。しかし貞子に操られ、森繁の顔がくぼむほどの頭突きをかまし、互いに死んでしまう。
■貞子
大事なビデオテープを伽耶子に踏まれて激おこ。
■伽耶子
可愛い息子をテレビに引きずりこまれて激おこ。
あらすじ
そいつはアタシの獲物よ!!なストーリー
貞子と伽耶子に(命を)取り合いっこされるという悪夢のようなストーリーだが、一度呪った相手は絶対に自分で殺さないと気が済まない、人を呪うことに命懸けな二大ヒロインがガチンコで戦う展開には大爆笑!!
「アンタどいてそいつ殺せない!!」といわんばかりに俊雄をテレビの中に引きずりこむ貞子や、貞子をズルズルと引きずる伽耶子という荒ぶる展開にツッコミが止まりません。
しかし何よりも驚いたのは、
「この映画はホラー映画なんかじゃねぇ・・・ただのサイキッカーバトル映画だっ!!」
という展開になったこと。
突如現れた寺生まれのTさん・・・ではなくチート霊能力者:経蔵&たまおちゃんコンビの登場により、ホラー臭が消し飛んだ。
霊能力者が登場することは予告で知っていたが、せいぜい映画リングの高山さんレベルだと思ってた。マジ白石監督なめてたわ・・・。
勝手に選ぶ!爆笑シーンベスト3!
人によっては怖いかもしれないが、個人的には爆笑だったシーンを3つご紹介。
3位:俊雄くんによる首ストレッチ(やりすぎ)
俊雄くんが肩に乗ってきて、両手で思い切り首を伸ばしてくれるという地獄のストレッチ。これで鈴花の父ちゃんの首が限界まで伸びた。劇場版のイメージしかないと俊雄の動きが俊敏すぎて笑える。
2位:貞子がメンチ切ったら伽耶子さん爆発
貞子が睨んだら伽耶子さんが爆発霧散した。
どういう理屈だ。
1位:アンタには渡さない!
さっき爆散したのに何事もなかったかのように復活した伽耶子が貞子と再び対面。俊雄の援軍もなし。互いの獲物を巡っての、正真正銘のタイマンである!
「メンチきってんじゃねぇぞ!」
「上等だゴルァ!!」
飛 ん だ
もうダメだ(色々と)。
そして驚愕のラストへ
偉そうに仕切ってた割に作戦が悉く失敗した経蔵。
最後の手段として有里が犠牲になり、その身を貞子と伽耶子に捧げる為に井戸に飛び込む。
そのまま封印のフタをした鈴花だったが、明らかに安っぽいペラペラのフタが役に立つことはなく、案の定あっさりと破られる封印。
実は伽耶子と貞子。
二人は反発しあって消滅したのではなく・・・
「アタシ・・・アンタと一つになる・・・」
「うん・・・///」
※会話は妄想です
なんと彼女たちは混ざり合って、一つの存在に生まれ変わったのだ!!
まさかの合体エンド。
つまりこのシーンは・・・
_人人人人人人人人人_
> フュージョン!ハッ!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
結局有里もムダに死に、経蔵も殺された。
多分残された鈴花たちも死んだのだろう。
夏美によってネットに放たれた呪いの動画にはあの伽耶子ボイスも加わり、新たな呪いは拡散し続けていくのであった・・・
不満点:貞子強すぎない?
呪怨好きの私としては物申さずにはいられない!
ちょっと映画の貞子さん!
伽耶子をノすシーン多すぎやしませんか!?
世界観監修:鈴木光司さんだからって贔屓してませんかぁ~?
大体な!
髪の毛で攻撃すんのは貞子の専売特許じゃねーから!!
そんなん伽耶子だって出来るもんねー!
「呪怨2」でしっかり首吊りさせてますからァー!!
本来なら「家」の外にも移動できる伽耶子さんですが、今回は映画の尺の都合なのか全部家の中だけで完結しちゃったので、貞子の目立ちっぷりに比べ活躍するシーンが少なかったのが個人的に不満でした。
でも有里と鈴花が家に入ってからビデオデッキをテレビに接続するまで待っててくれた伽耶子はマジ親切!
となりの貞子ちゃん 2D<となりの貞子ちゃん 2D> (ドラゴンコミックスエイジ)
- 作者: 井原裕士
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2013/08/24
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
~こんな人にはこの映画はオススメできません~
■子供が犠牲になるのはイヤ!な人
最近の日本のホラーでは珍しく子供にも容赦がない。残酷描写があるわけじゃないが、苦手な人はちょっと注意。
■ホラー映画を見ようとしている人
ホラーを期待してはいけない、絶対にだ。
最後に
みようによってはラストが百合展開にみえませんか?
みえませんね、ハイ。
もう経蔵さん無双過ぎてただの子供向け霊能力バトル映画にィ!なんで原作や従来の作品のファンにはあんまりおすすめしませんが、貞子3Dのノリが好きだという方ならイケると思います。むしろ爆笑。
あくまでパロディの一種として、「貞子と伽耶子が戦ったらどっちが勝つと思う?」という視聴者の疑問に答えたメタ映画だと思って観ましょう!考えたら負けだ。
私は普通の映画館で見ましたが4DXとかでもやるようなので、そっちで見たらまた違う趣きが楽しめたのかもしれません。
↓原作の伽耶子はこちら!
↓貞子はこのぐらい別物。