2016-06-18
アニメと原作のキャラデザが似ているかどうかは些細な問題
アニメのキャラデザが原作小説と違う。その事に不満を感じた経験のある方は沢山いると思います。「SHIROBAKO」でもキャラデザが原作と似ていないアニメは悪いものという風に描かれていましたが、そうしたアニメが必ずしも駄作になるかと言えばそうでもない。
「勇しぶ」や「とらドラ」などキャラの動きが滑らかで表情の変化が豊かな作品も見られますし、「インフィニット・ストラトス」や「ソードアート・オンライン」など商業的に成功している作品も多いんですよね。最近の作品では「この素晴らしい世界に祝福を!」がキャラデザが酷いという前評判の悪さを覆して大成功を収めていました。視聴者からもギャグならむしろあの方が合うと好意的な意見も出る程でした。
そうした光景を目にしているとライトノベルがアニメ化する場合は、原作に似せない方が成功する確率が高い気さえしてきます。ラノベに分類するかは意見が分かれますが「化物語」なんかはそうしたアニメの代表格。
原作のファンからしたらキャラデザは似ている方が好ましいものですが、無理をして似せた代わりに絵が殆んど動かないようではアニメ化した意味が無いですよね。個人的にはアニメは動かしてこそ価値があると思いますし、その為に必要なら無理に原作絵に似せる事は無いと思います。
ラノベとは違い一枚の絵に時間を掛けられないアニメでは、全体の雰囲気が変わらない範囲内で服装の簡略化も大切です。「このすば」ではアクアの服のボタンやダクネスの袖の羽飾りが消されていましたね。ラノベの中には「灰と幻想のグリムガル」や「六花の勇者」みたいにアニメでは難しい線の書き方や色の塗り方をした作品もあるので、その場合は原作絵の再現が出来ないとしてもある程度は仕方が無い。
WORKING’!! 7(完全生産限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: Blu-ray
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
アニメーターは他人の絵に合わせるのも仕事ではありますが、自分の描き慣れた絵の方が効率は上がるものですから、効率を重視して似せる事を放棄するのも時には必要だと思います。「SAO」のキャラデザを担当した足立慎吾さんはその道を選んだみたいですね。原作絵に似せようと思えばアニメでも似せられるのは「結城友奈は勇者である」のキャラデザを担当した酒井孝裕さんが証明していますから。
総作画監督とキャラデザを兼任する足立慎吾さんには、原画の修正等の品質に関わる重要な仕事が与えられていますが、限られた時間の中で修正をするのは骨が折れる作業。その時にキャラデザを自分の描き慣れた絵にしておけば、仕事を上手に捌けて作画の質を向上させられるものと思われます。
基本的にアニメは原作絵と比較して手間の掛からないキャラデザにするものですが、稀に原作絵以上に描き込まれたキャラデザにするアニメも作られています。それに当て嵌まるのが「アクセル・ワールド」で、戦闘時に用いられるデュエルアバターは原作の何倍も凝ったデザインに変更されました。さすがはロボットアニメを長年作り続けてきたサンライズといったところでしょうか。
挿絵を担当しているHIMAさんの描いた女の子は可愛いんですけど、デュエルアバターはメカが苦手なのを誤魔化しながらぼかして描かれていたので、アニメ化の際に魅力的に作り変えられたデュエルアバターを見れたのは嬉しかったです。イラストレーターは自分で何でも描かなければなりませんが、アニメはある分野に精通した人材を当てられるおかげで、原作絵に愛着を持つ読者も納得させる優れたデザインにする事も不可能ではありません。上記のアニメを見ていると原作絵に似せる事が、アニメの全てではないと改めて感じさせられますね。
ラノベのイラストは作者本人が描いているわけではない為に、残念ながら作中の描写から外れている事も時々見られ、作者や読者のイメージ通りにはなりません。そうしたものですからアニメスタッフが作画とか他を犠牲にしてまで、原作絵を忠実に再現する事に拘る意味は薄いかなと思います。
アニメ化を何度も経験するイラストレーター
別記事にする程の内容でもないので書きますが、アニメ化を何度か経験したイラストレーターというのは結構な数がいるんですね。ラノベはアニメ化する機会に恵まれているとはいってもイラストレーターは多分何百人といるのですから、アニメ化なんて一度しか経験出来なさそうなものですが、不思議な事に経験する方はそれに縁があるのか二度目がある。
ヤスダスズヒト「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」「デュラララ」「神様家族」
三嶋くろね「この素晴らしい世界に祝福を!」「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
春日歩「俺、ツインテールになります。」「最弱無敗の神装機竜」
るろお「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」「機巧少女は傷つかない」「ムシウタ」
駒都えーじ「ゴールデンタイム」「イリヤの空、UFOの夏」
はいむらきよたか「とある魔術の禁書目録」「ダンまち ソードオラトリア」
029「異能バトルは日常系の中で」「はたらく魔王さま!」
いとうのいぢ「灼眼のシャナ」「涼宮ハルヒの憂鬱」
切符「のうりん」「対魔導学園35試験小隊」
okiura「インフィニット・ストラトス」「学戦都市アスタリスク」
こぶいち「緋弾のアリア」「これはゾンビですか?」
ブリキ「僕は友達が少ない。」「電波女と青春男」
榎宮祐「いつか天魔の黒ウサギ」「ノーゲーム・ノーライフ」
茨乃「神様のいない日曜日」「ランス・アンド・マスクス」「クロックワーク・プラネット」
大熊猫「新妹魔王の契約者」「ハンドレッド」
カントク「変態王子と笑わない猫。」「そんな世界は壊してしまえ クオリディア・コード」
みやま零「ハイスクールD×D」「織田信奈の野望」
黒星紅白さんやかんざきひろさんなどアニメ化作品の作者と組み続けて、二度目のアニメ化を経験したイラストレーターを除外してもこれだけいます。見落としているところもあると思うので、実際にはこれにもう何名かは加えられるかもしれません。アニメ化しそうな作品に知名度の高いイラストレーターが選ばれるのか、イラストレーターの力がアニメ化する程の人気作品にするのか。とりあえず単なる偶然だけでは無いとは言えるかと思います。
先程までの話とは関係が無い事なんですが、「東京レイヴンズ」を読んでいるとアニメの影響力の大きさを感じます。二次創作がアニメ準拠なのはしょっちゅうありますが、まさか原作側がアニメの方に合わせるなんて事もあって、「東京レイヴンズ」のすみ兵さんは木暮禅次郎のデザインを変えました。何というか木暮さんは兄貴分から主人公っぽい見た目になりましたね。こうなる位なら木暮さんを初めて絵にした漫画版に最初から合わせていれば良かった気がします。
一風変わったアニメの続編のタイトル - アニメ見ながらごろごろしたい
イラストレーターは変なペンネームでも許される - アニメ見ながらごろごろしたい
昔と今のアニメにおける脚本家の仕事 - アニメ見ながらごろごろしたい
- 52 https://www.google.co.jp/
- 18 https://www.google.co.jp
- 6 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=12&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiZja6KrLLNAhVLi5QKHeMmBn0QFghHMAs&url=http://d.hatena.ne.jp/taida5656/20150830/p1&usg=AFQjCNEjY7phdJJTgqTwycvLbS3Xn7gZHQ&bvm=bv.124817099,d.dGo
- 6 https://www.google.com/
- 4 http://hatenablog-parts.com/embed?url=http://d.hatena.ne.jp/taida5656/20160423/p1
- 4 https://t.co/cdlSTYANnP
- 3 http://www.facebook.com/Gertruda
- 3 https://www.bing.com/
- 2 http://b.hatena.ne.jp/entrylist/game/2016年春アニメ
- 2 http://images.google.co.jp/imgres?imgurl=http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/taida5656/20160423/20160423215627.jpg&imgrefurl=http://d.hatena.ne.jp/taida5656/20160423/p1&usg=__7wZRaktdOJYPKM-S8ChrPOhQppA=&h=457&w=455&hl=ja&start=41&tbnid=l0KIOw