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校庭に営巣、攻撃性なく見守る 三重の小学校

巣穴に入るニッポンハナダカバチ=三重県名張市で、広瀬晃子撮影

 絶滅の恐れがあるとされるニッポンハナダカバチが、三重県名張市内の小学校の砂場に穴を掘って営巣しているのが見つかった。野生動植物を調査する県の担当者は「校庭に作った例は聞いたことがない」と驚いている。攻撃性がないハチのため、学校は観察会を開いたり、砂場の使用を控えたりして見守っている。

 砂地に前脚で直径1センチ前後の穴を掘って巣を作るのが特徴。寿命は約1カ月と短く、6〜7月にかけて巣の周辺を飛び交うなどの繁殖行動が見られる。近年、繁殖地の減少などから絶滅が危惧される昆虫の一種としてレッドデータブックに記載されており、環境省は絶滅危惧2類、県は1ランク上の絶滅危惧1B類に指定している。

 営巣しているのは同市薦生の市立薦原小学校(112人)。3年前に児童が巣を発見し、通報を受けた地元の環境団体「伊賀自然の会」が調査し、ニッポンハナダカバチと判明した。谷戸実校長は「珍しいハチとは知らず、駆除するところだった」と振り返る。

 メスには針があるが、攻撃性がないことから、そのまま見守っていたところ、その後も毎年営巣を続けている。砂場は体育の授業で使用しているが、営巣の期間は穴を壊さないように保護している。

 児童も「安全なハチ」と認識しており、怖がる様子はない。同校は学習に生かそうと、今月14日に観察会を実施。4年生が約60個の巣穴と約30匹のハチを確認した。福永胡桃さん(9)は「希少なハチと分かったので、これからも大切にしたい」と話していた。

 伊丹市昆虫館(兵庫県)の野本康太学芸員は「繁殖時期が短いため、穴を発見してもハチの巣だと分かる人は少ないかも」と指摘。名張市では住宅地でも目撃されており、「生活環境の変化や自然災害などで(自然の中の)砂地が減少し、移動せざるを得なくなったのではないか」と分析している。【広瀬晃子】

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